文字が一切使われていない絵本『アライバル』で世界中を驚かせ感動させたオーストラリアの "大人向け" 絵本作家、ショーン・タン。
その衝撃から10年以上は経っていると思いますが、
25編の寓話が収められた新しいこの作品は絵も文も一緒に味わえます。
『内なる町から来た話』
ビルの87階に住んでいるワニ、高速道路に現れたサイ、空いっぱいの蝶、病院にいる白いフクロウ、人間を訴えたクマ....
動物をめぐる25の物語は、普通の絵本のように絵と文章が見開きで同居していませんので、文章だけを読んでイメージを広げた後でページをめくると、想像を超えた世界がそこに広がっています。
どこか懐かしく、美しくて繊細な物語。
私は環境オタクではありませんが、知らず知らずのうちに生態系や食糧問題、社会問題に思いを巡らせてしまい、これは作者の思うツボ?
こんな世界があるよ!
と、誰かに贈りたくなる、そんな絵本です。