低学年の受験対策 | 中学受験講師ブンブンのブログ

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中学受験の塾講師とプロ家庭教師をしています。指導のあり方、入試情勢、教えて思うことなどについて、書いていきます。

10年以上前に書いた文を、一部修正してアップします。

 

 まだ本格的な受験体制に入っていない低学年の時期には、どんな受験対策をすれば良いのでしょうか? 考え方が分かれる部分も多いのですが、私の考えをご紹介します。

 

①計算力をつける

 低学年では計算力をつけたいものです。計算が遅くてミスが多いと、小6になって難しい文章題を解く時に足を引っ張ります。小の受験生になって12×5を筆算するのでは、スピードについていけません。小になると他にするべきことが多く、基礎計算の練習までなかなか十分な時間がとれません。速く正確に計算をする能力は、低学年のころに身につけると後で役立ちます。

 日ごろから計算練習をするということは、イスに座って勉強する習慣、集中して問題に取り組む習慣を身につけることにもつながります。

 ノートに計算させる場合は、7ミリの罫線では狭いので、やや高いもののセンチ幅のノートがおすすめです。(1年生ならもっと大きくて良い) 自分で勉強する習慣をつけさせるために、計算した後で○×だけは子どもにつけさせて、親がその後にチェックするのが良いと思います。

②本を読ませる

 本を読む習慣がないと、国語で点数を取る力はなかなかつきません。長い文章を抵抗なく読んで、だいたい何が書いてあるかを理解するには、普段の習慣が大切です。

 具体的には、

a)書店に連れて行って、欲しい本を自分で選ばせる。図書館に連れて行くのも良い。

b)朝日などから出ている小学生新聞をとる。本当は全部読んで欲しいところだが、高くないので3分のでも読めばよしと考えた方が良い。あまり読まないようだと、「イラクって、どんな国か知ってる?ここに書いてあるよ」などと誘導するのも強引だが1つの手段

c)興味があるジャンルの本を買い与える。(図書館から借りてくるのも良い) サッカーに興味がある男の子ならサッカーの本を買い与える。たまにソッポを向かれても小になると1ヶ月6万円くらい塾にかけるので、ヶ月分で000円の本が0冊買えると考えれば、半分無駄になっても高くないと考えましょう。

d)親が本を読む。仮に芸能人のスキャンダルについての書籍でも、活字だけの本なら子どもは「お母さんも読んでる」と感じてマネをしたくなる雰囲気ができる。

e)ただし、感想文を強要するのは慎重にすべき。読書感想文は、読書が好きな子を更に好きにする一方、嫌いな子を更に嫌いにする。感動も何もしない本を読まされて、感じたことを書けというのは無茶な話だ。本と作文を嫌いいにしてしまう。

 

③体験を多くさせる

 理科・社会の知識を得るのに、一部でも触れたことがある子どもは、吸収力が違う。たとえば雪国の生活を教える時に、秋田の親戚に冬に行ったことがあれば、雪の様子が実感できる。回の授業で5つ習うとして、そのうちのつでもよく知っている内容だと、うれしくて教科が好きになるものだ。

 具体的には、

a)様々な博物館に出かける。博物館は、興味を持ってもらえるように実物・模型・映像を使っているので、とても分かりやすく印象に残る。

b)家族で旅行する。どうせ旅行するなら「箱根に毎年行く」のでなく、様々な場所に行きたい。独自の気候風土を持つ北海道や沖縄、歴史で出てくる京都奈良は、あとで生きてくるのではないか。

c)手伝いをさせる。買い物をしたことがないと「2割引」の感覚がわからない。様々なことを考えるきっかけにもなるので、買い物などの手伝いをさせたい。

 

(写真は東武ワールドスクエアの平等院鳳凰)堂)

 

④習慣を身に着けさせる

 小0人に1人くらい、「途中の式を書こうとしない」「文字を丁寧に書かない」子どもがいる。

 暗算で答が出る時でも、式を書く習慣がない生徒は暗算が速い。そんな生徒でも、小5の夏あたりから対応できなくなって、使う数字を間違えるなどの単純ミスが増えてくる。そういう生徒は頑固だから、指摘しても変えようとしない。大手塾で教えていた時には厳しく叱ったところ泣いてしまった時もあるが、泣かしても直らないのである。習慣は簡単には治らない。

