屋久島旅行 | 中央園芸のブログ

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こんばんは、押田です。

7月16日~18日の連休を利用して、屋久島に行ってきました。

屋久島へは、いつかは行ってみたいと思っていましたが、ようやく念願が叶いました!

正直、屋久島は想像以上の場所でした。

極度の樹木好きの自分にとっても、

「こんな場所があったのか!」と思える風景がたくさんありました。

写真もたくさん撮ってきたので、今回のブログは屋久島の美しい自然をたくさん紹介したいと思います。

 

屋久島に到着し、まず、ガイドさんに案内してもらったのは、海!

 

ここはウミガメの産卵場所として有名な「いなか浜」。

曇り空でしたが、関東近郊にはない海の青さをまずは実感できました。

 

 

次に向かったのは、川です。(川の名前はわかりません~)

屋久島は雨の多いところとしても有名ですが、前日の雨の影響もあり、やはり水量が多かったです。

大きな丸い石がゴロゴロと、独特な川の景観です。

 

足まで川に浸かる・・・

というのはよくありますが、ガイドさんおすすめのポイントで、どっぷりと川遊び。

僕自身自然の川にどっぷりと入るのは、何年ぶりの事だったでしょう?

今回8名のツアーでしたが、ライフジャケットを装着し、数年ぶりの川遊びを楽しみました。

 

次に向かったのは、森です。

 

こちらは、ガジュマルの大木。

熱帯の樹木であるガジュマルは、屋久島が生育の北限になるそうです。

屋久島というと「縄文杉」というイメージが強いですが、こんな熱帯の植物も存在します。

地面に向けて、多くの気根を下ろす姿は、すごい迫力です!

 

裏側から見た、ガジュマル。

人の大きさと比べると、かなりの大木であることがわかります。

 

気根の降りる地面を見てみます。

ガジュマルのある場所は、緩やかな傾斜があり、清らかな水が気根の間を流れていました。

おそらく気根の下も、地下水脈が山側から谷側へと流れていることと思います。

 

空気や水が停滞するのではなく、常に動いている状態は樹木にとってとても好ましいものです。

このような地形落差もこのように大木が育つ要因だと感じました。

 

次に向かったのは、滝。

大川の滝(おおこのたき)といいます。

 

近づいて見ると、豊富な水量に圧倒されました!

滝に近づくと、ものすごい音と風。

滝のパワーはすごい!

 

ツアー初日(半日)で海、川、森、滝、見どころが満載、屋久島は自然が豊かなところです。

 

さて、一夜明けて2日目の朝。

すっきりと晴れ渡り、気持の良い朝でした。

この日のメインの森散策の前に、ガイドさんに宮之浦川に連れていってもらいました。

 

足を入れると、水の透明度がよくわかります。

屋久島はほとんどが花崗岩でできているそうですが、川底も花崗岩が砕けた細かい粒状になっています。

ここは、川底を踏んでも、泥が浮いてくることはほとんどありません。

 

普段我々が住む都市部や近郊にある川は、川底を踏むと、黒や赤の泥が浮いてくることがよくあると思います。

なぜでしょうか?

 

本来であれば、雨が降れば雨水は地面に浸透しますが、コンクリートやアスファルトなど、人工物の多い現代においては、空気と水の流れが停滞し、表土が固く締まっていきます。

固く締まった土は雨水を十分に浸透できずに、表土は削られ直接川に流れ、川底に堆積します。

 

そしてこの堆積した泥は、川底までも詰まらせ、川の呼吸をも停滞させる。

こうして負の連鎖が起こっていく訳です。

 

朝もやに煙る、宮之浦川。

初めて見る川でしたが、どこか懐かしい感覚が蘇ります。

 

もやがかかるのは大地が呼吸している証拠。

屋久島は川が美しいところです。

 

 

さて、いよいよ森に入ります。

先程まで晴れていましたが、天気は急変、大粒の雨が降ってきました。

軽装で歩こうとした矢先、レインウエアを着ることにします。

 

午前9時頃、トレッキングコースの入り口に到着しました。

先月旅行で行った、青森の奥入瀬渓流に似ている・・・

白谷雲水峡はそんな印象でした。

 

森に入ると、また晴れてきました。

梅雨時期で雨量が多いせいか、あちこちで水が流れています。

 

そして、晴れたと思ったら、また曇ったり、小雨が降ったり・・・。

屋久島の急変する天気に一喜一憂しながらも、一行は森の中を歩き始めました。

 

 

歩き始めて数十分後、辺りは一気に屋久島の森の世界へ・・・。

大きな巨木が現れました。

二代大杉です。

 

二代杉という名前の由来は、倒木した切り株の上に種が落ち、発芽したもの。

二代目の杉が数百年を経て成長したという。

 

「倒木した木は苗床になる。」

ガイドさんは、そんなことを言われました。

倒木した木は、しだいに朽ちて表面が土壌化し、種が発芽しやすい環境をつくります。

 

写真は、倒木したスギの上から発芽した、スギの赤ちゃんです。

 

台風によって倒れたり、もしくは寿命を全うしたり・・・

健全な森の中で、木が倒れることはとても残念なことのように思いますが、実はそうではありません。

 

木が倒木することによって、森の中にはぽっかりと広い空間が生まれます。

 

