子供の教育 | 瑞霊に倣いて

瑞霊に倣いて

  
  『霊界物語』が一組あれば、これを 種 にしてミロクの世は実現できる。 
                            (出口王仁三郎)  

・子供の教育

 

 “子弟の教育は義務教育を終えたらたくさんだ、それで立派に一人前の人となれる。その後はそれぞれ専門の教育を施したらよい。専門教育も学校などに入るより、むしろ実地経験をつませたがよい。今の中等教育などは、あれもこれもと余り沢山な課目を課し過ぎて、どれも中途半端で物の役に立たぬ。それに生かじりながら、いろんな事を知っているので却って悪く、目的を定めても、うまく行かぬとすぐかえてしまう。商売をやっていてもうまく行かぬと、私は中学校時代英語が上手であったから、一つ通訳になって見ようと職業替をし、又その通訳がうまくゆかぬと、むしろ画家になって見ようかと、つつきかじりの癖はどこ迄も禍いして、遂に何物をもつかみ得ずして、いつしか劣敗者の群に取り残されてしまうのである。点滴石を穿つのたとえで、能力の劣ったものでも専門的に長くやっておれば、年月を重ぬるにしたがって熟練の効は顕れて、あっぱれの腕前になるものである。滅多に生活に困るような事はない。なまじい種々の事を知っているのは害多くして効が少ない。社会がこんなに生活難に苦しむようになるのは、教育制度の罪があずかってその大半の責めを負うべきである。学校にしてからが、田舎の町村に不似合な広大なる校舎を建築しているが、教育費ばかりが徒らにかさんで負担に苦しんでいる町村が多い。すこし考えたらよからう。(昭和七年十月)”

 

          (「玉鏡」より)

 

 

・エドガー・ケイシーの霊的教育論 
 

 “ところで教育に関するリーディングはあまり多くはない。ここでは色々なリーディングを集めてみた。はじめにふれた徳育的な内容になっている。徳育といっても決していわゆる修身的なものではない。


 「彼らの目的を、分析しなさい。『してはならない』というのではなく、『しなさい』と言いなさい。」 

 「子供の話を常に聞き、彼女にやめて黙るように言わずに最後まで聞きなさい。」 

 「知られるように体罰は悪い結果に終わることが多い。有害無益なことが多い。」 
 

 「力ずくでもなく、支配でもなく、愛によって。甘えによってではなく、霊的な理解のもとにつちかった強さによって。憎悪や恐れを生む叱責によるよりも、一見で導くほうがより優れている。愛の感化力を持ちなさい。」 
 

以上は、教育にさいして、強制することを禁じている。

 

 「それに生きよ。それを語れ。それになれ。これらが、かような信条・真理が他の人々の意識の中に育つ方法である」


 「あなた自身がしないことを子供にするように言ってはならない。あなた自身がすることのないミサや教会に子供が行くように言ってはならない。あなたが他の方法でやるようなことについて、子供にこれをせよあれをせよと言ってはならない。」 
 

 「あなたは自分自身で行っていないことを教えてはならない。」

 

口で言うより身で表現せよ。自分のしないことをやれと言うなということ。

 

 「教えよ――教示によって。然り。けれどもそれらのほとんどは例示によってなされる。」

 

 「教示と例示によって教えよ。さらに多くの啓発のための準備があるだろう。今のところすでに言ったように若い人々の心は霊的な人々よりも物質的な人々になるように教えられている。けれどもあなた自身の場合、一つのことを言って、今度はそれとは別の生き方をしないようにしなさい。」

 

 ケイシーは、人が霊的であるために随分沢山のリーディングを出している。しかし繰り返して出てくるのは、「親切、公正、忍耐、寛大……」などの徳育の実践で、これらを基礎としてのち、瞑想、祈り、夢の研究解釈、自己分析、場合によっては占星学などを併用して意識の拡大をするようにすすめている。それらには多くのリーディングがあるが、ここではそれらにふれず、別にとても具体的な方法が示されているリーディングを読んで見たい。

 睡眠学習ということがいわれるが、これは古代エジプトにすでにあったということだ。「ソ連圏の四次元科学」(たま出版)にも似たような方法が外国語学習に使用されている例が出ている。これらは意識から意識へとふつうの形ではなく、意識から無意識へという形をとっていることが特長だ。

