7月8日(日曜日)は日本橋亭で立川ぜん馬夏の独演会でした。
猛暑となりましたが、満員御礼でご来場に改めて御礼申し上げます。
開口一番に続いて。
古今亭志ん吉さんは典型的な古今亭の噺『風呂敷』で登場。
形が綺麗で聞かせました。この日は『四谷怪談』の笛でも大活躍頂きました。
ぜん馬一席目は『船徳』!夏の噺。
ここ数年、春と夏は病臥が多かったぜん馬ですが、今年は無事で、声もよく出ていました。
『船徳』はぜん馬としては珍しいレパートリーで、古今亭ではなく、柳朝師匠から教わったものと
聞いていたので以前から希望をだしておりました。
竜光亭の女将さんの可愛がっている猫を食っちゃう等の乱暴なところは如何にもの感があります。
丁度朝顔市の日でした、即ち四万六千日は9日と10日。これは偶然でした。
乱暴な女中、船頭連中がパアパア喋るところ、船宿の女将さんが扇子で仰ぐ、船を漕ぐ、こうもり傘。
こういう噺は内容でなく雰囲気と粋さが身上で、やはり何事も綺麗なぜん馬ですから見事なものです。
普段やらないのが勿体ないくらい。
仲入を挟んで、もはや堂々たる存在の林家楽一さんで紙切。
黒い紙で切るのが特徴で、バックライトで良く映えます。
いよいよ最後は、ネタ卸の『四谷怪談』伊東快甫の死。
鼠責めの凄惨な場面。
怪談は受けさせなきいけないとは良く言われることで、笑いが起こるのは
怖さが伝わっている証拠です。照明を落としたりせずに正攻法で口演しました。
夜鷹宿の不潔な暗さや中間角助の律義な人物が良く表れておりました。
次回のぜん馬独演会は12月24日(祝日)です。義士ものを考えております。
こちらもよろしくお願いします。