グラスゴーのリアル。 | 5番の日記~日々好日編~

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日本での知名度はイマイチですが、地元では大会場をソールドアウトにする人気を誇ったバンド、ディーコン・ブルーのデビューアルバム。


『Raintown』(1987年)


80年代英国ニューウェーブ勢の中にあって忘れてはいけないバンドの一つ。


結成は1985年。

教師をしていたリッキー・ロスが声をかけて集まったメンバーは、グレアム・ケリング(g)、ユワン・ヴァーナル(b)、ジェームズ・プライム(key)、ドギー・ヴィポンド(ds)、そして公私共にパートナーであるボーカリストのロレイン・マッキントッシュ。


この時リッキー・ロスは28歳でしたから、ミュージシャンとしてはかなり遅いデビュー。



バンド名からわかる通り、スティーリー・ダンの影響が見られ、陰鬱になりそうな詞をポップなメロディで表現する手法。



ディーコン・ブルーを紹介する時によく、「プリファブ・スプラウトのようなバンド」と言われます。

でも、男女ツインボーカルのスタイルが少ぉし似てるかな?ぐらいで、プリファブ・スプラウトを期待すると「違うやん!」


ディーコン・ブルーはスコットランド・グラスゴーのバンドですのでね....  イングランドのプリファブ・スプラウトとは似てない。




このアルバム、

ジャケット写真はグラスゴーの街並み。

冷んやりとして陰のある、このイメージ通りの音。


ピアノソロでしっとり始まる短いオープニング曲から雨の音が聴こえる2曲目、ここまでで早くも『Raintown』の世界に入り込めます。

断られる返事を待つしかない片想い、思うような仕事に就けない社会を嘆き、もうすぐ終わってしまいそうな恋人たちを歌う説得力ある男女ツインボーカル。

さらには、原爆を投下したパイロットはイケメンだが彼は毎日泣いている、といったシニカルな陰ある詞に反してメロディがやけにポップなだけに必要以上に感傷的にはなりません。




それでも、ボーカルの向こうに何かを感じる音。

英語なので何を歌ってるのか、意味がダイレクトに脳に入って来ないはずなのに不思議....