2023年7月31日から8月4日にかけての4泊5日の長崎旅行記をお届けしています前回はこちら👇
(2023年7月31日)
前回編ではオランダ坂を上り下りしながら旧外国人居留区に今なお残る洋館を巡りつつ、東山手界隈をお散歩してきましたそしてオランダ坂の急坂を降りて右折した場所にあるのが「論語」で知られる儒学の祖、孔子の遺品を納め祀った長崎孔子廟があります。長崎孔子廟は壮麗な伝統美を随所に凝らした日本で唯一の本格的中国様式の霊廟。完成したのは1893(明治26)年。なんと中国清朝政府と
華僑によって建造されたそうな。敷地内に一歩、足を踏み入れればそこは彩り豊かな極彩色で中国建築様式の伝統美きわまる廟宇(びょうう)
国内最大の孔子座像を祀る大正殿、また、一つとして同じ顔のない72賢人の石像は圧巻かつ荘厳な雰囲気に包まれているそうです。さらにここには中国歴代博物館が併設されており、北京故宮博物院を始め中国各地の博物館が所蔵する国宝級の貴重な書物も常設展示されているとのこと。資料館には長崎孔子廟が所蔵する関連資料を展示しており孔子の事を学ぶ絶好のスポットとのことです
入館料は660円。見学する際の概ねの所要時間は1時間ですので、時間の都合上、この日の見学はパスしました。オフィシャルWebサイトはこちらです👇
結局、今回は外観のみの見学になってしまいましたが、外側からでも清朝政府や華僑の人たちが、これからも日本に住み続けるであろう同胞(在日華僑)に対し、古い祖国の偉人である孔子(春秋時代の思想家で儒教の創始者)の教えを伝えていこう、という姿勢が掴みとれる荘厳さを感じることのできる建物ですちなみに孔子廟は日本国内の各地にもあり、chuが訪れたところでは東京都文京区の湯島聖堂などが孔子廟です
さて、次は南山手エリアを散策しようと、一旦、市電の石橋駅方面へと歩きます途中で見かけた銭湯
レトロ感漂う雰囲気の良いお風呂屋さんです
こちらは長崎市電…もとい、“市電”と書いちゃいましたが経営母体は長崎市ではなく「長崎電気軌道株式会社」でしたこちらは4系統の路線で石橋~蛍茶屋間を結んでいます
今回の長崎滞在では「一日乗車券」を購入して動いた日もありましたが、この日は一度も利用しませんでした。ただ、地方の鉄道を
するのはPhotoblogerとしても欠かせない作業
ですので激写しました
勿論ワンマン運転ですので進行方向に運転士さんが1名👆 👇は、この石橋駅が終点のため空席になった運転席。そうです、長崎軌鉄の路面電車の車両には前方、後方の両方に運転席があるのでした
こちらが4系統のレールエンド。もうここより先には電車の路線は通っていません。まさにここがどん詰まりなのです
そして、同じ写真ですが赤で〇囲みしましたのは、この辺りにタクシーが待機していて、ここよりさらに奥に向かう方がタクシーを利用します。そうです、chuはこの日この後、とあるミッションを遂行するためにここからタクシーに乗ったのですが、その際の様子はまた後日
蛍茶屋行きの電車が出発しました4系統の運転間隔は約9分間隔ですので他の長崎軌鉄の路線系統の中では一番運転間隔が空いています
なお石橋駅の構造は2面1線。そして左側にはベンチがありますから、左側のホームが乗車専用、右側のホームが降車専用だと思われます
レールエンドを見ると萌えるのは、多少なりとも鉄分があるかもです
(鉄道関連の写真を撮影していて一番萌えるのがレールエンドでした
)
石橋駅が終点の長崎軌鉄4系統の線路を挟み北東側に広がっているのが東山手エリアだったのに対し、今から訪れる南山手エリアは南西側に広がるエリアです。そしてこの二つのエリアに共通していることは何れも旧外国人居留地だったこと。雰囲気の良い洋館が建ち並んでいるのでした
地図を使ってご説明致しましょう👇赤で〇囲みした部分が前回編で御案内しました東山手エリア。対して水色で〇囲みした部分がこれから向かう南山手エリアですその境界部に長崎軌鉄の線路が通り、終点が石橋駅です
