和泉流狂言師の人間国宝・野村万作氏と息子の萬斎、そしてその息子の野村裕基が共演する舞台、
『万作萬斎 新春狂言』
この企画はバブル期からスタートしてそろそろ30年になる新年の定番舞台です。
今回は野村万作氏による「福の神」や、萬斎の「千切木」などが上演されました。
いつもの萬斎による前説.... おっと、解説のトークから幕開け。
軽妙な語り口で盛り上げ、これから始まる舞台にワクワクします。
舞台生活90年近い(!)野村万作氏の「福の神」は、大晦日に現れた福の神が夫婦愛を説く、おめでたくて明るく、素朴ながら大笑いできる演目。
ふと気づくと、何でもない日常を大切にしなさいよという教えに導かれています。
このあたりはさすがの見せ方。
野村萬斎も、もちろん父と比べて遜色ない舞台で、この人は体幹が素晴らしく安定してるんですね。
映画『陰陽師』で何げに「すげぇ!」と思ったんですが、改めて。
息子はまだまだ。
これは仕方ない。
暖かい拍手で。
能楽堂とは違って劇場狂言。
やや演出が変わってるんでしょうか。
でもこの人たち、普通の形のステージの公演も多いですからきっと慣れたモンでしょう。