 以下のリーディングは十三歳の男の子にとられたものだ。

 

 「そこで、この身体が眠りゆくとき、両親共に… 一人一人でなく …暗示をこの身体に与える。その暗示は潜在意識を統制するため、祈りと瞑想中に感覚組織の諸器官に対する暗示からおこる動きを統制するための心と心の統一された働きのためである。これはまたその両親が祈りに生き、暗示が一致してなされることを必要とする。これら(祈りの)言葉は変えられてもよいが、以下の思想は含まれているべきである。

 

 『父なる神よ!あなたの慈悲、あなたの愛において、今私共(わたくしども)とともにいて下さい。私共は、このあなたの子供の心と身体がこの時あなたによってよりよき事件の経路となるよう導こうとしているのですから。』

 そして子供に対する暗示。(彼の名を呼んで)

 『あなたの内なる自己、あなたの潜在意識、あなたの超意識は父なる神の意識に反応するだろう。そしてあなたは地上における主の奉仕のためのよりよき経路となることができよう。』

 

 これらの暗示はもちろん時々変更しても良いが続けて毎日与えられるべきである。この奉仕のために毎晩少なくとも一時間さきなさい。このことは両親とこの実態が身体的、精神的、霊的な愛の発露となるためのいろいろな働きを招来するだろう。」

 

 『転生の秘密』にはこれを応用して長年のカルマからきている夜尿症が治った話が出ている。尚ここで出てくる朝意識とはリーディングによれば「魂の心」に相当するもので、我々が無意識と呼ぶ領域が完全に意識化されたときそれは目ざめるといわれる。”

 

    (「たま 復刊第一号」宮崎龍美『ケイシーリーディングによる霊的教育論』より)

 

 

 “リーディングは、私達の理想の姿、理想の状態を明示するときには、健康をもたらす唯一の力である生命エネルギーの私たちに対する最大関心事、つまり私たちが自分の身近にいる人たちをどう考え、どう待遇するかという理想の態度こそをはっきりとことばにしなければならないと教えている。

 この明示は、子供たちの悪い癖や症状を直したいというお母さんたちに数多くすすめられている。そのどれもが、無意識(潜在意識)がもっとも感応しやすくなっている子供の寝入りばなのまどろみのとき、その無意識に向かって直接お母さんの声で、決して「してはいけない」という禁止のことばではなく、積極的なことばで、その子の理想の姿、態度について語りかけるように求めている。もちろん子供の身体に手を置いたり、やさしくゆすったり、リズミカルにたたいたり、マッサージしながら明示をすることは良いことである。

 また子供が先に寝入ったときも、その枕元で低く声を出して語りかける必要がある。母親が子供を残して旅行に出たときなどは、子供には母親のテープを聴かせ、旅行先の母親はイメージの中で子供に向かって明示をするのである。

 次に紹介するのは、肉体的に非常に困難な状態で生まれてきた八歳の聾唖の男の子に与えられたリーディングの一部である。お母さんが子供に湿電池という器具を用いた治療をしている間に明示を与えなさいといって、
 「子供は聞くということはない。完全な視力もない。正常な味覚もないし、声も出せないが、私たちは繰り返し与えられる明示に、この魂、この実体、この潜在意識、無意識、超意識は反応するとみている。お母さん、ご自分のことばで語りかけてください。次のような目的で、祈りか明示をやってください。『この子は日々の生活の中でお世話になる方々に対する偉大な奉仕のために働きます。今ここにある無限のエネルギーの御意志に完全に同調しますように』と。こうしてやってください。ではこれで終わる。」(3676-1)

