多くの中学受験生は、自分の成績よりもレベルが高い学校を受験します。
偏差値50の受験生なら、偏差値53とか55の私立中に挑戦することが多いでしょう。
もちろん実力相応の偏差値50とか、抑えの45の私立中も受けるのが基本ですが、高い目標に向けて頑張る人が多数派です。
ところが少数派ですが、「実力よりも入りやすい学校に、あえて入学する」考え方もあります。
今回は、この考え方についてまとめました。
【原則】基本は実力相応の学校が適している
基本的には、合格したなら偏差値が高めの学校に入るのがおススメです。
大きな理由が2つあります。
1つは、中学受験に向けて必死に頑張って、レベルの高い学校に合格したという点です。「努力の末に結果が出た」わけですから、入学は嬉しいことですし、頑張ろうというモチベーションは高いはずです。
もう1つは、友達のレベルが高いことです。
(先生のレベル、友達の人間性のレベルではなくて、友達の学力や勉強する習慣のレベルです。)
難関校ほど、1度聞いたら即吸収できる「天才」、理解力は人並みでも努力をして好成績を維持する「努力家」が多くいます。こういう友達に囲まれていると、大きな刺激になります。
ですから挑戦校に合格して授業の進度が速くても、「奇跡的にギリギリで合格したのだから、友達の1.2倍頑張らなきゃ」と考えやすくなります。
(開成中はトップの成績の生徒が切磋琢磨できる↑)
ただし、余裕をもって入学するのもアリ、と考える場合もあります。
【例外1】好き嫌いがハッキリしすぎている
その代表が、好き嫌いがハッキリしすぎている生徒です。
「算数は好きだけど国語は嫌い」
「理科だと生物の暗記は得意だけど、水溶液の計算は大の苦手」
「好きな先生だと成績上がるが、嫌いな先生の授業は聞こうとしない」
もし成績がギリギリで入ったら、全分野とも必死で努力を続ける必要が出てきます。
好き嫌いが激しいと、特定の教科だけクラスで最下位になり、落ちこぼれやすくなります。
偏差値が低めの学校でも、復習しないと成績は下がりますが、授業の内容は「なるほど」と理解できる程度になるのではないかと思います。
得意教科、大学入試に必要な教科は、塾・予備校で補う必要が出てきますけど。
【例外2】性格的に生活面でムラが激しい
たとえば
「授業での提出物を頻繁に忘れる」
「学校に遅刻を何度もする」
「授業中に先生の話を聞かずボーッとする時が目立つ」
「友達と口喧嘩などトラブルを起こすことが多い」
こういう生徒は、担任の先生から見ると「面倒な奴」と言えます。
ずっと手間をかけ続ける「面倒な奴」に対して、冷たい先生なら本音では「あいつが退学したら平和になるのに」と考えているかもしれません。(実際は1学年200人の私立中で1人ならともかく4人5人と退学したら、学校の評判に大きなダメージを受けますので露骨な対応はまずありませんが)
こういう冷たい先生は、成績上位の生徒には比較的温かく接します。
中堅校では新中1を迎えた時点で、「6年後には、入試で成績が良かった上位5人を早慶レベルに入れたいな」などと考えがちですので、「あいつは入試で2位の点数だったから、現在はサボってるけど本気になれば一気に伸びるハズ」という本音を持ってもらえていれば、切り捨てられたりはしません。
【例外3】指定校推薦を利用しやすい
入学後も人並み以上に努力するのを前提とすれば、上位の成績を維持できる可能性が高くなります。
難関校で必死になってついていくのが学力を上げる最短の道ではありますが、指定校推薦の利用なら事情は違ってきます。
1学年200人中で上位1割・20番くらいを維持していけば、結構有名な私立大学の指定校推薦を取ることも可能です。ギリギリで入った上位校だと、人気の高い大学の推薦は困難でしょう。
特に相対的に人気が下がってきた都内の伝統校は、推薦枠を多数持っています。
実際問題として、推薦狙いのために、積極的に入りやすい学校を狙うのは乱暴でしょう。(強いて言うなら医学部がある大学の付属で、入りやすい私立中くらいですが)
ですが、第一志望校・第二志望校に不合格で、結果的に偏差値が5低い私立中に入った際に、「指定校推薦が取りやすい学校に入ったから、高校3年でMARCH以上の推薦取れるように頑張ろう」と、前向きに気分を切り替えることができます。
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私は中学受験のプロ家庭教師をしています。
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