この時期になると、クリスマスの話を書きたくなります
*【妄想Zone】は、毎回読み切りの超短編セクゾ小説です。
「もし、こんな恋愛ドラマをSexy Zoneのメンバーが演じたら…?」なんて思いながら書いてます♪
(佐藤勝利くん多め)
《設定》
・勝利とヒロインは、大学生の時に出会った。
・卒業後も付き合い続け、社会人になって数年後に結婚した。
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【クリスマスプレゼント】
暖かいリビングの中では、勝利くんがセレクトしたクリスマスソングが控えめに流れている。
勝利くんと『家族』として迎える二度目のクリスマス。
食後のケーキも食べ終え、今はソファーでまったりと『お茶タイム』だ。
ふと、あの年のクリスマスのことを思い出した。
「ねえ、勝利くん」
「ん?」
「付き合い始めた頃の、最初のクリスマスプレゼントって覚えてる?」
「…何だったっけ?」
「ほら、あの『究極の格差』プレゼント」
「あ~、あれね!」
私たちは、顔を見合わせてクスクスと笑った。
あれは、私が大学一年生で勝利くんが二年生だった年のクリスマス・イブ。
デートの終盤に訪れたカラオケボックスで、私たちは『プレゼント交換』をした。
勝利くんが、照れくさそうにティファニーブルーの包みを取り出した瞬間、私は喜びよりも焦りを感じた。
なぜなら、私が用意したプレゼントは『スポーツタオル』だったからだ。
サークルで使ってもらえるよね…なんて理由でプレゼントを選んだ自分が恨めしかった。
そもそも、誰かと付き合うのが初めてだった私は、『彼氏へのクリスマスプレゼント』に何を選べば正解なのか全く分からなかった。
しかし、そんな私でも『やってしまった』ということだけは瞬時に悟った。
「バレンタインに期待しててください…」
あの時は、消え入るような声でそう言うのが精一杯だった。
「プレゼントって言えばさ~、今年はホントにいらないの?オレ、用意してないけど…」
私が思い出にふけっていると、勝利くんが心配そうに尋ねてきた。
「いいの。宝物ができたから…」
「宝物?」
勝利くんはキョトンとしたけど、私が自分のお腹を撫でてみせるとハッとして立ち上がった。
「それって、もしかして…」
「3ヶ月だって♪今日、病院で診てもらったの」
「……」
「……」
私たちの間に、ビミョーな沈黙が流れた。
勝利くんがなにを思っているのか、固まったままの表情からは読み取れない。
(ひょっとして、まだ『二人きりの生活』を楽しみたかった…とか?)
そんな不安が、私の胸に押し寄せてくる。
すると突然、勝利くんはクルリと私に背を向けた。
(うそでしょ…)
涙が出そうになったその時、むこうを向いてる勝利くんが軽く鼻をすする音が聞こえた。
そして、セーターの袖口で目の辺りを拭うと、勝利くんは再び私の方に向き直った。
こころなしか、その目は少し潤んで見える。
「喜んで…くれてるの?」
「そんなの当たり前じゃん!」
勝利くんは、再び私の隣に腰を下ろすと、私のお腹に頬を寄せて呟いた。
「めっちゃ嬉しいわ…」
勝利くんのしみじみとした声は、私の心に温かく響いた。
Happy Merry Christmas
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以上です。
今回の話は、あるシリーズ作品の続編…のようなものです♪
よかったら、この二人の過去の作品もご覧ください(^_-)☆
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