こんにちは、押田です。4月から施工していた熊谷市O宅の庭が完成いたしました。
平屋建ての家屋に、広い駐車場。
前庭はおよそ150坪。
「雑木林のような庭にしたい」という、お施主さんの要望ですが、駐車場のスペースをとっても庭の面積がとても広い。
しかも家屋を建てたときの建設残土も家の前に山になっている・・。
お施主さんと相談の末、
「雑木の木立を点在させた芝生の庭」にすることに。
まずは造成から行いました。
建設残土はなだらかな丘に利用します。
全体のバランスを見ながら、雑木の木立を植栽するポイントを決めます。
建物は平屋建てですが、敷地がとても広いために雑木が4~5mの高さでは物足りません。
土壌も悪いため、バーク堆肥、竹炭、タテヤマユーキなどの土壌改良材を大量に投入しながらの植栽です。
コナラ、ソロ、トネリコ、ヤマボウシ、エゴノキ、カエデ・・。
大きなものは7mくらいの樹高です。目通り(幹の太さ)も大きめのものもいくつか使用しました。
緑が入り、雰囲気が変わります。
芝地の真ん中付近に山砂の園路をつくります。
緩やかなカーブを描きながらエントランスに向かい
ます。
その園路が木陰になるようなイメージです。
だいぶ庭らしくなってきました。
あとは芝張りのみです。
芝生は雑木の日陰にも強い野芝を使用。
雑木の木々や芝生が入ると、今まで砂利の駐車場だったことが信じられません。
とても潤いのある景色ができました。
庭の中に「ブランコ」を提案しました。
2本のコナラの中のブランコです。
我が家の庭にも既存のハクレンを利用してブランコがあります。
また、昨年日比谷のガーデニングショーに出展したときにもコナラのブランコをつくりました。
実際の庭では初めての試みですが、こちらも完成しました。
私自身0歳と3歳の子供を持つ親の立場として、庭の中にブランコがあるということは、とても夢のあることだと感じています。
公共公園の鉄製のブランコと違い、枝が揺れたり、不安定な動きをしますが、そこが手作りの良いところです。
また、2本のコナラの枝葉が茂ってくれば、真夏でも木陰の下で遊ぶことができます。
芝地は建設残土を利用し、緩やかな丘ができました。
芝地というと平坦な場所が多いですが、建設残土のおかげでかえって面白い地形が出来上がりました。
「庭 NIWA」秋号が発売されました。
この庭園専門雑誌に
東京都小平市の「なおび幼稚園」の園庭の写真が表紙になりました。
この園庭の植栽は千葉市の高田造園設計事務所が行ったもので、私もこの工事を手伝わせてもらいました。
「この格式と伝統ある日本唯一の庭園専門誌の表紙の庭に、木々の下を子供が駆け回る園庭の様子が載るなんて、前代未聞のこと」と高田氏。
この本は造園の仕事を行う人にとっては憧れの雑誌であり、有名な造園家たちの一流の庭造りを紹介する雑誌、という印象でありました。
正直、自分にはあまり縁のない、どちらかといえば敬遠していた雑誌であります。
しかしながら2013年冬号からこの庭誌、リニューアルを行いました。
このとき、庭誌の編集長は、庭=日本庭園ではなくなっていること。
世間が庭に求めるものが変化してきたことを書いています。
時代が求める庭とは何か。
これからの庭とは何か。
2013年3月に施工された「なおび幼稚園」ですが、1年が経過し、素晴らしい園庭に成長していました。
この本の中でも10ページにわたり、紹介しています。
雑木の木陰の下で机に向かい勉強したり、ご飯を食べたり・・・。
芝生の庭や芝生の園庭は世の中にたくさんありますが、夏の暑い時期、いくら芝生があっても、木陰がなくてはとても外には出られません。
また、地域に根付く雑木を使用することにより、様々な生き物が木々の元に集まる。
「いい幼稚園だなぁ~」ここの工事を手伝いながら心の底から思いました。
園児やお母さんたちがこの園庭の外周に、50年後森をつくるべく、この地域に自生するたくさんの苗木を植えました。
なお、このなおび幼稚園の庭づくり、植樹祭の様子はこちらで紹介しております。
http://ameblo.jp/chuou1/entry-11485419206.html
こんな素晴らしい環境をつくる工事に協力できたことは、自分にとって一生の宝となりました。
実際、今回庭づくりを行った、熊谷市K宅はこのなおび幼稚園の工事をとても参考にさせていただきました。
お施主さんのOさんの庭に対する考え方とこの幼稚園の園庭のつくり方、私の考えがほぼ一致し、このような庭になりました。
このO宅の外周にも苗木ではありませんが、雑木を主体とした外周林をつくりました。
梅雨時の暗い写真でわかりにくいのですが・・
通りから見ると、外周林があり、駐車スペースがあり、雑木木立が点在する芝生の庭があります。
将来が楽しみな庭がまた一つ出来上がりました。
家屋と砂利の駐車場という無機質な景観が一変しました。
考えてみると、従来の日本庭園は「鑑賞」が主な目的の庭でありました。
しかし、先ほどの「庭」誌も庭に対する世間のニーズの変化を感じています。
伝統的な日本の庭園文化を継承することは造園業者の大切な使命でありますが、それとは別に東日本大震災を経験した我々は庭造りに対する考え方を変えなくてはいけないと思います。
庭造りは「自己満足」であってはいけません。
時代の流れ、世間のニーズ、自然の節理をしっかりと勉強し、敏感に感じ取る必要があります。
今我々が最も作らなくてはいけないものは、ここ数十年のうちに失われてしまった豊かな環境を取り戻すことのような気がしています。
我々が木々を植えることにより、豊かな環境を取り戻し、豊かな心を持った子供たちを育て、その子供たちに未来を託す。
そんなことを考えた、今回の庭づくりでした・・・。




























































