ニジクロシャターン走法 Vol.5(二軸走法④) | 中讃ミドルクラブログ

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陸上は楽しくありたい!が原則で,それでも本気で世界一のアスリート育成を目指す,うどん県骨付鶏市を拠点に活動中!陸上クラブの日常を書き綴ります。


前回は,真下に力を加えることの意味を説明しました。
要するに地面から反発力をもらって走るということです。
ところが,ここで困るのが379号で書いたように,人間の脚は腰の付け根のところで左右に大きく離れて着いているのです。
重心の真下に足を着こうとすれば,それは必然的に斜め方向に着くことになってしまいます。
これでは反発力はもらえません。
なので真下に足を着くために,二軸走法にならざるをえなくなるわけです。
そしてその上に,上半身を乗せてくることで,より大きな力を真下方向に加えることができ,より大きな反発力をもらうことができるわけです。
理屈上はそうなります。
ただ,ここで難しいのは,上半身の乗せ方です。完全に接地した足の上に重心を乗せてしまうと,こんどは体ごとそちらに向かって進んで行ってしまいます。
大切なことはできるだけ地面に垂直に力を加えながら,しかもキックが終わった瞬間には,体を中心方向に戻さなければならないということです。
下の図で説明しましょう。
ニジクロ4 

まず,左の図を見て下さい。
一軸走法です。
これは上半身のブレがないという点では優れていますが,いかんせん地面に垂直に力を加えられないという大きな弱点があります。
昔のキック力に頼った走り方ですから,筋肉が疲れてくるとスピードが落ちます。
真ん中の図は,極端な二軸走法です。
着いている足の真上に重心が来ていますから,完全に地面に対して垂直に力が加えられます。
ところが,この大きな弱点は右足の着いた位置に重心が移動してしまいますから,当然慣性の法則(難しい言葉ですが,外から力を与えられない限り,物体は同じ動きをし続けると言うことです。この法則のおかげでクルマはスピードを出していれば,いくら急ブレーキを踏んでもすぐには止まれないのです。)が働いて,そのまま斜め外の方に走っていってしまいます。
つまり,一旦右足の上に重心が移動してしまったら,今度はその上に体が進もうとします。
つまり右方向に進もうとするわけです。
前に進まなければいけないのに右に進んでしまってはいけませんね。
これが,ラダー練習で極端に上体を振りすぎると,そのままラダーから飛び出したり,それを防ごうとして無理をして捻挫をしてしまう理由です。
つまり,真下に力を加えるという点では理想的なのですが,次に左足の上に重心を持ってくることが不可能になってしまうという致命的な弱点を持っています。
そこで,その両者のバランスを取ることが大切になってきます。これが右の図です。
つまり,できるだけ着足の上に重心は持ってくるが,完全には持ってこない
そのため体は元に戻ろうとする力が働いて,自然に正中線の方に向かってきます。
そして今度は逆足を着くという力が働くわけです。
わかりますか?
ここが人間の体の複雑で難しいところなのです。
理想はあくまでも理想であって,常に理想を邪魔しようとするものが存在するわけです。
ですから,いかにバランス良く最も効率的な動きを身につけるかが大切になってくるわけです。

続きは次回!
では,また!!