『橋のない川』 | 5番の日記~日々好日編~

5番の日記~日々好日編~

気の向いた時に気の向いた事を勝手に書いています。
よってテーマは剛柔バラバラです。

2018122208520000.jpg

明治時代後期。奈良県のある被差別部落を舞台にした住井すゑの有名な原作小説の映画化です。

『橋のない川』(1969年)
監督:今井正


いわゆる「部落差別」問題を描いた作品ですが、なぜかこの映画、部落解放同盟や関連団体が、差別映画だ!と糾弾を行っており、上映阻止闘争を続けていました。

差別を問題提起してるんじゃないの?
何がダメなの?




…たまには真面目な事を書いておきます。

私は奈良県出身なんですが、奈良というのは全国水平社の発祥地。
いわゆる「被差別部落」が多いところです。

私の小学校~中学校(田舎ですので顔ぶれは同じ)の生徒の大体2割強は「部落」と呼ばれていた地域の子。

当然のように同和教育は盛んで、「道徳」の授業はそんな話ばかりでしたし、映画鑑賞と称して啓発映画を見せられたりしました。

この『橋のない川』も中学の時に体育館で見ました。
(見終わった後には感想を書かされます)


この映画、長いんです。
確か、一部・二部に分かれていて4時間ぐらいあります。

で、はっきり言いまして駄作ですわ。
主人公たちが通う小学校では日常的に差別が行われてるんですが、単に差別語が飛び交ってるだけで、その言葉によってどう傷ついているかとか、そんな描写はまったくありません。


これじゃあ解同が「差別映画だ」とわめくはず。




自分の経験から言いますけど、
「部落差別」なんてのは、少なくとも一定の年齢以上の人たちにしかないでしょ。
団塊の世代。


その世代の連中がいなくなったら、この種の差別は消滅すると思うんですが。

でも、それはダメなんだそうですね。
「臭いものに蓋、寝た子を起こすな、では差別はなくならない」「啓発し続けてゆく」んだと。

キレイ事を言ってますけど、
「差別だ」とわめいていた方がカネになるから ですわね?

差別が本当になくなってしまったら困る。

お役所には採用枠もあるし。



私はそもそも、この「部落差別」というのがさっぱり理解できないんですよ。
外国人差別… 韓国とか朝鮮とかですね、そういう差別があるのはわかるんです(肯定してる訳ではありません)

例えば、企業の入社試験で、試験の点数が同じ・スキル、資格も同じ・面接官の印象も同等…の2人がいたとして、1人は日本人、もう1人は韓国人。採用枠は1つ…

こういう時、私は日本の企業なら日本人を採用するのは当たり前だと思います。
採用理由が「日本人だから」であっても。

これは差別とは言わない。
逆に「韓国人だから」を理由にして採用したらもっとおかしい。



しかし、「部落差別」というのは、同じ日本人同士なんですよ。
同じ民族で同じ言語。何で差別する?

もちろん元々の発端や背景は、今さら教えていただかなくてもよ~く知っております。

大昔の差別意識がこの現代にまだ残ってるのは理解に苦しみます。




ちょっと話を戻して。
小学校~中学校の頃は、その「部落」の生徒がクラスにも何人かいましたが、みんな変わらず一緒に遊んでましたよ。

「部落」に遊びに行くと、ほとんどのお宅が革製品の加工。
野球のグローブを手作業で作ったりしてまして、おかげでその「部落」の子はいつも新品のグローブを持ってました。
うらやましいと思う事はあっても、差別する意識なんてなかった。
(他人がどうだったかわかりませんが、少なくとも私は)


「あの川の向こうへ行ったらあかんよ」とか言うおばちゃんがいたりしましたが、うちの父親はそういう事は一切言いませんでしたし。



中2の時に、1学年下の女子に告白された事がありまして、
その子は「部落」の子でした。

うちの地元の地名… 身近な大阪の地名で例えますと、「船場」と「南船場」というのがありますよね。
仮に「南船場」がその「部落」とされている地区で、「船場」はそうではない地区だとします。

狭~い田舎の事ですから、南船場のお宅に「船場 山田太郎様」と書いてハガキを出しても(番地も無記載でも)当時は郵便はちゃんと届きました。

その彼女から手渡しで手紙をもらったんですが……
本人の友達から「ちょっと来て下さい」って呼び出されて……
サンリオのレターセットで(笑)
ご丁寧に住所が書いてあってね、
「船場 鈴木花子」
…でも、彼女の家は船場じゃなくて「南船場」なんです。

何で違う住所を書いたんやろ? と思いましたが、
何年か経って考えてみると理由はおそらく…

隠したかったんだと思います。


彼女はどういう思いで自分の住所を偽ったのか。

中1の女の子…そんな子にこういう思いをさせたらアカン。
絶対にアカンのです。



日頃から好き勝手な事を書いてますが、私は差別は嫌いです。
本人は何も悪くない。出目なんて努力してもどうしようもない。




それでも、
この問題は外国人差別と違って、“啓発”と称していつまでも火をつけて回ってる腐った連中がいなくなれば絶対に消滅します。

私はそれを望みます。



ちなみに、『橋のない川』は1992年に東陽一監督がリメイクしています。