ジャズのサックスプレイヤーでありプロデューサー、難解な現代音楽の鬼才?
いや、環境音楽をやってる人?
様々な顔があり、どう説明すれば良いのやら迷ってしまうのがジョン・ゾーン。
昨年、生誕70年を記念する映画が東京・京都でそれぞれ一夜限りの公開。ごく一部で話題になっていました。
ニューヨーク生まれで、十代の頃はドアーズがお気に入りだったそうですがジム・モリスンよりレイ・マンザレクに惹かれていたらしいのでやはり変わりモンです。
15歳からピアノを始め、セントルイス大学でジャズにのめり込みます。
ならばジャズプレイヤーの道へ行くはずなのに、80年代になぜか東京にやって来て高円寺に住んでいたんですね、この人。
その時に出会った昭和の歌謡曲や日本特有の無国籍な文化にショックを受け、その後の音楽活動はこの時の体験によって大きく変わる事になりました。
『Spillane』(1987年)
ハードボイルド作家、ミッキー・スピレーンに捧げた(?)1枚。
ジャケット写真は日活映画の宍戸錠です。
オープニングでいきなりお姉さんの悲鳴が響き、全体的にはフリージャズのような世界ですが、テープを切り貼りしたような実験的な曲(実は生演奏)があったり、日本の映画『狂った果実』をテーマにしたものがあったり。
アルバート・コリンズが参加している曲は極上のブルースです。
でも突如としてノイズの洪水に変わる....
そしてなんとこのアルバムには太田裕美が参加しています。
ナニをしてはるのかと言うと、歌ってるのではなく詩の朗読。
あの声で(笑)
でも絶妙。
ランニングタイムわずか25分。
アタマおかしくなりそう!と思うか、何やこりゃ〜♪とハマるか。
変態御用達のBGMです。