こんにちは。高橋ゆりこです。
これまでの記事↓
の続きです。
夫婦がすれ違ってしまう原因となる、
●夫が妻に共感しない
●夫が過去の辛い出来事を覚えていない
この現象には、脳の機能の男女差が大きく影響していました。
脳の機能の差なので、
愛情の大小とか、
関心の有無とか、
まったく関係ないことが分かりました。
ただし。
この違いを理解しても、そのまま何も行動しなければ、
すれ違ってしまった夫婦関係を、改善することはできません。
では、どうすれば、夫婦の関係が円満になるのか？
番組では、最新研究で見つかった解決のヒントが紹介されていました。
アメリカ クレアモント大学の脳科学者ポールザック博士。
彼の研究テーマは、
人の愛情に関わるホルモン
脳の下垂体から分泌されるオキシトシンは、脳内で分泌されると人に愛情を感じます。
オキシトシンは、愛情ホルモン、幸せホルモン、と呼ばれています。
オキシトシンは、脳の報酬系というところに作用して、
その人とずっと一緒にいたいという気持ちを起こさせます。
オキシトシンは、
元々は出産や授乳を促すために分泌され、
母と子の絆を深める役割を担っていました。
ところが、
進化の過程で、
夫婦の絆を強める愛情ホルモンの役割を担うようになったのです。
なぜそうなったのか？
その答えは、人類太古の夫婦の形に理由がありました。
人類誕生から数百万年の間、
人類の夫婦の形は、一夫多妻制が主流でした。
養う力に長けた男性と子どもをもうければ、
より確実に子孫を残せるという生存戦略です。
しかし、数千年前、夫婦の形は、一夫多妻から一夫一妻へ変化します。
一説によると、性感染症が大流行し、複数の人との性交渉がリスクとなったためとも言われています。
一夫多妻制のときは、沢山の妻たちで協力して子どもを育てることができました。
しかし、一夫一妻制の元では、
夫婦が協力して、確実に子どもを育てる必要があります。
そのために、
母子の絆を強めるオキシトシンに、
夫婦の絆を強める新たな作用が加わった、
と、考えられています。
夫婦の絆を強める作用は、新たに加わったもの。
歴史が非常に浅いのです。
そのため、
何もしなければ、意識しなければ、夫婦の絆を強める作用は働かないのです。
夫婦の絆を強めるためには、工夫と努力が必要なのです。
そして、オキシトシンと反対の作用をもたらすものがあります。
それは、男性ホルモン テストステロン。
テストステロンは、多くの女性を獲得したいと欲求を促す作用を持ち、筋肉や骨を作り、性機能を維持する働きがあります。
競争を勝ち抜くための攻撃性を高める作用も持っています。
テストステロンは、勇ましい戦士のホルモン です。
主に男性はテストステロンが多く、女性にはオキシトシンが多い。
でも、男女どちらのカラダにも、この２つのホルモンは分泌されています。
夫婦関係を円滑にするには、夫婦共に、
オキシトシンが十分に分泌され、
テストステロンの過剰な作用を抑えることが重要です。
テストステロン値が高いと、子どもや家庭に対する思いやりが段々減ってしまうのです。
家庭を省みない夫、または妻は、テストステロン値が高くなっている可能性があります。
でも、テストステロンは悪者ではありません。
逆に、テストステロン値が低くなると、うつっぽくなったり、性生活が減ったり、意欲が奪われてしまいます。
テストステロンとオキシトシンは、バランスが大事なのです。
テストステロンの値は、男性の方が高いのが一般的です。
それなのに、現代の夫婦では、テストステロン値の男女逆転現象が起きている傾向が高くなってきています。
女性のテストステロンの量が増えすぎると、オキシトシンとのバランスが崩れ、夫婦関係に悪影響を及ぼすと指摘されています。
テストステロンには、女性が本来得意だったはずの共感力や相手を思いやる気持ちを低下させる作用があるからです。
テストステロン値と男女の仲を調べたアメリカの実験では、
女性のテストステロン値が高いカップルほど、
男性の満足度が低いという傾向が明らかになりました。
テストステロン値が高くなる理由。
それは、激しい競争にさらされることです。
テストステロン値が上がると、オキシトシンが下がる。
この二つのホルモンは、シーソーのような関係性なのです。
社会の中で、競争や責任の重圧にさらされている女性が増えてきた現代は、テストステロン値の高い女性が増える傾向にあります。
夫や子どもに、思いやりや共感が感じられない。
そんな風に感じる場合は、ご自身のテストステロン値が高くなっている可能性が高いです。
では、どうすればいいのか？
ちょっと意識した行動をするだけで、
人は、カンタンに、オキシトシンの分泌を増やすことができます！
オキシトシンを増やすポイントは２つ。
まず１つめは、
相手が自分に向き合っていることを実感すること。
そのために、見つめ合い、スキンシップを取ることは、とても効果的です。
感謝の気持ちを、言葉で、態度で、しっかりと相手に対して伝わる形で表現する。
など、
自分にしっかり関心を向けてくれていると、
自分のことを思いやってくれていると、
相手がしっかり実感できるように行動することが重要です。
２つめは、
ある目標に向かって、二人で協力して作業をすること。
時間制限など、軽いストレスを共有することで、効果がさらにアップします。
制限時間を設けて、役割を決めて、一緒に料理をする、など、目標と行動を共有することで、精神的な絆が深まります。
一夫一妻制になってからの方が歴史が浅い、現代の夫婦は、
放っておいては夫婦の絆は機能せず、
努力しないと働かない仕組みなのです。
そして。
絆を深めたい。
今の夫婦関係を改善したい。
そう感じた方が、意識を変え、行動をしなければ、変わることはないのです。
オキシトシンは、自分自身が、自分自身を刺激して、分泌を促すことができるホルモンです。
オキシトシンの作用は、自分で自分を刺激する努力を続けて行くうちに、
ポジティブループ、プラスのスパイラルとなって、どんどん出やすくなっていくと言います。
行動を繰り返してオキシトシンの分泌を促せば、どんどん出やすくなる。
どんどん愛情を感じやすくなり、どんどん幸せを感じやすくなる。
そういう自分を、自分で作ることができるのです。
人は、意識することでハッピーな軌道にどんどん乗っていけることが、科学的に証明されているのです。
自分の意識が少し変わって、自分の行動が少し変わって、
それによって、オキシトシンの分泌を変えることができて、
それによって、もう一度夫婦の維持装置が動き始める。
すべて、自分の意思で行動で、作っていくことができるのです。
そのためには、お互いの男女の違いを理解し、
自分と同じことを、相手に求めないこと。
変えたいと感じている方が、少しだけ工夫と努力をしてみること。
UMIでもいつもお伝えしているこの二つが、科学的にも重要だと証明されているのですね。
円滑で円満な夫婦関係を築くことは、必ず誰にでもできます。
どんな状態からでも、改善できます。
離婚寸前だったカップルが、何組もラブラブになっています。
大丈夫です。
オキシトシンの分泌を自分で促す行動を、あれこれ試してみましょう。
実験感覚て、自分の心の中を観察しながらトライしてみるといいですよ。
】
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