 もう一つ、「転生の秘密」の67ページに記されている例である。これは慢性夜尿症で親を困らせている十一歳の少年の話である。この少年が、二歳のときに彼の下に赤ん坊が生まれたが、このときから彼は毎晩寝小便をすることになった。地方検事であったこの子の母親は、心身医学的な治療や精神科学的治療をはじめとするさまざまな治療をこの少年に受けさせたが、効果が上がらなかった。ついに両親はエドガー・ケイシーのことを聞き、リーディングをとった。リーディングでは、子供のカルテの説明と共に治療法が与えられた。そしてその治療法においては、少年が夜眠りに入る前にある明示を与えること、そしてその明示の内容は、肉体的なものではなくて霊的なものでなければならぬと指示された。
 母親はリーディングの指示を実行した。リーディングを受けてから間もなくのある夜、彼女は少年のベッドのそばに坐って、少年が眠りに入るのを待って次の言葉を低い単調な声で言いはじめた。
 「あなたは親切で立派な人です。あなたは多くの人を幸福にするでしょう。あなたはあなたが付き合うすべての人を助けるでしょう。あなたは親切で立派な人です」
 同じ意味のことを、いろいろな言い方で、五分から十分、子供が眠りかけたときに繰り返した。するとその晩九年ぶりで、少年の寝小便のくせはピタリと止んだのだった。母親は数か月間この明示をつづけたが、少年はその間一度も寝小便をしなかった。次第に、週に一度の明示ですむようになり、そしてついにその必要もなくなってしまった。少年は完全に治ったのである。そればかりかその後の少年の成長の報告によれば、『親切で立派な人』 になったのである。

 問「なぜ私の娘はこのように水を恐れるのですか。どうしたらこの恐れをぬぐいさることができますか」
 答「この娘が眠りに入る前に、明示することによってぬぐいさることができる。生活の中で用いられる水の有用性について明示しなさい。さもないと子供を産まない女性になってしまう」(2428-1)

 「私たちはここに、明示に快く従う身体をもっている。すべての身体は、普通ではない心を通して、身体の交感神経系を通して、明示に快く従う」(4648-1)”

     (福田高規「エドガー・ケイシーの人生を変える健康法」たま出版より)
 

 “リーディングは時折、子供が寝入る時に暗示を与えて、さまざまな問題を克服させることを親に勧めましたが、知恵遅れの子供に対してもこれが勧められました。

 

 「その子供が寝入る時に、両親が、つまり父親と母親の二人が一緒になって、この子供に暗示を与えるのである……。あなた方自身の悩みは造り主に預けおき。この成長過程にある子供の内なる神性に届くように暗示を与えることだ。

 まず出エジプト記19章5節を読んで、自分自身を準備することから始めよ。そこに語られている言葉は、親たるあなた方一人一人に語られる言葉である。次に、出エジプト記20章を読む。特に最初の18節までに与えられる戒めを熟読することだ。これらの戒めを文字通りに守るだけでなく、霊的な意味において自分自身に適用することだ。

 次には申命記30章を読み、そこに語られている戒めを自分に当てはめる。

 そうすることで、両親が自らを準備する上で必要な基礎、目的、理想が得られ、子供に対して必要な暗示を与えられるになるだろう。これを実行せよ。(5022-1)“

 

   (レイチェル・ランネルズ「エドガー・ケイシーが示す愛と結婚の法則」たま出版より) 


 *「明示法」の注意:決して否定的な言葉や禁止の言葉を使わず、常に積極的、肯定的な言葉で、その子の理想の姿、態度について語りかけること。

 

・金光大神(こんこうだいじん)の託宣より (金光教) 

 「食物を粗末にすると罰が当たると言うが、そういうことは言わない方がよい。子供には、叱るより教えてやれ。穀物をつくるのは農家であるが、それも、神のお恵みがなければできるものではない。神のお恵みをいただく心になるよう、子供に教えてやれ。」 

 「信心していれば、冗談にも悪いことを言ってはならない。言うとおりになってくる。子供を叱るのでも心得ておれ。阿呆をするな、馬鹿がなどと、言ったりして叱ってはならない。お利口だからするな、と言えば、子供もお利口だからやめようと思って利口になるが、阿呆、阿呆と言うと、阿呆だからしてやれと思って、阿呆になる。どうしても言うことを聞かない時は、黙って尻をつねっておけ。」 

 「子供を叱り叱り育てるな。叱り叱り育てると、大きくなって道楽者になる。また恐れ恐れさせ育てると臆病になる。」 

        (「天地は語る ―金光教経典抄―」金光教本部教庁より)