淋しい男女は北へ向かう。 | 5番の日記~日々好日編~

5番の日記~日々好日編~

気の向いた時に気の向いた事を勝手に書いています。
よってテーマは剛柔バラバラです。



これからだんだん暑くなって、さぁ、今年の夏はどれだけ暑くなるのやら? という時期ですが、寒いお話です。



演歌の世界....


なぜか「北」




暖かい南の島へ逃避行するとか、そんな例はあまり演歌においてはありませんね。

世間を捨ててさすらいの旅に出る男、惚れた男を追って雪の舞う町をさまよい歩く女、どっちも居場所は「北」


演歌の世界では南国は絵にならないのです。




♪ 名もない港に 桃の花は咲けど

♪ 旅の町には やすらぎはないさ

♪ お前と別れた むなしさ抱いて

♪ 俺は明日もまた 北へ流れる


♪ お前の優しさ 酒に浮かべひとり

♪ 遠い霧笛に あの夜を探す

♪ 愛していりゃこそ つれなくしたが

♪ 今もこの胸で 揺れる微笑み


♪ 男は振り向き 暗い空を見上げ

♪ つけた煙草に ふるさとを想う

♪ 真冬の浜辺に 傷あと埋め

♪ 夢はあきらめて 北へ流れる


(小林旭「北へ」 作詞:石坂まさを / 作曲:叶弦大)




なぜ「北」?



この漢字の元ネタは、人が背中合わせに座っている図、だそうで、背を向けるという意味があるとか?


北を向くと太陽に背を向ける形になります。



負ける事を「敗北」と言いますが、これもなぜか「北」




そして演歌の登場人物、男は女々しい・旅に出る(逃げる)・過去ばかり振り向く。

女はひたすら耐える。


男が女を呼ぶ時は必ず、「おまえ」

「君」だとフォークソングになってしまいますからね。



さらに、

演歌の世界観は、ことごとく寒いのです。

海は必ず日本海、季節は冬で時間は夜。



♪ 上野発の夜行列車 下りた時から

♪ 青森駅は雪の中


石川さゆりが歌った「津軽海峡冬景色」



♪ 北へ向かう人の群れは誰も無口で


ここのフレーズがすごい!

この1フレーズだけで寒さ倍増です。



阿久悠って天才!




でも現実には、

逃避行する男女は南国へ行くんですね。

フィリピンとか。