聖なるオリオン | 瑞霊に倣いて

瑞霊に倣いて

  
  『霊界物語』が一組あれば、これを 種 にしてミロクの世は実現できる。 
                            (出口王仁三郎)  

 

 何気なくオリオン星座を仰ぎみれば 月のごとくに輝きており

 

 オリオン星次第しだいに光まし 七つの月の出たるごと見ゆ

 

 オリオンの星は次第にひろがりて 容姿端麗の女神あらはる

 

 いつの間にかわが魂は霊界に 入りて見つらんオリオンの星

 

 オリオンの星よりくだる姫神の あとより続くあまたの姫神

 

 姫神はあまたの侍神したがへて われに近づきほほゑみませり

 

 姫神はほほゑませつつ()()づから 御宝箱(おんたからばこ)さづけたまひぬ

 

 天地( あめつち)の心をこめし玉手箱 (なれ)にはなくてならずと()らせり

 

 諸天人異口同音に万歳を ()らせるこゑは天地(てんち)どよもす

 

 玉手箱いただきまつるたまゆらを 松風の音ちかく聞ゆる

 

 よく見れば高熊山の岩ヶ根に 夜のくだちを端座してをり

 

 ほのぼのと(あづま)の空は白みつつ 松風の音しづまりにけり

 

 何となくこころ(すがよ)しき(あした)なり われ霊界ゆたからもらひて

 

              (自叙回顧歌集「霧の海」より)

 

 

・天上のオシリス (古代エジプト)

 

 “エジプトは天の似姿(イメージ)だと言われていた。だから北と南を重視することは、天の北と南の探査につながる。地上の南北は天のそれにすぎないからだ。

 クフ王のピラミッドの南北部分には、二つの「通気孔」と呼ばれるものがあって、王の間から外部に通じているが、その傾斜は一度のずれもないほどの精密さで、北の方は北の天極に、南の方はオリオンの帯の三ツ星の一つに達するのである。ヴァージニア・トリンプルはこのような事実を紹介しつつ、古代人の神秘的センスの光に照らしてみれば、これらの孔が魂を導く通路、北の空では天極付近の星を、南の空ではオリオン座を目標とする魂の案内路であったことは明らかだ、と指摘した。

 実はここで問題になっているのは、各個人に提供される二つの道、最終的解放と永遠の生への道(北)および死すべき肉体への再受肉と新たな経験の始まりへの道(南)のことなのである。

 ピラミッドが建造された前2700年前後には、天極には竜座のアルファ星が位置し、天極周辺の星々はこの星を中心にして回転していた。天極周辺の星々は決して地平線の下に姿を隠すことがなかったので、「不滅の星」と呼ばれ、不死のシンボルでもあった。それゆえ地上生活の試練を克服した王は、不滅の存在として北の空に昇るのだ。

 古代人は南の空から36の星または星座を選んだ。デカンである。それらが交代で太陽と共に昇る現象は約10日ごとに起った。各デカンの上昇は70日間姿を見せなかったあと生じたが、これはミイラ製造に要した日数でもあった。これらの星の中でもオシリス(オリオン)とイシス=ソティス(シリウス)は、年毎の更新の、ナイルの再生の、死と再生のサイクルのシンボルである。”

 

 “パピルスの巻物に書かれ、あらゆるミイラのそばに置かれた「死者の書(日のもとに出現するの書)」によれば、「オシリス=名」(死者)はあらゆる神々(ネテルウ)の一人一人と自分を同一視し、その神を知っていると宣言する。これら数多くの神々は、唯一神の手足そのものであり、彼の属性もしくは位格なのである。同様に、生存中の人間に生命を与える神の火花のおかげで、人間はいつでも、創造の原因である一者が行う意識化の過程に参画できるのである。これら抽象的観念を表わすシンボルとして自然現象から選ばれたイメージのうち最も典型的なのは、毎日太陽が姿を消し、朝には再生することである。そして太陽は至高存在の二つの眼の一つである。だからこの眼の復活は、人間にとって、あらゆる否定的勢力に対する勝利と、存在者の最終目標である自分の意識(マート)の充実を表象するのである。

 テーベの王妃の谷の墓の一つでは、ミイラの姿勢をしたオシリスが婦人用ベルトを着用し、王笏を持っている。これがラメセス2世の王妃ネフェルタリの墓だからである。入り口の両側には、左に南の神セルケト、右に北の神ネイトがいて、それぞれ呼吸(セルク)を可能にする収縮(セルケトの蠍)と拡張の原理を表現している。その奥の窪みの部分ではイシスとネプテュスの姉妹が向かい合っている。こうして、王の棺と四つのカノプス壷を守護する4大神が完成する。扉の右手では「二つの地平の」太陽神ラー=ホルアクティが西のハトホルの前に坐っている。扉の左手には、朝日の象徴であるスカラベが頭となっているケプリがいる。この絵の奥、二つのマート(意識)の図が両側にある入り口通路を通り抜けたところに、オシリスが玉座に坐っており、その前には人体の四つの主要器官の保護者であるホルスの4人の息子がいる。

 同じ墓のラー=ホルアクティとハトホルの絵の裏側の壁では、雄未の頭をしたミイラがイシスとネプテュスの間にいるというきわめて珍しい場面が発見されたが、それには「オシリスのうちにとどまるのはラーである。ラーのうちにとどまるのはオシリスである」という文句が添えられている。この場面に言及した数少ないテクストは、「秘密、神秘、それはラーであり、オシリスである」と述べるだけである。(この二つの偉大な原理を統一することによって)この絵は贖罪と究極的解放の秘義を暗示しているのではあるまいか。”

