何だか来日するたびに聴きに行っているような気がしますけれど、
またエマニュエル・パユのフルートを聴いて来たのですね。
とはいえ、毎回毎回趣向が異なっていると言いますか、
チェンバロとのデュオでバッハ だったこともあれば、
ピアノ伴奏によるアレンジもの 、はたまた木管アンサンブルの中に入って ということもあり、
今回はといえば、室内合奏団と共にバロック期のコンチェルト特集?でありましたよ。
それにしても、何だってパユを聴きに行ってしまうのかといいますと、
何よりもその音色ということになりますでしょうか。
聴き飽きしないことはもとより、聴き疲れるもしない。
音が高かろうが強奏であろうが、その深みのある音色は変わらない。
今回のコンチェルトでも同様でありました。
さすがにアンコールでやった武満作品だけは「さすが現代!」であって、
フルートを吹きながら(ながらって音を出しながら同時にですよ)語る、叫ぶ、唸る…
てなことが混じりつつ、時に鋭い音がきーん!
でも、これはこれでしょう。
と、いきなりアンコールの話ではなんですが、
フルート協奏曲は3曲演奏されて、そのいずれもがなかなか聴けない曲ばかり。
まずはクヴァンツ、次にC.P.E.バッハ(大バッハの次男ですね)、
そして最後がプロイセン国王、フリードリヒ2世が作曲したものでありました。
で、どうしてこうしたレアもの選曲になっているかといいますれば、
今年2012年はフリードリヒ2世 (1712-1786)の生誕300年なのだとか。
まあ、世界史にその名が登場するような王様の生没周年行事も
毎年どこかしらでやっているのかもですが、こと音楽の世界では
このフリードリヒ2世はなかなか名うての人物ですから、
音楽系のイベントが行われているのでしょう。
題して「フルート・キング」というプロジェクト・ツアーでパユが回っているという。
上のフライヤーで、パユが妙に宮廷風のコスプレで出ているのもそういう曰くなのだそうで。
(ただフルート・キングと聞くと、今の人気・実力からしてパユのこと?と思いそうですが)
フルート大好きのフリードリヒ2世王ですが、
その先生がハンス・ヨアヒム・クヴァンツ(300ものフルート協奏曲を書いたらしい)で、
ベルリンに設けた宮廷楽団でチェンバロ奏者をしていたのがカール・フィリップ・エマヌエル・バッハ。
とまあ、こうした関わりで選曲されていたわけですなぁ。
クヴァンツとC.P.E.バッハの曲をいきなりすっ飛ばして何ですが、
面白いなと思ったのは、何といってもフリードリヒ2世御製のフルート協奏曲第3番ハ長調。
合奏の前奏があって独奏フルートが入ってきて好きなように吹き、
また合奏、そしてソロ…と言ってしまいますと、そりゃそうだ、協奏曲だからとなりますが、
独奏フルートが入ってきた途端に裏の伴奏は最小限の楽器に縮小されるのですよ。
そしてフルートがお休みになると、また楽器が増えて全員で合奏。
このはっきりしたコントラストが妙に面白いわけなのですね。
フルート・ソロは当然に自分が、つまり大王さまが吹くので、
「わしが吹いている間は、黙ってきくように。伴奏は少なくていいぞ。目立たなくなるからな」
という暗黙のお達し。
そして、大王さまがお休みするときには、
「さあ、はりきってわしが次に出るまできちんとつないでおけよ」
という、また暗黙のお達し。
曲調も、威厳のある第1楽章の出だしや重厚な第2楽章など
いかにも王様の音楽といったふう。
面白かったですねえ。それにいい曲です。
ところで、啓蒙専制君主として名高いフリードリヒ2世ですけれど、
こうした作曲家、フルート奏者の一面とは別に実際の治世はどんなものだっかのか、
今度はそっちが気になってきますですねえ。











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