「笑いは天国である」 | 瑞霊に倣いて

瑞霊に倣いて

  
  『霊界物語』が一組あれば、これを 種 にしてミロクの世は実現できる。 
                            (出口王仁三郎)  

・「笑いは天国である」

 

 “諺に「笑う門には福来たる」とか「男は度胸、女は愛嬌」とかいわれていますが、笑いというものは、いつの時代でも世の中を明るくする大切なものです。

 聖師様(王仁師)のご存命中は、いつもお部屋から「ワハハ」と笑い声が流れ、和やかな雰囲気があふれていました。聖師様は「笑いは天国である。わしのいる所からは、いつも笑い声がたえない。わしの居る所が天国だ」と云われ、ご病気中でもお部屋からは、いつも笑い声が聞こえておりました。そして「淋しいこと悲しいことは、全部神さまにお供えして忘れて、楽しいことを思うように」と教えて下さいました。

 怒髪天を衝くと云われますが、髪の毛だけでなく、人が怒った時の息を試験管にとって実験した結果、その息が人を殺す毒素があることが判った、と聞いたことがあります。いくら正食しても、体に良いものを食べていても、心の持ち方が伴わなかったら、真の健康は得られないということです。

 お役所へ用件で行き、部課長さんの並んでおられる所は、なかなか入りにくく、気おくれがします。そんな時、グッとつばを飲み込んで用件を云って、そのあと一寸笑っておくと、自分の心も緊張がほぐれ、和やかな雰囲気になるものです。

 大本事件の公判のとき、裁判長が「大本には竹槍を一万本隠していたというが、探しても一本もない。どこへ隠したか」と問い、それに対して聖師様は「私はそんな人を殺すような恐ろしい竹槍は一本も持ってまへん。然し、男の信者には、子供をつくる如意棒(?)を一本ずつ与えておきました」と言われたところ、笑い声がドッと出て、あの厳粛な裁判所の雰囲気が和やかになったということです。

 神代の昔、天照大神さまが岩戸隠れをされた時、天のうずめの命さまが、舞をまわれた。その舞があまりに面白いので、笑い声がどっと起こり、その声で天照大神さまが一寸岩戸からのぞかれた所を、手力男命さまが岩戸を押し開けて天照大神さまをお出しなされたということですが、二代様(出口すみ子刀自)は、天のうずめの命さまの役をせんなんと神様から云われていたとお聞きしています。

 あの二代様のチャーミングな笑顔は、まことに世界一、それこそ大地の母を思わせる笑顔で、今も眼の中に刻み込まれています。

 この世の中から、もし皆から笑顔が消えたら、それこそ殺風景な殺伐たる世の中になるでしょう。その笑顔が時代の波にだんだんと忘れらかけているのではないでしょうか。どんな時でも笑顔をもって通し、またユーモアを解する太っ腹の人になりたいと思う私です。(三浦玖仁子)”

 

    (「人類愛善新聞」昭和53年11月号 『わしの居る所が天国』より)