オプション講座を申し込む? | 中学受験講師ブンブンのブログ

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中学受験の塾講師とプロ家庭教師をしています。指導のあり方、入試情勢、教えて思うことなどについて、書いていきます。

私は中学受験の算数と理科を教えています。

夏期講習や2学期のオプション講座を申し込んだ方が良いか、相談を受けることがあります。

「夏期講習の5日間、「速さと比」「図形」の特別講座があるのだけど申し込んだ方が良いですか」

「9月からの日曜午後に、特訓授業を塾から薦められています。受けた方が良いでしょうか」

成績や分野の偏りで、異なる回答になります。

 

【1】苦手分野が明確なら申し込まず別途対策

苦手分野がハッキリしていれば、オプションの授業を受けないで、家庭で苦手分野の復習を頑張るのが明らかに適切です。

ただし、誰にでも苦手分野はありますから、全員に当てはまるわけではありません。

「苦手分野が明確」というのは、偏差値が10以上差が出るのが常態化している場合です

「得意な水溶液だと偏差値良いけど、苦手な岩石や天気だと偏差値10下がる」

「範囲が図形なら偏差値50超えるのに、速さだと偏差値40まで下がることが多い」という場合です。

「偏差値10」「毎回のように」低下するの弱点があるのでしたら、オプション授業で苦手分野が『ドンピシャ』の一致した範囲でない限りは、オプション講座を受けない(あるいは減らす)ようにして、弱点の補強に時間を使った方が良いでしょう。

もちろん、偏差値5くらいの凸凹は当然ありますので、分野による極端な差がある場合の話です。

 

 

【2】指導効率と時間の兼ね合い

偏差値のダウンが5程度の苦手分野は、オプション授業を受ける際にあまり気にしなくてよいと考える理由はこちらです。

(指導効率)×(時間)=(学習効果)

お盆の前後の1日5時間の短期講座を4日間、選択しなかったとします。

合計20時間浮きますが、その20時間を効果的な学習に、どこまで振り向けることがどこまでできるでしょうか。

そもそも20時間の短期講座をうけるのをやめたら、20時間も家庭で勉強時間が増えるか疑問です。(高校受験・大学受験なら20時間どころか10時間も増えないのが当たり前です)

短期講座の内容は、現在最優先すべき分野ではないですが、中学入試に必要なのは変わりません。だったら、塾に通って勉強するリズムを崩さずに、最大公約数的な授業でも受けるのは悪くないと思います。

「立体図形」が大の苦手として、20時間のうち立体図形を扱う3時間は十分な効果があります。

他の分野、たとえば「場合の数」を勉強する3時間は、さほど苦手な分野ではないとしても、あまり無駄にはならないハズです。

効率を追うあまり、勉強時間の確保がおろそかになるのは避けなくてはなりません。

もちろん、プロ家庭教師なら、1つの分野に10時間かければ明らかに得点力が上がるでしょうけど。(プロ家庭教師の私の場合なら、リモート10時間の指導で約5万円の「課金」となります)

 

【3】夏期講習中は受講がおススメ?

実際問題として、「苦手分野が明確」な生徒は、上位生で1割、中位生で2~3割でしょう。

多くの受験生は、オプション講座を申し込むのが良さそうです。

上位生は、吸収力・理解力があるため、極端な苦手分野はできないことが多いです。

中位生は、「問題の意味は納得できて、解き方も一応は理解しているけどミスが多い」「単純なパターンは解けるけど、複雑なのになると手が出ない」レベルと言えます。ある程度、気合いと頑張りで自習で対応できます。塾の先生に質問しても、すぐ「あっ、そうか」と納得しやすいです。

低迷中の生徒も、苦手分野が明確なことが5割以上ですが、あっちもこっちも全部苦手分野になりがちです。

この場合は、「塾で質問しやすい体制か」「保護者が基礎的な課題を選んで教えられるか」など条件によって変わってきます。一概に言えず、難しい判断になります。

 

 

【4】9月以降は過去問との兼ね合い

9月以降の「日曜特訓」「志望校別対策」は、かなり悩ましい判断になります。

★過去問を解く時間が足りない

10月からは多くの受験生が過去問を解く時期になります。

埼玉・千葉も受ける受験生だと、多くの学校の過去問を解くことになります。

特に2月1日に受ける学校を判断するために複数の私立中の過去問を解くとなると、7校8校と解くことになります。

ただでさえ「増加した宿題」「来週の合判テストに向けて理社の復習」も併せて行なうとなると、圧倒的に時間が足りなくなります。

よほど適切な授業でないなら、積極的にはおススメしません。

★志望校別対策は大切ですが・・

志望校別対策は、効果的ではあります。

「志望校のそっくり問題を練習」

「同じ学校を受験予定の人が集まり意識が高まる」

メリットはあるのですが、中身の吟味が必要です。

《A中学、B中学、C中学対策》

 →→複数の学校をまとめた対策は、指導内容・クラスの雰囲気、共に期待できないのでは?

《偏差値7以上高いクラスを薦める》

→→現在偏差値52なのに偏差値60の志望校対策クラスを薦められては、当日受けに行かない可能性が高くなります。3クラス編成だと最も低い3番目のクラスは2月1日に受けに行く人は皆無なのでは? そもそも実力不相応なクラスを薦める気持ちが分かりません。

ですから、第一志望校のドンピシャのクラスがあれば別ですが、過去問を解く時間を確保するためには、あまり積極的には9月以降のオプション授業を薦めたいとは思いません。

10月頃になると、さぼって勉強時間を減らそうと考える受験生は少なくなりますし。

 

なお、オプション講座を「申し込まない」と決めた場合は、保護者が「家庭の方針」だと直接明確に塾に伝えましょう。

子どもを通すと、塾の先生は生徒に「おい、オプション授業を受けたいと(親を)説得しろよ」と圧力をかけることが多く、受験生が神経を無駄にすり減らすことになりかねません。

 

今までの記事を3つご紹介します。

6月では圧倒的にアクセス数が多い記事です↓

 

今回も、場合分けで回答しました↓

 

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夏期の指導もいたします。