米国AIPのエドガー・アラン・ポー作品映画化シリーズ、もちろん監督はB級映画の王、ロジャー・コーマン。
そして、同じくB級映画の顔役、ヴィンセント・プライス。
ブロディ&ハンセン並みの最強コンビです。
シリーズ第一作『アッシャー家の崩壊』に続く第二弾がこの作品。
『恐怖の振り子』(1961年)
監督:ロジャー・コーマン
脚本:リチャード・マシスン
出演:ヴィンセント・プライス、ジョン・カー、バーバラ・スティール
舞台は16世紀のスペイン。
当地の古城に嫁いだ妹の急死の知らせに疑念を抱いた兄、ジョン・カーが、ダンナである城主、ヴィンセント・プライスに会う為に城にやって来ます。
しかし、城主は体調を崩して自室に引きこもっているのみ。
しばらく滞在する事にしたカーは、自室で養生しているはずのプライスが夜な夜な、地下室へ下りて何やらゴソゴソやっている事に気づきます。
実は城主のプライスは拷問フェチ。
妹はあり得ないほどの恐怖のあまり心臓発作を起こして死んだと聞かされたカーは....
ポーの原作「穴と振子」は明確なストーリーがあるわけではなく、単に恐怖心を描いただけの短編ですが、このごく短い話に「早すぎる埋葬」と「黒猫」のエピソードを加えた脚本が素晴らしい。
前作『アッシャー家の崩壊』のセットを "改築" したゴシック様式溢れる古城もええ感じです。
わずか90分弱の作品ですが、見るからに怪しい城主には秘密が、の後にさらなる秘密が!の展開は濃密。
隠れた名作だと思います。