ブルガリアの白色連盟(白色同胞団)  | 瑞霊に倣いて

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  『霊界物語』が一組あれば、これを 種 にしてミロクの世は実現できる。 
                            (出口王仁三郎)  

 “白色同胞団といえば、第二次世界大戦前大本と提携していたブルガリヤの白色連盟を思い出す。英語での呼び名が同一であるので、両者間に関連性のあることを予想していた。ところが、本年(昭和45年)六月二十三日、白色連盟のフランス宣教の指導責任者オムラーム・ミカエル・アイバンノフ師が女性秘書を伴って、パリから来日の途中、大本を訪ねて来られた。好機とばかり私はすかさず白色同胞団との関係をたずねてみた。答えは「白色連盟は同胞団の一派である」とのことであった。

 アイバンノフ師は、数時間の滞在で辞去されたが、七月十日亀岡を発った国際課長梅田善美氏がウィーンで開催の世界エスペラント大会が終わるとパリに飛んで、聖師さまの作品展開催交渉を準備することになっている。その折、アイバンノフ師との交遊も深められることになる。四十年前、西村光月先生によって提携のできたブルガリヤの白色連盟は、戦後の政変で今日まで組織的活動ができないため、何かと大本が支援の手を差し伸べており、五年前大本国際フェステバーロが開かれた際は、その幹部の一人パンポロフ師をブルガリヤから招いて二カ月お世話したことがある。‥‥‥”

 

     (「おほもと」昭和45年10月号 重栖度哉『白色連盟との縁の糸』より)

 

 

 “(西村光月、小高英雄)両宣伝使は(昭和三年)八月十一日、パリの人類愛善会欧州事務所に着き、シシコフ宣伝使から留守中の報告を受けて、ただちに宣教活動にはいった。西村らがパリに到着するまでに、四月二十二日付で、ヨーロッパ在住の外人信者十三人が宣伝使に任命されていたので、欧州の宣教には新たな力が加えられていた。その後両宣伝使の活動で、欧州宣教もますます活発となり、ブルガリアのヅブニカその他にも、つぎつぎに支部が設置されていった。

 以前からの文通で連絡のあったブルガリアの新精神運動白色連盟は、一九二八(昭和三)年の十一月に、ドイツの「白色旗団」と全国の各新聞や雑誌に大本の紹介記事を掲載した。”

 

 “大本との提携団体になったブルガリアの白色連盟が正教会に迫害されたり、ルーマニアのコルモス宣伝使が周囲の人々から圧迫されたりするようなこともあったが、愛善運動はそれらの障壁を乗り越えて次第に拡大されていった。”

 

 “ソ連ならびに東欧社会主義国におけるエスペラント運動の復活にともない、一九五六(昭和三十一)年の夏には、ブルガリアの、かつての提携団体である白色連盟(Universala Blanka Frataro)との間にも再び連絡がとられだした。この団体の使徒A・ニコロフ氏からは、「創立者 P・ダーロフは一九四四(昭和十九)年に昇天し、法燈は信徒に引き継がれているが、いまだ独自の機関紙をもつまでに至っていない」という報告があった。”

 

(「大本七十年史 下巻」より)

 

 

*文中のシシコフ宣伝使というのは、戦前に出口聖師より「宣伝使」を拝命したブルガリア人で、欧州での責任者であった西村光月先生の秘書をしておられた方です。西村先生は、リブログ先で紹介させていただいたように、出口聖師から「砂の神業」を託された方でもあります。

 

*ここで紹介させていただいた白色連盟(白色同胞団)とは、戦前に大本が提携していた海外の諸団体の一つで、いわゆる正統派のキリスト教会とは異なる、主神の経綸によりブルガリアに新しく出現した宗教団体です。今年の4月に、その創始者であったペーター・ダノフ師について書かれた、「現代の預言者 ペーター・ダノフ その人生と教え」(デヴィッド・ロリマー著、辻谷瑞穂訳、ナチュラルスピリット)という本が出版され、ようやく日本でも、この団体について知られるようになってきました。前回マニ教と出口王仁三郎聖師の宗教との関連について書かせていただきましたが、ブルガリアはかつてマニ教の流れを汲むボゴミル派の栄えた地であり、この本の中では、そのボゴミル派についても言及されています。そして、私が興味深く思ったのは、著者のデヴィッド・ロリマー氏は、かつて英国スウェーデンボルグ協会の会長でもあった方で、ピーター・ダノフ師の教えを学び、翻訳するためにわざわざブルガリア語を習得したのだそうです。スウェーデンボルグは18世紀の人物ですが、しばしば霊界に参入し、主イエス・キリストからの啓示を受け、「真のキリスト教」とはどういうものかをその著作で明らかにしました。そして将来、その啓示された真理に基づく新しい教会の出現、すなわち「新エルサレム教会の到来」を予言しています。もしかしたら、ロリマー氏は、このブルガリアの白色同胞団がその新エルサレム教会だと考えておられるのかもしれません。

*検索してみると、既にこの白色同胞団のウェブサイトが開設されておりました(日本語あり)。現在はヨーロッパ中に信徒が存在する、かなり大きな団体になっているようです。そこでの修業の一つである神聖舞踏、パネウリスミー(paneurhythmy)は近年日本でも上演されたり、講座が開かれたりしており、YouTubeでも動画が公開されています。

 

   ブルガリア 白色同胞団のHP ↓
 

  http://www.bratstvoto.net/vehadi/index_jp.html