石橋駅を離れます中々味のある終着駅でした
そしてやって来ましたのがこちら。石橋駅から徒歩1分の場所ですなになに、“グラバースカイロード入り口”って書いてあるぞ
そしてこちらが「グラバースカイロード」の入り口
おエレベーター
しかしこれは御覧のように、普通のエレベーターではありませんエレベーターの「箱」の側面の一部は透明なガラス窓になっていて、自分が乗った「箱」がどのような動きをしているのかが一目で分かる仕組みでした。そうです、「グラバースカイロード」と呼ばれるこのエレベーターは“斜行エレベーター”だったのです
途中に停止位置(中間駅)もあります
「グラバースカイロード」(斜行エレベーター)は、徒歩しか手段のない斜面市街地に住む高齢者や障害者の方が安全で快適に移動出来るよう、2002年(平成14年)に設置されたそうです。南山手一帯も東山手と同様、坂が多く、しかも傾斜は東山手よりも急さらに南山手には自動車が通れる道が少なく、自動車が上り下りできる傾斜の道路はエリアをぐるっと回る周遊路のため距離が長くなるうえ、歩いていくには少し遠かった。そのため、電停のある石橋と、住宅が立ち並ぶ南山手の上部とを結ぶ道は長い階段などで結ばれているのですがこの「グラバースカイロード」は急階段に沿って設置されたもの。階段と並走する斜行エレベーターだったのです
今回chuは「箱」の後ろを眺めながらぐんぐんと急傾斜を引き上げられていきまして、まるでTDR等のアトラクションに乗っているかのようなワクワクする気分に浸ったのですがこれは公共のエレベーターですので利用料金はかかりません。また、設置の理由は付近の方の利便性を考えての事なのですが、誰でも利用可能ですので観光客も勿論OK
けど、楽しいからと言って用もないのに何往復もしちゃ、ダメですよ
なお利用するにあたり幾つかの制約があり、①自転車・バイクは利用不可②盲導犬以外はカゴに入れていないペット同伴は不可③危険物や2メートルを超える長尺物の持ち込み禁止④「箱」内での飲食・喫煙の禁止、などです。公共の乗り物ですからどれも当然のことですよね
こちらは「グラバースカイロード」の横にある、元々の階段歩道から眺められる景色の鳥観図。良い眺めが期待できます
「グラバースカイロード」の終点からの眺め ホント、傾斜地にへばりつくようにして中高層のビルや住宅が建ち並んでいます
そして長崎の街中にはネコがたくさん居るんだそうななんでも“街を歩けば猫にあたる”と呼ばれているのだとか
慣れている上に人様が利用するベンチの一部をちゃっかり占領していました
ネコは“寝子”とも呼ばれるように一日24時間のうち、25時間は寝てんじゃないのと言われるほど寝ています(わが家の猫ちゃんもそうです
)人が近づくと、一応、目は覚ましますが動くことはしません。こちらのニャンコは究極の面倒くさがり屋さんなのでしょう
なお御覧のようにネコちゃんの耳にはカットが入っていますから、地域の方々に大切に育てられているさくら猫のようです
“んだょ、寝てんだよ、邪魔すんなよ”と、言われているみたいです
そして「グラバースカイロード」を降りてから10mくらい進むとまた別のエレベーターの乗り口がありました。
そしてこちらはごく普通の垂直エレベーターで、こちらも急階段の脇に垂直・細長なエレベーターの塔屋が聳えていました。「グラバースカイロード」同様、利用に際し料金はかかりません。
エレベーターを降りるとそこには円を描くような歩道があり、ここからも長崎港を眺めることが出来ますそして実はここは長崎夜景を眺められる隠れた名所
この歩道から眺めた長崎港がこちら。街中から近い分、灯りもとても近い上に市の中心部からのアクセスも良好電停石橋駅から徒歩1分で「グラバースカイロード」と垂直エレベーターを乗り継ぐだけでここまで来れちゃいます
