秋田からの雪だより | 中央園芸のブログ

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(株)中央園芸の庭づくりの様子や、日々の出来事

先日、秋田からの雪だよりが届きました。

秋田県能代市の造園家、福岡徹さんのFacebookの投稿写真です。

幻想的な美しい雪景色です。

これは、地元の小学校の近く、通学路のケヤキ並木だそうです。

 

枝を大きく伸ばしたケヤキ並木は、夏は大きな木陰を作りとても涼しい!

というのはよく聞きますが、

冬のケヤキ並木は、枝が傘になって雪や風を防いでくれるという。

それは、「天然のかまくら」のような働きをし、並木の中に入ると、とても暖かさが感じられるそう。

 

街路樹にやさしい、福岡徹さんならではの投稿でした。

 

しかしながら、今でこそ美しい樹形のこのケヤキ並木ですが、実は数年前はこのような姿ではありませんでした。

福岡さんの写真をお借りしながら、ブログを続けます。

 

 

 

 

 

2007年、片側の車線のケヤキが縦長に剪定されました。

反対側は剪定されず、ケヤキらしく枝を伸ばしています。

(白地の文字は福岡さんによるもの)

 

樹木は枝を短く切りすぎると、徒長枝(とちょうし)を出し、樹形は暴れます。

ケヤキが元の状態に戻ろうと、必死に葉っぱを出しています。

ケヤキなのに柳のような姿です。

 

そして、今度は丸刈りに・・・。

 

短く剪定されたケヤキの街路樹。

樹木は切りすぎると衰退します。かなり樹勢が弱っている姿が見てもわかります。

剪定する量は、全体の枝葉の5分の1程度に抑えたいところ、多くても3分の1程度が基本。

 

剪定の極意は「切る時期」、「切る位置」、「切る量」。

適切な時期に、適切な位置で、適切な量を!

 

痛々しい姿になってしまった、ケヤキ並木。

 

しかし、その後このケヤキ並木は剪定されずに守られていきます。

 

剪定から4年。

福岡さんの活動などにより、無意味な剪定から免れたケヤキは、

自然と本来のケヤキの樹形に戻っていきます。

 

5年後。

ケヤキの紅葉も戻ってきました。

 

そして7年目、夏。

両側のケヤキの枝がついに重なり合いました。

ケヤキのトンネルの完成です!

福岡さんは左右の枝葉が手をつなぐ、という表現をしていました。

 

雨の日も、風の日も、雪の日も・・・

夏は木陰をつくり、子供たちを強い日射から守り、冬は風雪を凌ぎ、暖かい。

樹木は枝を大きく伸ばし、本来の自然樹形になってこそ、人々のため力を発揮し、守ってくれます。

 

そんな姿を温かく、辛抱強く見守ってきた福岡徹さんの強い思いには頭が下がります。

 

 

 

 

 

 

一方、慌ただしい、師走の街を行けば、

無残な街路樹の姿ばかりが目につきます・・・。

 

 

 

そんな横を何事もなかったように、小学生が列を作り登校する。

問題なのは、これが「当たり前に」なってきてしまっていること。

 

とてももったいないことですね。

 

 

今年の1月、東京都立川市の昭和記念公園で、第一回街路樹サミットが開かれました。

こんな全国の街路樹問題を打破しようと、記念すべき第一回のサミットでした。

 

この思いを繋ぎ、来年は大阪、茨木市で、

 

再び  街路樹サミットin大阪 開催です!

日時は2017年1月7日。

 

街路樹サミットin大阪 

http://machimorinowa.org/summit2017

 

年々、目まぐるしく環境が変わる中、

雨の日も風の日も、猛暑の日も、雪の日も・・・

我々を守ってくれる、街路樹を生かさない手はありません。

 

年々暑くなる夏も、もっと凌ぎやすくなるはず!

 

福岡徹さんや大地の再生講座の矢野智徳さんも登壇します。

 

来年1月、大阪で街路樹について考えてみませんか?

誰でも参加できるイベントですので、是非!僕も行きます!