『キングコング』 (1976年)
監督 ジョン・ギラーミン
出演 ジェシカ・ラング/ジェフ・ブリッジス
もちろん1933年RKOピクチャー版のリメイクです。
ただ、原題は同じ KING KONG なんですが、邦題はギラーミン版が『キングコング』なのに対し、オリジナル版は「キング・コング」
特撮SFの元祖とも言われる旧作=RKO版は、監督メリアン・C・クーパー/アーネスト・B・シュードサック
出演 フェイ・レイ/ロバート・アームストロング
ちょっと顔がオッサン臭いとは言え、この迫力満点のポスターに惹かれて劇場で観たギラーミン版『キングコング』は、ポスターのイメージとは全然違うものでした。
(9.11.テロで崩落した)WTCビルの屋上で飛行機をわしづかみにするポスターみたいなシーンはありませんし、映画に出てくるコングはこの図よりかなり小さく、迫力は半分以下…
「大人ってズルい…」と子供心に傷ついたのを憶えてます。
旧作とどう違うのかと言いますと、
…これが実はほぼ同じなんですよ。
特に、島に上陸する下りから、ヒロインが原住民にさらわれるシーンなどはギラーミンは忠実に旧作をなぞっています。
(もちろんギラーミン版が先で、旧作は後追いで観たんですが、各シーンがあまりに似すぎていてちょっとビックリでした)
旧作のテーマは「美女がコングを殺した」(ちゃんとセリフとして登場します)
ギラーミン版のテーマは「文明がコングを殺した」
違うのは、コングがよじ登るのがWTCかエンパイヤ・ステートか…これは時代を考えれば仕方ありませんが、もう1つ時代を感じるのは、コングが恋するヒロイン。
ギラーミン版のヒロイン、ジェシカ・ラングは「とてもエロい」です。
旧作のフェイ・レイも当時としてはかなり刺激的だったはずですが、ジェシカ・ラングにはかないませんね。
まだ家庭用ビデオソフトなんてものが影も形もなかった頃、日本有数のSF映画マニア&コレクターで知られる芦屋小雁さんが「キング・コングさえ手に入ったら死んでもいい!」とおっしゃってました。
当時は一般人が入手できるのは8mmフイルムで、しかも1巻あたり数千円(1巻は約3分)と高価。その上、カネさえ出せば入手できたのかというとそうじゃなかったんです。
今は『キング・コング』は廉価版のDVDが500円で売られてます。
小雁さんの心中や如何に??(笑)
この『キングコング』、さらにこの後の2005年、ピーター・ジャクスン監督、ナオミ・ワッツ主演でリメイクされていまして、こちらは舞台を旧作と同じく1930年代にしたもの(コングがよじ登るのはエンパイア・ステートビル)ですが、残念ながらめまいがするほどの駄作でした。
ナオミ・ワッツはサービス悪すぎ。
ジェシカ・ラングを見習え。