「一生に一度」として臨んだオーケストラとの共演アルバムから１年、再び自らの原点であるピアノトリオにたち戻ったアヴィシャイ・コーエンの、"らしさ" ど真ん中のアルバム。
アヴィシャイ・コーエン『Shifting Sands』（2022年）
収録曲は全てオリジナル。
変拍子だらけのエスニックな雰囲気の曲や、地元イスラエルらしい哀愁を感じる曲。美しいメロディラインは円熟の極みです。
アゼルバイジャンのピアニスト、エリチン・シリノフは前作から引き続き。
母国の伝統音楽を引き継いだ魅力的なフレーズを聴かせてくれます。
ドラムのロニ・カスピは2021年のツアーから参加している21歳のお姉さんで、いったいどこから連れて来たのか、他にセッションで名前を聞いた事もない完全に無名のプレイヤーですが、若手らしい奔放な演奏。
この人は間違いなく次世代のジャズドラムの中心にいるでしょう。
ピアノトリオはここまで来た、その進化の先頭にいるような作品。