それにここはchuが宿泊しました「モントレ長崎」からもとてもアクセスが良く、そして当然、そのことは事前に調べていましたから同ホテルを選択したのでした
そして港の向こう側、正面やや左にある山の、ポツンとある突飛物こそ長崎夜景を眺めることのできる超有名な「稲佐山展望台」です
そして背後には住宅がぎっしりと建ち並んでいます。先ほど少し触れましたが、南山手上部のこの辺りまでで来られる道路とはまさしくこの道の事。しかし石橋駅からここまではぐるぅっと、大回りしていますから、歩いたらかなりの距離になります。そして石橋駅からここまでは急な、長い階段はありますが、そんなところを歩いていたら大汗をかきます(>_<)そんなこんなを解消するために造られたのが「グラバースカイロード」と垂直エレベーター。しかし完成したのが2002年(平成14年)、垂直エレベーターはその翌年の2003年(平成15年)ですからまだ完成後、20年しか経過していません。それより以前の、このエリアにお住まいでした方は本当に御苦労の連続でした(>_<)大変でしたね、お疲れさまでした
と、昔の方に労いの言葉を伝えることしか出来ませんが、一見の観光客でありながら恩恵に預かりましたchuは御礼を言わずにはいられませんでした
そしてこの後…と言ってももっと日が暮れてからですが、chu一行は背後にある山の頂を目指します
その時の様子は次々回編で
垂直エレベーター出口から続く円を描くように丸い歩道を歩いた終点には「グラバー園」の入り口がありました。同園は、長崎を代表する観光スポットであり今回の滞在中には絶対に訪れたいスポットなのですが、ガイドツアーがあるためそれに参加したいのです。しかしこの日はもう閉園間際のためガイドツアーはなく、また日を改めてということに
ちなみにグラバー園の入り口は、ずっと下にある大浦天主堂の隣から入る方法か、「グラバースカイロード」と垂直エレベーターを乗り継いでここまで出向き、この入り口から入る方法の二通りがあるのですが、グラバー園の見学は一番高い場所にあります「旧三菱第2ドックハウス」からスタートします。ま、大浦天主堂の隣の入り口から入ったとしても、園内には動く歩道がありますので階段などを使わずしてもグラバー園のヒルトップまで来られはしますが、chu的には「グラバースカイロード」を利用されての来園をお勧めします
あちらの塔屋が垂直エレベーターの出入口。円形の歩道上から眺める長崎港の夜景が素晴らしい、との情報はもちろん掴んでいますそしてこの時はグラバー園には入りません。ですのでわざわざ垂直エレベーターに乗ってここまでくる必要はなかった
いえいえ、あるんだなぁ、それが
それは3枚上の写真、とある場所から降りて来た地点の様子を明るいうちに確認しておきたかったのでした
3枚上のところまで戻って来られればもう安心なので、その地形を実際に見て確認しておきたかったのです。既にYouTubeでは、何十回も視聴して頭の中にはルートを焼き付けていましたからね
それでは再び垂直エレベーターに乗り、先ほど、ネコが寛いでいた場所まで戻ります。しかしそこから「グラバースカイロード」には乗りません。だって、乗ったら石橋駅に戻っちゃいますからねそれぢゃ、南山手エリアの散策出来ないですから
ということで、何十回も視聴したYouTuberの方が通った道筋を忠実に歩きます。ですがYouTuberさんはそのまま下まで降りてしまいますが、chu一行は途中、色々なスポットを見学しながらルート通りに下っていきます。それが南山手エリアの散策
で、最初の立ち寄り先がこちら👇「南山手レストハウス」という建物で、国選定重要伝統的建造物群保存地区 伝統的建造物(南山手乙27番館)です
建築されたのは幕末の元治元年(1864年)から慶応元年(1865年)。初期の頃の居留地住宅で、テラスに木柱と石柱を併用しているという独特な特徴を持っている建物なのだそうです。出入りは自由(無料)、説明して下さるボランティアガイドさんがいて、色々とお教えいただきました