            (リュシ・ラミ「エジプトの神秘」平凡社より)

 

 

・古代イスラエルの預言者たちが語るオリオン

 

 “一人の勇者が、東の地平線から天頂に向かって悠然と起き上がるように現れてきます。夜空を見上げるすべての人に強烈な印象を与えてやみません。

 この勇者は力強い狩猟者の姿をしています。右手に棍棒をふりかざし、まさに獲物を打ちのめそうとしています。左手には打ち取ったライオンをしっかりと握りしめています。左の足は敵の頭を踏み、腰の帯には星がちりばめられ、剣のつかのところは、子羊の頭と胴の形をしています。

 オリオンは遥か昔の伝説でも勇気や力、勇者の象徴とされ、後代のギリシャ神話、ホーマーの詩などにも美しく歌われているのを見ます。

 旧約聖書のヨブ記(BC1500年頃)では、「あなたはオリオンの綱を解くことが出来るか」(ヨブ記38章31節)と、その優美さのゆえに創造主の知恵の深さを賛美しています。

 預言者アモス(BC750年頃)も、「プレアデスおよびオリオンを造り、暗黒を朝に変じ、昼を暗くして夜となし、海の水を呼んで、地のおもてに注がれる者、その名は主という」(アモス書5章8節)と、星座の創造主の権威をもって、神のさばきの確かなことを示しています。偶像崇拝者や邪悪な人間に対して、神はいつも峻厳な態度で臨みます。

 預言者エレミアは、その神のさばきの徹底さをこう語り、警告しています。

 「主は言われる。見よ、わたしは多くの漁夫を呼んできて、彼らをすなどらせ、また、そののち多くの猟師を呼んできて、もろもろの山、もろもろの丘、および岩の裂け目から彼らをかり出させる。わたしの目は彼らのすべての道を見ているからである。みなわたしに隠れてはいない。またその悪はわたしの目に隠れることはない。わたしはその悪とその罪の報いを二倍にする。」(エレミア書16章16、17節)

このようにさばきのために多くの猟師たちを遣わされる偉大な主が、このオリオンに象徴されています。

 オリオンの右肩にある一等星のα星ペテルギウスは、「来るべき枝」の意味があります。これは預言者イザヤの、「エッサイの株から一つの芽が出、その根から一つの若枝が生えて実を結び、その上に主の霊がとどまる」(イザヤ書11章1、2節)と預言した言葉にあてはまります。キリストはユダヤの民族から生まれた「枝なるメシア」です。アラビア人は、この星座をアル・ギーザと呼んでおり、これにも「枝」の意味があります。

 高く上げた左足のかかとにあるβ星リゲルは、「踏み砕く足」を意味し、左肩に輝くγ星ベラトリクスは、「不意に打ち滅ぼす」を意味しています。

 腰の帯に輝いている三つの星は、「三人の王たち」と呼ばれているものです。これもイザヤ書に「正義は、その腰の帯となり、忠信はその身の帯となる」(同11章5節)とあるように、正義そのものの象徴にほかなりません。

 このように、義なる神のさばきの確かさと人類への警告こそ、この星座が伝える天よりのメッセージです。”

 

           (関栄二編著「星座に見る福音」日本教会新報社より)

 

 

・エドガー・ケイシー・リーディング

 

 “「……その人はプレアデスとオリオンの恵み深い力と共に、水星、木星、火星の影響を受けて生まれている。頭の良い子であり、何でもすぐに学びとれるが、また誤った方向に導かれ易くなることも時に見られる。そこで今後五年間は、この子に適切な影響を投げかけるような、特に霊的性質にその子を関連付け ることに関して指導と教育を与えるべきとの警告が出されている。火星の力から来る傾向がそこに見られるためであり、これは極めて大切なことになるだろう。

 この子は木星から恵み深い力を受け、ずば抜けた知力を持っているため、正しく指導すれば、物質面でこの子が力を尽くす仕事の分野でかなりの成功を収め、沢山の金銭とこの世の良き物を得られるだろう。もし適切でない繋がりを招く先の要因に流されるままになれば、これが裏目に出るだろう。つまり、極端な人間なのであり、一度短気に火がつくと自分の中でそれが煮えたぎる人間なのである。意志力を損なってはならない。その子を正しく導き方向づけしなさい」(五四五四-三)

 

 プレアデスとオリオンのもたらす力の性質はあまりはっきりと説明されていません。

 プレアデスとオリオンについて触れた箇所はもう一つありますが、これはなおのこと理解しがたい内容です。

 

 「この人は木星、金星、水星、またはオックス・アイデス(訳注:Ox-ides。おうし座とプレアデスを繋げたリーディングの造語と思われる)―― つまりオックス・オリオンの作用を受けたオリオン座におけるプレアデスの相対的力―― の影響を受けて生まれ出た。確かにこれは尋常ではない!」(二八八六-一)”

 

 (ジュリエット・ブルック・バラード「エドガー・ケイシー 大宇宙の神秘」中央アート出版社より)

 

*エドガー・ケイシーのリーディングの中には占星術に関するものも少なからずあるのですが、ケイシーは、西洋占星術よりも、ペルシャ占星術の方がより正確であると言っています。ペルシャ占星術は日本ではほとんどなじみがありませんが、インド占星術がペルシャ占星術の影響を受けているのだそうです。インド占星術に興味がおありの方は、流水りんこさんの漫画「インド占星術は深いぞ」という作品がお勧めです。

 

*あと、日本神道においては、オリオン座の中心の三ツ星は、住吉大社等に祀られている「墨江(すみのへ)の三前(みまへ)の大神」つまり「底筒之男命・中筒之男命・上筒之男命の三柱の神」のこととされています。