 やはり、小さい時から習慣をつけたほうが良い。 15分の勉強を1時間にするのはスムーズでも、0分を30分にするのは大変だと思う。

 ただ、小3のころから長時間勉強をさせるのは、勉強嫌いになりかねないのでリスクが高い。

 

⑤適した塾を見つける

 保護者のすべきことが、自分の家庭の考えに適した塾を見つけること。低学年のうちに「この塾なら任せられる」という塾を見つけたい。塾のパンフレットを読んで、塾側から説明を聞くだけでは、なかなか他塾との違いはわからない。実際通ってみて初めてわかる部分が多い。

 特に小3までは「長期のお試し期間」と思って、週1~2回の軽い塾通いをするのも良いだろう。そして同級生の母親からの情報も仕入れて、より合った塾が他にあるなら塾替えも視野に入れる。

 

⑥意欲を損なわない

 大手塾の小6クラスは、学力別編成になっているが、最も騒がしいのは成績が優秀なクラスのことも珍しくない。成績が低いクラスは、数人のノーテンキな男子以外は、まるで元気がなかったりする。(ちなみに特に小学校受験が盛んで低学年から塾通いをする生徒の多い渋谷周辺など都心の小6伸び悩みクラスは、覇気がまるでない。)

 意欲を損なわないためには、どうすればよいか。

 成績が結果的に低くても叱らないのが無難だ。宿題をしなかったり、返却された点数の低いテストを捨てたりしたら叱るのは問題ないと思うが。

 あまり難しい問題を解かさないのも良い。やさしい計算問題を20問サッと解いて2問間違えたのなら、勉強があまり好きでない子どもでもつらくはない。「できた!!」という感覚も得られるし、誉めることも容易だ。しかし、難しい問題を問20分かけて考えるというのは、勉強好きの子どもでないと意欲の低下につながりかねない。

 塾に行く時は、おいしい物を食べさせ元気をつけたい。お弁当持ちなら好きな食べ物をつめて、栄養面では野菜が必要でも嫌いなら避けると良い。夕方6時くらいに塾が終わるなら、その後に好きな食べ物の店で夕食をとって帰るのも、週1回くらいいいだろう。「ごちそうが待っているから勉強頑張る」のである。

 

⑦私立中の見学に行き志望校を絞る

 私立中の多くは、進学指導体制が充実しているなど高い授業料を取るに価する中学である。とはいえ、向き不向きがある。有名大学目指して徹底指導を方針に掲げる桐蔭学園、江戸川取手、巣鴨といった学校に、のんびりマイペースで中学高校の6年間過ごしたい生徒が入ったら、つらい。ここまで極端でなくても、合うか合わないかは保護者が判断して決めるのだ。知り合いが激辛カレーが大好きでおすすめと言っても、他の人には合わないのだ。自分で情報を仕入れて判断したい。

 多くの学校説明会は、小6限定ではないので、小3の保護者が聞きに行くのもいいだろう。

 なお、子どもは小3の時に、文化祭に連れて行くかは微妙な判断だ。保護者が受けさせたい学校の1つと思っているなら一緒に行くのもいいが、良く知らない学校に片っぱしから連れて行くのは子どもが疲れるだけ。子どもに「つまらない」「疲れた」と言われたら、すぐ帰ろう。時間以上いると、良くない点が目立つから、長時間いるのは疑問だ。

 

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私は中学受験のプロ家庭教師をしています。

おかげさまで、この12月から4月に多くの申し込みがあり、枠が全部埋まりました。ありがとうございます。

(正確にはあと1枠ありますが、「週1日の休みが欲しい」「通塾曜日が移った時のために空けておきたい」ため当面は空けます)

ただ、現在持っている6年の受験生が4人おり、これ以上6年生を持つのは無理です。空いたとしても、非受験学年のみの受付となる見込みです。