私たちの活動④「ホームカミングデー」Part2

ジャーナリストは事務総長に連れられ、会議室への向かいました。だだっぴろい会議室には事務総長とジャーナリストの2人だけ。まだ2月と言うこともあり部屋は寒くなっていました。

「まあ、座れや」

ジャーナリストは事務総長に促され、席につきました。

「こないだ電話で木下君（事務総長の部下）がきみに言っていたことだろう？気にすることない、気にすることない」。

「でも、私のせいで、平成元年会がポシャったら、皆さんに申し訳なく……」

「もしきみが平成元年会の会長にふさわしくないと思ったら、既に私たちが更迭しているよ」

事務総長は笑顔でジャーナリストを見つめました。

実は2月早々「中央大学グループ」で「ある不正事件」が起き、それをジャーナリストは記事にしました。

この件は80万にいる中央大OBOG、系列含め学生、教職員のうち「僅か数名程度」しか知らないことでした。

その為、「ウラ」をとるために、ジャーナリストは中央大学本体の人事部、広報部、理事長秘書、総長秘書、学長秘書に電話をかけ、取材を申し込んだのですが、「えっ？それってマジですか？」「本当にそんなこと起きたのですか？」「なぜ私たちが知らないのにあなたは知っているのですか？」と逆に質問返しされました。

ジャーナリストが書いた記事……と言ってもブログですが、そのブログだけで、中央大学グループは大騒ぎになりました。

学員会には中央大学職員を名乗る輩から「そもそも平成元年会の発起人4にはどうやって決めたんだ？」「発起人4人に任せても本当に大丈夫なのか？」と言う電話が後を絶ちませんでした。「記事が出る前」は一件もなかったクレームが「その日」を境に学員会に頻繁に電話がかかってくるようになったのです。そのうち「会長になる奴は母校の悪口を書いているのだろう？」「普通は母校が悪いことしても書かないのが常識だろう？」「事実、その事件のことを記事にしているのは会長候補だけじゃないか！他の中央大学OBの記者は書いていないじゃいないか！」「そんな奴、会長にしていいのか？」。

しかし学員会は冷静でした。「彼が中央大学グループの不正を記事にしたことと平成元年会の会長、及び発起人4人がふさわしくないのは関係ないのではないか？」「中央大の出身の記者は中央大学が悪いことしても目をつぶっていればいいのか？」「むしろ中央大のOBで記事にしたのが彼だけと言うのは誇りに思わないか？」「もし発起人4名と会長候補が平成元年会にふさわしくないとしたらとっくにクビを切っているよ」。