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しつこくキム・ギドク監督作品から、第7作、「悪い男」。

凶暴な力を持った一本・・・筋だけ追ってれば、35年前の日活ロマンポルノみたいなんですが・・・

主演はチョ・ジェヒョン。殆ど台詞のないハンギの役は、彼のために生まれたとしか思えません・・・

ストーリーは都会の底を這いずるような生々しい話でありながら、ソ・ウォンに上着を着せかける赤いドレスの女、それは、顔の欠けた写真の女でもあるのですが、そんな悪戯にも似たファンタジーがあったりします。そして、少しは爽やかなラストになり得た、ロッテ免税店前のベンチでも、砂浜のツーショットでも終わらせないで、Carolaの Blott En Dagが流れ、トラックの赤いホロが点となって残るエンディングには、監督の悪意みたいなものさえ感じてしまいます・・・

頭の中では讃えるべき映画ではないと叫んではいるんですが、その力に抗うことは到底不可能だと思い知る事になる、キム・ギドクの逸品です。