熊谷市 松本材木店 リニューアルオープン造園工事 | 中央園芸のブログ

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(株)中央園芸の庭づくりの様子や、日々の出来事

こんにちは、押田です。

埼玉県熊谷市にある工務店、熊谷【緑風の家】でおなじみの松本材木店がリューアルオープンいたします。創業は1925年、今年で90周年だということです。


今回、営業所をリニューアルするということで、中央園芸は造園工事の施工をさせていただきました。

そして今週末の5月14日(土)、15日(日)にオープンイベントを開催します。


この現場は、4月1日から施工を開始して、1か月以上にも及ぶ、

我々にとって大きな庭工事となりました。

私も、この2日間は、来場者に向けて、庭の説明などをする予定です。



3月25日、庭工事、施工前。

右の建物が、今までの営業所で、左の平屋の営業所に建て替えています。


今までの営業所は解体し、新営業所の周りの庭の工事です。





今回、この新営業所の外構造園工事の設計をされたのが、エービーデザインの正木覚氏です。


正木氏は、世田谷の【欅ハウス】や、この松本材木店の【熊谷 緑風の家】など、

木々の力を十分に発揮させることにより、快適な住まい、快適な庭を提供するという、微気候デザインの造園設計を数多くされてきた実績があります。

微気候デザインとは、木々を植えることによって得られる、住宅周辺のわずかな変化をいいます。

私も千葉の高田造園設計事務所さんの木々の植え方、木々の扱い方に共感し、雑木の庭をつくりはじめましたが、まさしくこれは雑木類を植えることによって、微気候の変化を起こしていることになります。


写真は、私の会社の圃場で三波石を物色する正木氏ですが、

「どこにでもある材料を使いたい、その辺に転がっている石でいい・・」


そんな、「あるものを使う」という、正木氏の考え方にとても共感しました。





さて、4月1日、工事開始です。

新営業所の北側の庭。

まずは、いつものように、この土地がどんな土壌か、穴を掘ってみることにしました。






元々は、田んぼだった、という言葉通り、RC砕石の下は、田んぼの土である荒木田層が出てきました。

その後、赤土(関東ローム層?)が出て、最後には、砂利の層に到達しました。




地層断面図です。

地上から、RC砕石が20cm、田んぼの土(荒木田)が40cm、赤土が40cm、

そして地上から1m下からは、砂利の層が続くようです。


おそらくここが、この土地の地下水脈(荒川)と繋がる層だと思われます。




そして、ここの地名は熊谷市石原(いしはら)。

この砂利の層を掘れば掘るほど、大量の玉石がごろごろと出てきました。


地名というのは面白いものです。

沼がつく地名は、元々沼地で水はけが悪かったり、うちの家の地名は用土(ようど)、

石はほとんどなく、とても良い土がでます。



そんなこんなで、既存の土壌を改良しながら、客土をして、正木氏が現場に訪れる日まで、地形づくり、土壌づくりをしました。




4月7日、正木氏が現場を訪れました。

この日は、あいにくの雨でしたが、工事を行いました。


圃場に転がっていた三波石をテンポ良く配置しながら、正木氏が圃場から選定した樹木が植えられていきます。




雨の一日でしたが、北側の庭、大まかな植栽は完了しました。

悪天候でしたが、なんとか形になりました。


正木氏も毎日熊谷の現場にも来れません。


大量の玉石をどうするか?

どこで使うのか?


僕も悩んでいましたが、

「石を並べて、何か、石の原っぱみたいのにしようか~」

という正木氏の言葉に僕もピンときました。

やはりここは熊谷市石原、造園用語でいう、「州浜(すはま)」みたいのをつくることにしました。


大量の石と格闘しながら、石を並べていきました。





ということで、玉石を並べてみました。

土が盛ってあるところは、土留めとして、小端積み風に。


土の中から出てきた材料ですが、庭の中で使うことができました。



さて、メインとなる前庭です。

元の事務所もいよいよ解体に入りました。




そして、新事務所は、我々の造園工事を残してほぼ完成。

いよいよメインとなる前庭の工事に入ります。






すぐに植栽を開始したいところですが、植栽枡はRC砕石がたくさん!




少しの量なら混ぜてしまうところですが、重機の入らない植栽枡は、手作業での漉き取りになりました。





デッキの前の部分は重機が使用できましたが、こちらもかなりの量のRC砕石を漉き取りました。




漉き取った部分は、客土し、既存の土壌と混ぜます。




数日かけて、土づくりを行いました。


そして、植栽できる状態にして、正木氏の登場です。





前庭1本目。

「こんなイメージで!」


正木氏がエントランスの植栽イメージを我々に伝えます。




我々も、正木氏が選定したものだけでなく、できる限りの樹木を持ち込みました。

同じ樹種でも、大きさや気勢の異なるもの、

「アオダモだったら、こんなのもあります~」

みたいなやり取りをしながら、正木氏の植栽イメージに合わせていきます。






エントランスの横は、ヤマボウシが植えられました。

向きを変えたり、回してみたり・・・

新営業所を印象づける、とても大切な場所の木です。




デッキの横は、大きなヤマザクラが植えられました。




アオハダ、イロハモミジ、アオダモ・・・

前庭に次々に木々が植えられていきます。




ブルーのタオルが私です。

正木氏の植栽イメージを真剣に聞いているところです。


正木氏の奥は、松本材木店の松本社長です。

設計に正木氏を指名するように、以前から建物と外構造園、そして植栽のことにとても気を配っている社長です。

「快適な住環境を提案したい、」

おそらく、この現場のみんなが、そんな信念を持ち、仕事をしているように思います。






5月2日、今度はエントランス右側の植栽です。

1本目は大きなアオハダ。





オープンが5月14日、あまり時間がありません。

急ピッチで作業は進みます。







ということで、これは5月12日、前日の作業の様子。

前庭も大きな「石原」ができました!

もちろんこちらもすべて土の中からでてきたもの。



いよいよ工事も大詰めですが、現在もまだ工事は続いております。





そして、今回の工事の一つの目玉が、「芝生の駐車場」です。

元々、正木氏の設計にありましたが、施工方法は今回私もいろいろと研究しました。


そして、行きついたのが、大地の再生講座の矢野智徳さんの水脈気脈理論に基づく施工方法です。

この方法は、芝生の下に客土をしません。

芝生を健全に生育させながら、いかに駐車場としての強度を出すか。


実験的な施工になりますが、しっかりと外周に水脈をとり、下地を作り、芝を張ります。




完成まであと2日、工事もぎりぎりの前日までとなりそうですが、天気が良さそうなのできれいに仕上がるでしょう!



14,15日のリニューアルイベントの日には、この施工方法もすべて公開いたします。

よろしければ、見学にいらしてください。ご説明させていただきます。

15日は正木氏もいらっしゃいます!






完成写真は、後日また投稿したいと思います。

また、現場のほうをお待たせしているお客様、申し訳ありません。

ようやく長い工事が終わります、来週から随時再開いたします・・・。