川岸を上流に向かい、元の通りの道を行き、ついに、都の全貌が見えてきた。赤く、横に長く、この国の文化を象徴とする、ドンジン宮殿が見えた。その周りを白い小さな建物がいっぱい建ち並んでいる。

都の一郭に着いたのは夜だった。
関所が前に見え、通行手形を番兵に見せ、やっと都の中に入った。だが、都はとてつもなく広い。学校へは、見物を兼ねて行けば、ここから1日はかかる。地面は、白い石のタイルが敷き詰められていて、左右には先ほど小さく見えていた白い建物が道に沿ってずらっと並んでいる。

とりあえず宿にはいって、二人で都入りを祝った。
フンビンを出た日。朝は晴れていたが、昼前から雲がもくもくと出てきて、どしゃ降りになった。この先には川があり、水かさがかなり高くなり、大荒れになっていたので、引き返すことにした。

入校日の期限はその日を含めて、あと5日だった。しかし着くまで3日は要する事態になってしまった。期限を過ぎると、入学資格を放棄したこととなり、元のところへ戻されてしまう。
魔法を学ぶ意欲がなければ、期限切れまで待ってればいい。そんな前例はいくらでもある。だが、軽い義務があり、生活する上であると便利なので世間のならいとなり、大半は都に上るのである。

翌日は快晴だった。川はまだ荒れていたが、行かなくては間に合わないそうなので、舟を探さなくてはならなかった。暑さが体力を奪ってゆく。舟小屋を見つけたのは昼過ぎだった。さっそく乗せてもらったが、舵が取りづらかったのか、ずっと下流の方へ着いてしまった。
ネルロスがその後言ったことだが、あれは装甲魔兵と言われていて、この先の都で造りだされたものだった。山を登っていた途中から合流した道があったから、きっとそっちの方面から帰ってきたのだろう、と思った。しかし、魔法力はあの様な巨大なものを動かせるものかと驚いた。また、この先でそれを修得するのだと思うと、期待反面、少し恐怖も感じられた。
予定では夕方頃つく予定だったが、すっかり雨のせいで、夜になってしまった。ここは山を越えた先の町フンビンである。都は平野の真ん中、まだまだ日にちを重ねることになりそうだ。