こんにちは。高橋ゆりこです。
金曜22時TBSドラマ
にハマっております。
第5話は、戸田恵梨香さんとムロツヨシさんの演技力がものすごかったですね。
あまりの駆け足、超快速特急な展開に、視聴後しばらく呆然。
もっと丁寧に描いてほしかったな~と直後は思ったのですけれど、大抵のドラマって、結婚してハッピーエンドで終了なのに、このドラマは、結婚後の「生活」の部分を描きたいという作り手の意図が分かったので、良しとします(笑)
の中で私は、真司が別れようと言った理由をこう書きました。
愛があってただそばに居てくれればそれでいいなんて、そんなの綺麗事だし絵空事だと思ったのかもしれない。
それだけでいいわけない。
お金もなくて、影響力もなくて、尚を助ける力もない。
そんな自分に、ほとほと嫌気がさしたんだろう。
尚の病気のために、自分は何の役にも立たない。
尚の仕事についても、自分は何の役にも立てない。
尚の生活を支える甲斐性もない。
ただ一緒にいるだけ。ただ愛するだけ。
本当にそれでいいのか?
自分の無力さ、ふがいなさを嫌というほど突き付けられて、
真司は、ものすごく、情けなくて悔しかったんだとおもう。
ここ、当たってましたね~。
5話で、真司が書いた「脳みそとアップルパイ」の中にこのような一節がありました。
その夜、動くと静電気を発する安物の毛布に包まって眠っている彼女の華奢な背中に、俺は幾度も問いかけた。
甘いことはいくらでも言える。心から言える。
だけど金はない。
言葉みたいに出てこない。
こんな俺に、お前は何ができると思っているんだ?
本当に俺でいいのか?
大事な時間を無駄遣いしているのかもしれないぞ。
本当の愛を知らない真司が、初めて尚に全身全霊で心から愛される体験をした。
20年間、何の言葉も湧いてこなかった真司に、小説を書きたいと思わせるほど、沢山の言葉を湧き上がらせた運命の女。
本気で幸せにしたいと思った女に、自分がしてあげられることの限界を突き付けられて、真司は絶望したんだ。
普通のカップルだったら、貧乏くらい何てことないだろう。
でも、尚は難病を抱えていた。
尚にとって必要なのは、優しくて面白いだけの金も将来もない男ではない。
尚のすぐそばにいる、主治医であり元婚約者の侑市がふさわしい。
愛する人を守ってあげる力が自分にはない。
今まで深く人を愛したことがない真司が、40才で初めて体験した耐えがたき絶望。
体験したことが無い苦しさを抱えたとき、人は視野が狭くなり、フラットな判断ができなくなる。
真司の中にあるブロックが強く反応して、
「尚を侑市に譲って自分は身を引こう。」
という極論の結論を、真司は出してしまった。
信頼していた人に手のひら返されることは何度も経験した。
だけど、自分にまっすぐ一直線に愛を向けてくる相手に、自分が手のひらを返す行動をとることになった。
「尚のために自分は最善のことをした」という建前の裏には逃げもあったと思う。
人間は聖人じゃない。
矛盾した感情と思いがいくつも同時に交錯するのが人間。
その葛藤や絶望から、真司の中に湧き上がる沢山の言葉のすべてを、小説にぶつけたのだ。
人間とは、強くも、もろくも、ずるくもある。
そういう人の心の揺らぎを丁寧に描いているこのドラマは、とてもリアルだなって思う。
と言われたときの、尚の表情の変化には目がくぎづけになった。
そこからの、真司の「いいよ」4連発の凄さ。
「名前間違えちゃうけど、いい?」
「いいよ」
「鍵挿しっぱなしにしちゃうけど、いい?」
「いいよ」
「黒酢はちみつドリンク、何度も注文しちゃうけど、いい?」
「いいよ」
「いつか、真司のこと 忘れちゃうけど、いい?」
「いいよ」
おそるおそる真司の心に近づこうとする、尚の質問に対して、
優しく「いいよ」と答える真司。
大丈夫だよ。
信じていいよ。
愛してるよ。
が、「いいよ」の一言にめちゃめちゃ詰まってる。
2話で真司が言った、
「病気なんて屁でもない」
という言葉よりずっとずっと、
「いいよ」という一言に、真司の本気の覚悟が詰まってた。
真司は、尚に対して自分がしてあげられることの限界を突き付けられて絶望した。
だけど、気づいた。
幸せとは、尚に何かをしてあげることじゃない。
幸せは、尚に与えてあげるものじゃない。
幸せとは、尚と共に「今」を感じて生きること。
結婚について、
真司は、
自分には、金もない。学歴もない。資格もない。将来もない。
だから、尚と結婚しても尚を幸せにできないと思っていた。
尚は、
自分が誰だか分からなくなる私を死ぬまで背負えなんて言えない。
だから、真司と結婚できないと思っていた。
尚にとっても、真司にとっても、二人が離れ離れになった9カ月は、身を引き裂かれるほど苦しい時間だった。
だからこそ、再会したとき、もう離れ離れになることは考えられないと強く感じたのだと思う。
その思いは、手を繋いで歩く二人の会話に表れていた。
「なんかベストセラー作家になったら、真司が普通の人になったみたい。全然ピカレスクでもエロチックでもない。」
「そういうの嫌?」
「ううん。もう真司なら何でもいい。普通でも何でも。」
「俺も。尚ちゃんだったら何でもいい。」
真司が突然「別れよう」と言って離れ離れになった9カ月間は、
どこをどう見たって、強いマイナスでしかなかった。
だけど、その強いマイナスを真司は小説を書く原動力に変え、20万部突破するベストセラーの新作を書いた。
生きる気力を失い、もうすぐ死んでしまいそうなほど、自分が真司を愛していたことを尚は痛感した強いマイナスの時間があったからこそ、一生自分を背負えとは言えないと結婚に対する大きな壁になっていた思いを、尚は取り払うことができた。
「結婚なんかできない」と、二人はそれぞれの理由で本音を頭で抑え込んでいた。
二人が素直にまっすぐ自分の本音に従うことができるようになったのは、強いマイナスの時間があったおかげだ。
この強いマイナスな時間がなかったら、
たぶん、真司は新作が書けなかっただろうとおもう。
あの絶望があったから、言葉が湧き上がってきたのだから。
「もう真司なら何でもいい。普通でも何でも。」
「尚ちゃんだったら何でもいい。」
という思いを感じることがなければ、二人は結婚もしないだろう。
マイナスって、人生に本当に必要なものなんだ。
本当に苦しいけど、めちゃめちゃ辛いけど、
人生に起きるマイナスは、プラスに必ず繋がっている。
だから、人生にどんなマイナスが起きようとも、
それを真正面から受けとめてしっかりと感じきり、
今の自分にできる最善だと思うことを、やっていけばいい。
そうすれば、必ず、その先のプラスに繋がるから。
マイナスは、その先の大きな幸せに繋がるためのテストなんだ。
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