大阪ミナミに「黒門市場」という、いちびった商売しとる一角があります。
かつては "大阪の台所" と呼ばれ、鮮魚や野菜、精肉などを扱う店が約170店舗。
割烹や料亭への卸をする店も多く、プロの料理人や我々一般人までが「黒門に行けば安くて新鮮なものがある」とここに足を運びました。
年末になるとお正月用の鯛やマグロ、フグなどを買い求めるお客さんでごった返し、関西ローカルのニュースでは毎年の風物詩。
私も大晦日に黒門で魚を買った事があります。
....だったのは20世紀までかな?
なぜか関係のない日本までが不況の煽りを食ったリーマンショック(これは当時の総理大臣だった麻生太郎の責任大です)のおかげで飲食店が激減、さすがの黒門市場もシャター通りになります。
神風が吹いたのは2010年頃。
関西国際空港に格安航空会社が乗り入れ始めたあたりから、外国人観光客が大阪に激増!
外国人観光客と言いましても、大阪の場合、8割は中国人です。
不幸にして大阪は東京より中国に近いので。
かくして、
道頓堀は中国人だらけに。
平日に道頓堀を端っこから歩くと、御堂筋側・松竹座の前から堺筋までの何十メートルの間、一度も日本語を聞かない時がありました。
たこ焼き屋は中国語で呼び込みやってるし、ほとんどの店には「熱烈歓迎」の貼り紙。
道頓堀からほど近い黒門市場もその例に漏れず。
商店街振興組合が中心となって、外国人観光客を取り込む為のキャンペーンを始めます。
英語と中国語のポスターやパンフレットを作り、店先での飲食、食べ歩きも。
食べ歩きについてはまず、「そんな行儀の悪い事は...」の声もありました。
そもそも黒門市場で扱ってるのはハンバーガーや団子じゃないのです。
生鮮品。
それでも、食べ歩きの串焼きなどを売る店に行列ができるようになると、「うちも」と真似する店がどんどん出て来ました。
当然、
路上はゴミだらけ。
こうなると、日本人は黒門に行かなくなります。
「中国人だらけやん、あそこ」
これは差別ではありません。
「中国人だらけやん」とは、「ゴミだらけやん」の意味。
日本人に向けて商売してませんし。
その空気が一変したのは、あの新型コロナです。
外国人観光客が来なくなった....
すでに日本人は黒門には行かない。
閑古鳥どころか、猫の子一匹いません。
コロナが蔓延する以前からこのブログでも中国人相手の商売に傾倒するミナミには警告をしていました。
中国人が来なくなった時、すでに日本人も来なくなってますから「そして誰もいなくなった」になりますよ!
って。
お前ら、どこを向いて商売してんの?
ホントにそうなりました。
インバウンド頼みの危うさは骨身に沁みてわかったはずです。
なのに?
今の黒門市場、またしても懲りずにインバウンド頼みの商売を始めてはります。
店頭に並ぶ商品には英語表記、
ウニ丼が5,000円、本マグロの寿司が4貫で2,800円、焼きエビ1尾2,500円。
"KOBE BEEF"と書かれた串焼きが1本4,000円です。
何を調子に乗ってる?
外国人観光客にしか向かないで商売すれば、彼らが来なくなった時にまたコロナと同じ事態になるのはわかっているはずなのに、「来年の万博でもっと忙しくなるで!」と喜んでる店ばかり。
現在の黒門市場、約170店舗あるのに、商店会振興組合が発行している "黒門マップ"に掲載されているのは120店舗ほど。
なぜ?
外国人観光客を狙って新たに参入して来たヨソ者で、商店会組合に加盟してないんです。
つまり、非組合員の店は掲載されていません....
見ようによっては、排他的な商店街がヨソ者に嫌がらせしてる? に見えなくもない?
しかし、
不況で撤退した店舗の跡地に出店したこういうところはほとんどが外国資本の業者。
通路にはみ出すぐらいにイスとテーブルを並べたり、アジアからのお客様にウケるような屋台風にして無理やりイートインスペースを作ったり。
見栄えがするようにとにかくデカいタラバガニや神戸ビーフの肉巻きなど数千円で売ってます。
(本当に神戸ビーフなのかは???)
商店街のイベントには一切参加しないので、何かあればさっさと店をたたんで撤退するんでしょう。
これは、
こういう業者に店舗を売った地元も悪い。
パチンコ屋やゲームセンター、チェーン店だらけの道頓堀と同じです。
道頓堀までわざわざ行ってパチンコしたいですか?
道頓堀までわざわざ行って「びっくりドンキー」で飯、食いますか?
売るなよ。
黒門市場、
一度全〜部、潰れた方がええんとちゃう?