そして今まで薄暗かった林床まで太陽の光が届くようになり、

「待ってました!」とばかりに、潜在的に落ちていた種が一斉に発芽します。

 

 

 

大木が倒れることは、次の世代が誕生すること、命のバトンを手渡すことでもあるのです。

また、倒木した木も、次の世代の栄養となり、次第に朽ちて土に還っていきます。

自然界において無駄なものは一切ありません。

すべてに意味があり、循環します。

 

そして発芽した種は、その環境に適した苗木のみが生き残り、長い年月を経て、また大木へと成長していきます。

 

森を見渡すと、二代大杉のように、倒木したり、伐採した切り株から発芽したと思われる大木がよく見られました。

また、スギと一緒に横から生えている木はヤマグルマです。

屋久島の白谷雲水峡付近では、スギとヤマグルマの共生はよく見られました。

 

こちらも倒木した木からスギが成長したと思われるもの。

 

こちらは、大きな岩の上に着生した種が大きく成長したもの。

 

もともと屋久島は花崗岩が大部分を占める島で、土壌はけっして豊かではありません。

しかしながら雨の多い屋久島特有の気候風土が、岩の上でも大きく樹木を成長させています。

名もなき数々の巨木が、屋久島には数多くありました。

右を見ても左を見ても、地面を見ても空を見ても・・。

どこを見ても驚きの景色の連続です。(*後ろから2番目が自分です。)

 

歩き始めて数時間、2回目の休憩です。

今回の屋久島ガイド、ソウルナビゲーションの鈴木洋見さんがコーヒーを入れてくれました。

 

日本のみならず、世界各国を旅してきた鈴木洋見さんが、東日本大震災後から屋久島に移り住んで5年。

屋久島を心の底から愛する、素晴らしいガイドさんです。

 

今回のツアーは旅の計画はほとんどありません(笑)。

その日のメンバーの体調や天候を考慮し、またはメンバーと相談しながら、ガイドの鈴木洋見さんが最善のルートを決めていきます。

 

僕も20代のころ一人旅をしてきましたが、目的地や観光地を時間通りに巡るだけの画一的なツアーには、あまり魅力を感じませんでした。

 

その時の出会いや感情で長くその場所に留まったり、予定を急に変更したり・・・。

北海道をはじめ日本各地から、インド、タイ、トルコ・・・僕自身もそんな旅を経験してきました。

 

行き先も、時間もメンバーの様子や天候、場所を見ながら臨機応変に対応する鈴木洋見さんのガイド。

屋久島ソウルナビゲーションhttp://www.earth-tribes.com/

 

「どこに行くのか?、何があるのか?」

ドキドキワクワクのまさにミステリーツアーでした。

 

お茶を飲んでまったりとしていると、またもや大粒の雨が!

リュックにしまっていたレインウエアを再び取り出します。

 

森はさらに深くなりました。

中央に見えるピンクのテープを頼りに屋久島の深い深い森の中を歩きます。

 

梅雨時期のためか、川はいつもより水量が多いようでした。

しかしながら、川の水は濁ることなく、とても清らかでした。

 

こちらの写真は今回のツアーの主催者、話し方の学校時代からお世話になっている、西任暁子さんです。

2か月前の八国山緑地(トトロの森)ハイキングでは、息を切らしていた西任さんですが、

今回屋久島を歩き、潜在的な運動能力が覚醒したようでした。

颯爽と先頭を歩く西任さんです。

 

天気は目まぐるしく変わりました。

時より見せる晴れ間が、屋久島の森を美しく輝かせます。

 

さて、今回の山歩きのいよいよクライマックス、ガイドさんおすすめのポイントに到着しました。

ガイドの鈴木洋見さんは、「水の森」という表現をしていましたが、ここからは本当に深い深い森が続きました。

 

名もなきスギの巨木。

 

現実を忘れさせるような空間をゆっくりと歩きました。

 

 

木と石と苔、そして水の世界。

日本庭園や盆栽の世界は、先人たちが見たこんな風景を凝縮したものなのでしょうか。

 

自分は、これほどまでに深い深い森を見たのは初めてでした。

もののけ姫のモデルといわれる屋久島ですが、

このような世界が今も残されているとは、本当に驚きました。

 

 

 

日本では古くから人が立ち入ってはいけない森(奥山)があったといいますが、

まさにここは深い深い奥山。

里山が人の領域なら、奥山は神の領域。

 

圧倒的な森の木々でした。

「よく来たな!」

そんなことを言っているかのような、スギの巨木が最後に出迎えてくれました。

 

 

しかしながら、かつては日本のあちこちでもこのような奥山は存在していたはず。

このような神々しい木々に会えるのは、今は本当に限られた地域だけになってしまったということでしょう。

 

水の森を抜け、遅めの昼食をとり、先程の余韻を引きずりながら白谷雲水峡のメインルートに戻ります。

 

こちらは七本杉。

樹齢が1000年以上といわれる、白谷雲水峡最大の屋久杉です。

いや~本当に凄い!

 

 

「1か月に35日は雨が降る」

ともいわれる屋久島ですが、今回も幾度となく大雨に打たれました。

しかしながら、雨が多いからこその屋久島独特な自然と景観。

夕方下山するころには、再び光が差し込みました。

 

 

ここは、また絶対に来よう!

そして、このような神聖な世界をいつまでも残していきたい・・・。

そう心に誓った2泊3日の屋久島旅行でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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