【妄想Zone】「麒麟の子」② | ☆つっこのオモチャ箱☆

☆つっこのオモチャ箱☆

つっこの「元気のモト」:Sexy Zone(佐藤勝利くん多め)、エンタメ、ドラマ…などを詰め込んだブログ♪セクゾ小説も書いてます

 

先日書いた、「麒麟の子」という話の続きです。

 

友達(約1名w)から、続きの要請をいただいたので♪

 

 

詳しくは、↓コチラの「麒麟の子」①をご覧ください。

(⇒ 「麒麟の子」①)

 

 

*【妄想Zone】は、毎回読み切りの超短編小説です。


「もし、こんなドラマをセクゾのメンバーが演じたら?」なんて思いながら書いてます♪

 

(佐藤勝利くん多め)

 

 

***********

 

【麒麟の子】②


「そういや、サユリ先生が探してたぞ」

風磨は、照れ隠しのように目をそらしながら、握りあっていた手をパッと放して健人に言った。

 


保健室のサユリ先生と健人がコッソリ付き合ってることは、上級生たちの間で暗黙の了解だ。


「それを言いに来たんだった」

「だったら早く言えよ」


「言える状況だったか?」

「……」


「だろ?」

「だな」


風磨と健人は、ははは…と大きな声で笑いあった。


「わりぃ、ちょっと行ってくるわ」

勝利に声をかけると、健人は風磨と一緒に部屋を出た。


しかし30分ほど経った頃、風磨が一人で部屋に戻ってきた。

 


「頭痛、平気か?これ飲めよ」

そう言って、風磨は勝利に頭痛薬を差し出した。


「ありがとう」

勝利は、風磨から薬を受け取った。

すると、あまりの出来事に忘れていた頭痛が戻ってきたような気がした。


勝利が薬を飲んでベッドに入るのを見届けると、風磨は「まあ、今日はゆっくり休め」と言い残して部屋を出た。


安心からか、勝利は猛烈な眠気に襲われ、あっという間に眠りに落ちた。


~~~~~~~~~~~


勝利が目が覚ますと、部屋には朝日が差し込んでいた。


部屋の中に、健人の姿はない。

眠っている自分に気を遣って、先に食堂へ行ったのだろうか?


時計を見ると、すでに朝食の時間を過ぎている。

勝利は、(本当は禁止されているけれど)廊下を走って食堂へ向かった。


「遅れてすみません…」

勝利が食堂の入り口に姿を現すと、全員が一斉に勝利を見た。

気のせいか、その視線は『遅刻者』を見るにしては冷ややかに感じる。


『ドロボー』
『サイテーだな』


どこからともなく、そんな声が聞こえてきた。


泥棒…?
誰が?

まさか、自分に向かって言ってるのか?


訳が分からずに勝利が立ち尽くしていると、みんなから『ママ』と呼ばれている寮母が勝利の目の前にやってきた。


「悲しいわ。あなたがお金を盗んだりするなんて」

「…なんのことですか?」

勝利は、声の震えを必死に抑えた。

どうやら自分は、窃盗の罪で疑われているらしい。


「昨日、私が部屋を空けた隙に、お金が盗まれてしまったのよ」

ほんの少しの時間だったのに…と、ママは続けた。


「オレ、知りません!」

勝利は、全力で否定した。


「でも、あなたは昨日、私の部屋に無断で入ったんじゃないの?」

「それは…」


「それをね、見てた人がいるのよ」

そう言ってママが視線を向けた先には、こっちに向かってヒラヒラと左手を振ってる風磨がいた。


「風磨くん、なんで…」

勝利がボー然としていると、追いうちを掛けるように健人が言った。


「勝利、残念だよ…」

健人は、責めるというよりも泣きそうな顔で勝利を見つめた。


「違う!オレは何も盗んだりしてないっ!」

勝利が必死に訴えても、みんなは軽蔑の眼差しを勝利に向けるだけだった。


「あなたが寝てる間にお部屋を調べたら出てきたのよ。あなたのバッグの中から…」

ママは、いくつかの札束をテーブルの上に並べた。

もちろんそれは、勝利には全く見覚えのない札束だった。


「そんなの知らない…」

ゆるゆると首を横に振る勝利を、ママが包み込むように抱きしめた。


「わかった?あなたの味方は誰もいないのよ」

ママが、勝利の耳元で小さく囁いた。


絶望と混乱で膝から崩れ落ちた勝利は、先生たちに両サイドから抱えられるようにして『反省室』へ連れていかれた。


~~~~~~~~~~~

ガチャリ


突然、鍵が解錠される音がして、『反省室』の鉄の扉が開いた。


「いつも悪いな」

「いや、いいんっすよ」


開いたドアの向こうから、誰かの話し声が聞こえてきた。

部屋の隅で膝を抱えて座っていた勝利は、視線だけそちらへ向けた。


すると、風磨が用務員の佐々木さんへタバコの箱を投げているのが見えた。


「じゃ、遠慮なく」

「ゆっくり一服してきてください」
 

 

おそらく、反省室の見張りをしていたであろう佐々木さんは、タバコを片手に口笛を吹きながら去っていった。
 


「よっ!」

まるで何事もなかったかのように、風磨は勝利に声をかけてきた。

 



勝利はそれには答えず、風磨から顔を背けた。

 



そんな勝利にお構いなしに、風磨は反省室に入ってきた。

勝利の背後で、バタンと重々しく扉が閉まる音がした。



「やっぱ、怒ってるよな?」

「……」


「今朝のアレには事情があったんだけど…、まずは、すまなかった!」

風磨は、勝利に向かって頭を下げた。


依然として、そっぽを向いたままの勝利に、風磨は続けて言った。

「とりあえず、俺たちの話を聞いてほしい。許すか許さないかはそれから決めてくれ」


「俺たち…?」

思わず勝利が振り返ると、いつの間にか風磨の隣には健人が立っていた。


「勝利、ゴメンな…」

健人は、申し訳なさそうに頭を下げた。


何らかの事情を察した勝利は、立ち上がって二人に向き直った。

「先に一つだけ聞いていい?2人ともオレの味方…だよね?」


「おう」
「当たり前だろ」

風磨と健人が同時に答えると、勝利は そっと目尻を拭った。


3人は、膝をつきあわせるように輪になって座った。


「時間がないから、手短に話すぞ…」

風磨は、声を潜めて話し始めた。
 

 


⇒『麒麟の子』③へ続く)

 

 

 

 

***********

 

 

「麒麟の子」②は、以上です。

 

本当は「前後編」にするつもりだったのに、収まりきらなかった…(^^ゞ

 

 

キーパーソンの風磨くんが何を話すのか?

 

よろしければ、次回もお付き合いください(^_-)-☆

 

 

 

★【妄想Zone】(物語)の一覧を貼るので、よかったら他の話も読んでみてください♪

 

(⇒テーマ【妄想Zone】の記事の一覧)