残念ながらアカデミー賞は獲れませんでした.... マーチン・スコセッシの最新作。
『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』(2023年/アメリカ映画)
監督:マーチン・スコセッシ
脚本:マーチン・スコセッシ、エリック・ロス
出演:レオナルド・ディカプリオ、リリー・グラッドストーン、ロバート・デ・ニーロ
実話に基づく物語だそうです。
舞台は1920年代のオクラホマ州。
先住民族が住む土地は、石油が発掘されて莫大な富を得、豊かになっていました。
そうなると、そのカネに目をつけた白人が次々にここにやって来て、先住民族を巧みに騙して操り・誘い・脅し....
この地では先住民族たちが怪死する事件が続きます。
レオナルド・ディカプリオが演じるのは軍隊帰りの兄ちゃん。
親父のロバート・デ・ニーロはディカプリオに、先住民族のお姉さんリリー・グラッドストーンと結婚して石油の利権を奪えと命令します。
父親に言われた通り、ディカプリオはリリーと結婚するんですが、彼の愛は本物。
....なのに、ディカプリオは父親に命じられるまま、リリーの家族の石油利権相続人たちを殺し始めよるんです。
そしてついに愛する(はずの)嫁ハン、リリーの命も奪ってしまいます。
ディカプリオだけでなく、先住民族と結婚した白人がやらかしてると思われる殺人事件が頻発。
ただ、映画は殺人のシーンはほとんど見せずに、先住民族と白人たちが共に暮らす日常を淡々と重ねてゆくのみ。
そして、レオナルド・ディカプリオの表情の変化も。
恋人リリー・グラッドストーンを見つめる愛情のこもった目、妻となった彼女と過ごす穏やかな目、妻の家族を殺しに行く時の目。
そして、父親ロバート・デ・ニーロの前での弱々しい目...
純粋に愛する心と、殺してしまおうとするのは矛盾していますが、そんな正反対の感情が同居している男.... その俺が最後に法廷で証言する時の目。
レオナルド・ディカプリオ、大スターのオーラはこの作品では全く見えません。
何を考えているのかわからない、矛盾を抱え込んだ男。
演技でオーラを消してるのなら凄い俳優。
法廷シーンは圧巻です。
上映時間3時間半、決して長くはありません。
アカデミー賞がこの俳優に背を向け続けるのはホンマ、おかしい。