入試問題は秋までに作成 | 中学受験講師ブンブンのブログ

中学受験講師ブンブンのブログ

中学受験の塾講師とプロ家庭教師をしています。指導のあり方、入試情勢、教えて思うことなどについて、書いていきます。

今年2024年は、1月1日に能登半島付近を震源とした「令和6年能登半島地震」が発生してしまいました。

最大震度7で、大きな被害が出ています。

私はこの10年で4回、大きな被害が出ている七尾市や穴水町に出かけたこともあり、大きなショックです。

 

この大地震が、今度の2月1~4日の東京・神奈川の中学入試に出題されるかというと、99%無いと考えます

今回は、この冬の時事問題は、中学入試にはまず出ないだろうという話。

 

 

【1】入試問題は秋までに作成される

入試問題は、夏から秋にかけて作成する学校が大多数です。

10月には、ほぼ大問の作成が終わっています。

社会なら、最終的に作成した大問20問のうち、出題するのは1回目入試6問、2回目入試6問、そのうちどの6つを選ぶかのバランスを考えていることはあるかもしれません。理科なら、水溶液が難しいから、力の計算は難しい小問をカットして、平均点が下りすぎないようにするくらいはあり得そうです。

10月以降の学校説明会に行くと、大問1は歴史で奈良平安を中心、大問2は地理で西日本、といったように大まかな出題範囲を明示する私立中も珍しくありません。内容が固まっているからこそ説明できるのです。

(↑栄光が発行している重大ニュース)

11月からの時事問題は出題されにくいため、10月初めのノーベル賞発表があると、各出版社は受験生向けの「重大ニュース」の原稿を締め切って、11月初めころに書店に並ぶわけです。

私立中の先生は、普段から授業やクラブの指導などと並行して入試問題を作成しますから、各教科の先生がまとまった時間を取って会議が開けるのは「中間テストの1日目」など限られてしまうのです。

あるとすれば、大問1が小問集合になっている形式でしょう。

単独の小問が何問か集まった形式なら、1問だけの差し替えは比較的簡単です。

↑小問集合の問題(平成29年2回、専修大松戸)

 

 

【2】新元号が「平成」の際

昭和天皇崩御が、昭和64年の1月7日でした。

その日のうちに小渕官房長官(当時)が、新元号は「平成」だと発表しました。

1月20日からの千葉県の入試では、入試問題の冊子に「平成1年度入試問題」などと、新元号「平成」が印刷されていた学校は、私が知っている限りありませんでした。

2月1日からの東京都内の中学入試では、入試問題の表紙に「平成」と印刷されていた学校もありました。当時の私は大学院生で塾講師でしたが、確認した範囲では、半分近くの学校は「平成」、残りの多くは「昭和」となっていました。(西暦に変更した学校や、二本線で昭和を消して平成にした学校もあったと聞きました)

逆に言えば、漢字2文字を直す修正であっても、1月7日では変更はギリギリということになります。

30年以上前より印刷技術は進歩していますが、入試問題を絶対漏らしてはならないだけの体制が取れる印刷所は限られています。パパっと修正するのは簡単になったとは、私には思えません。

 

 

もちろん、中学入試に出ないからといって、被災して苦しんでいる能登半島周辺の人たちのことに無関心というのは適切ではないでしょう。

しかし、中学受験生は、「テストに出るかも」と必要以上に不安にならずに、迫った入試に向けて最後の追い込みをして欲しいと思います。

 

 

 

【参考】今までの参考になりそうな記事を3つ紹介します。