今年のチームに欠かせない存在となった大橋。
豊富な運動量と抜群な得点感覚に優れた彼は中央大学の関東リーグ1部昇格のための重要な鍵となるだろう。
中学時代はジェフユナイテッド千葉ジュニアユースに所属していたが、ユースに上がることができなかった。そこで強豪校に入り見返してやろうと思い、千葉の強豪、県立八千代高校に進学した。1年生の頃は出場機会に恵まれなかったが、朝5時半に起きて自主練習をし、夜は11時過ぎに帰るという絶え間ない努力により、2年生から少しずつ公式戦に出られるようになった。
「試合に出続けるために献身的にプレーすることを心掛けていましたし、これが今のプレースタイルの基盤になっています。」と語る。
しかし、高校3年間の目標であった全国制覇を成し遂げることはできなかった。そこで大学では必ず日本一になろうと意気込み、高校時代に唯一練習参加した中央大学へと進学した。
入学当初の目標は1年目から公式戦に出場することであったが、思うように出場機会は得られなかった。出場したとしてもポジションは高校時代にしていたFWではなく、不慣れなボランチとしての出場だった。だがここでも大橋は自分を信じて努力を続けた。
様々なポジションを任された大橋だが、3年目の今年はFWにポジションが固定され献身的なプレーと高い得点能力でレギュラーを掴み取った。
「チームが負けたら前線の選手に責任があるなと感じていますし、自分はFWだから毎試合1点は取りたいなって思っています。でも、周りの人が得点を取ってくれたら自分のことのように嬉しいですし、チームの勝利が一番です。」という大橋の発言からも責任感やチーム愛を感じる。
自分のことよりもチームのことを優先する彼のプレーが前期リーグの活躍に繋がったのかもしれない。
関東リーグ開幕戦から得点を取り、その後も得点を重ねたが、
第7節の東海大学戦で怪我をしてしまった。大橋の負傷交代後にチームは逆転を許した。
「怪我をして3日してから、ふと我に返った時にいろいろな感情がこみあげてきた。1週間位はリハビリに集中できませんでした。」
「中央大学の今後を左右するアミノバイタルカップまでに間に合うのかどうか不安でした。」という心境だった。
この怪我により前期リーグ残りの4試合は出場できずに終わり、また先日行われたアミノバイタルカップに出場するも初戦で負けてしまった。献身的なプレーでチームを引っ張ったが得点を取ることができなかった。
しかしこの悔しい気持ちをバネに後期リーグでの更なる活躍を誓う。
「後期リーグはなんとしても全試合に出場し、今度こそ毎試合1得点します。そうすることが今年の目標である、大学選抜に入ること、Jリーグのチームの練習に呼んでもらうことに繋がってくると思います。」と意気込んでくれた。
そんな彼に将来の目標は何か聞いてみた。
「将来の目標はプロサッカー選手になって活躍することです。海外でもプレーしてみたいです。」と強く語ってくれたが、
「でも、まずは大学で得点を重ねることや大学選抜に入ることで注目してもらうことが大事です。将来のことはあまり考えていません。」と、とても謙虚だ。
「今の環境でサッカーができることにとても感謝しています。日々妥協せずに努力を積み重ねていきます。」
妥協を極力しないことが彼のモットーだ。
彼の活躍が中央大学を関東リーグ1部復帰に導くだろう。
大橋祐紀(おおはし ゆうき)
MF3年 商学部
1996年7月27日
178cm/72kg
柏イーグルスTOR82→ジェフ千葉U-15→八千代高校