まずはお庭から正面エリアは先ほど散策していた東山エリア。そして斜面には、もうこれでもか、という程のビルや住居が建ち並んでいます
次に建物内に入りました展示されている一つ一つはとても興味深いものばかりです。案内して下さったのはボランティアのスタッフさん。色々と有難うございました
しかし実はこの建物は2003年(平成15年)に復元されたもの。南山手エリアを訪れる方たちが気軽に立ち寄れ、また休憩できるレストハウスとして一般公開された建物でした。あれ、2003年ってそーだ、前年の「グラバースカイロード」に引き続き垂直エレベーターが完成した年でしたね
長崎市ではこうした施設の完成と歩調を合わせるようにして南山手エリア散策の核となる大浦天主堂やグラバー園から回遊出来るように整備をされたようです。建物は復元されたものとは言え、元々は現存していたものであり、室内に置かれている数々の調度品は幕末に居住されていました外国人の方が使用されていたものを模したもの。眺めているだけでどれも往時を想像をさせて頂くにあたり十二分なものばかりです
それと幾つもあるお部屋など、とても綺麗に掃除が行き届いており管理状態も超良好さらに旅行者のためにボランティアさんを常駐されるなど、長崎市の、過去のレガシーを大切に扱っていこうとする姿勢がとてもよく分かる「南山手レストハウス」なのでした
さて、南山手エリアの散策を続けます。こちらは「大浦展望公園」この公園の説明は👉~映画「解夏」のロケ地にもなり遠藤周作も愛したという、南山手らしい居留地の風情が残る「祈念坂」。大浦天主堂の脇にある、その細長い坂道を上がりきった先に「大浦展望公園」はあります。公園からは洋風住宅群や孔子廟など東山手の街並みや長崎港が眺められます。夜にはライトアップされる「大浦展望公園」。眼下には世界三大夜景都市・長崎の美しい夜景が広がります。足腰に自信がある方は、下りは公園の脇にある傾斜45度はあろうかと思われる、とても急な坂道を下ってみて下さい。路面電車の終点・石橋電停まで続くこの坂道を下るとまるで東山手の街並みが迫って来るかのようです。坂のほぼ終わり付近に「相生地獄坂 体力作り坂(223段) 100kcal(上り70kcal、下り30kcal)の表示板が!「グラバースカイロード」開通以前は周辺の住民の皆さんが利用していた生活道路。長崎の坂の暮らしが体感できます~
展望公園のベンチからは「グラバースカイロード」が見えています。斜行エレベーターであることが一目瞭然それにしても御覧のようにずうっっと視界の先の方まで傾斜地に住宅が建ち並んでいる様子がお分かり頂けることと存じます
また電停の石橋駅はこの公園の真下ですから、“直角”とは言いませんが
“ストン”と切れ落ちていますから大浦展望公園の説明にありました45度の傾斜、というのは決して大袈裟な表現ではありません
ちなみに45度と言う勾配は、少なくとも日本国内のスキー場、エキスパートコースでもあり得ない角度です
「大浦展望公園」から振り返るとつい先ほどまでお邪魔していました「南山手レストハウス」その左側に見えている塔屋が垂直エレベーター。「南山手レストハウス」は「グラバースカイロード」と垂直エレベーターの、ネコが寛いでいました中間の広場から歩き始めた場所にあるのです
そしてホントは石橋電停に続く223段の階段を降りたかったのですが、この時はYouTuberさんから教えて頂いた道を確認しなきゃでしたので断念(>_<)最も、チャレンジしようかな、と思ったのは階段を下ることだったからでして、上りであればかような気持ちは一切、起こりうることはありません
そしてここから、映画「解夏」のロケ地にもなったという「祈念坂」を下ります
しかしchuは「解夏」(げげ)という映画自体をシラナカツタ長崎出身のさだまさしさんの短編小説を基に製作された映画のようです