物語拝読の順序 | 瑞霊に倣いて

瑞霊に倣いて

  
  『霊界物語』が一組あれば、これを 種 にしてミロクの世は実現できる。 
                            (出口王仁三郎)  

 

 “十三巻から読み始め、何冊か読み続けていた昭和三年の十一月(九歳のとき)のことです。

 聖師さまが西日本方面をご巡教になるということで、大阪管下信徒で大阪駅に見送りに行かせていただきました。私も父に連れだってお見送りに行きました。大阪駅には五分間ほど停車していましたが、そのとき聖師さまにご面会いただき、おことばを頂きました。

 聖師さまも窓から顔を出され、だれが来ているかご覧になり、それぞれに短い会話を交わされました。私は聖師さまと直接ご面会することは初めてのことでしたので、恥ずかしくて、父のマントの袖を持って隠れるようにしておりました。

 聖師さまは駅のホームに並んでいる信徒の顔を一通り見ておられましたが、私の顔を見て『この子、どこの子や?』と尋ねられました。父が「はい、私の娘でございます」と申し上げますと、聖師さまは私の顔をじっと見られて、『あんたなぁー、霊界物語を読んどるやろ』とおっしゃった。

 「はい」とお答えしましたら、続いて『十三巻から読んだな』と。『今はそれでいい。もうだいぶ読んでいるから、そのまま七十二巻まで読み終えなさい。しかし、今度は一巻から順をおって読みなさいよ。むずかしくてもかまわない。字だけ読んだらよいのやから』と言われました。

 周りにいたある大人が「それじゃあ、もう一回、一巻から読み直したらええ」と言ったんです。すると聖師さまは『それは、あかん。霊界物語は水が流れるように読ましていただくものや。水は高いところから順番に流れてくるやろ。中流まできて、元の水上に戻ると逆流する。そんなことはダメや。水の流れるように読みなさいよ』と。

 さらに、『一巻から十二巻までに重大なこと、一番肝心なことが書いてある。これが大事なんやで』とも教えていただきました。

 だれも私が霊界物語を拝読しているなどとご報告していないのに、開口一番に『霊界物語を拝読してるやろ』と。しかも『十三巻から読んでるな』とおっしゃった。ご神書にある“神さまはお見通しである”ということは、だれがなんと言おうとそのとおりだと確信しました。四六時中、神さまはお見通しだ、だから曲がったこと、間違ったことはできないんだと、心にやきつきました。”

 (「おほもと」平成七年八月号 中井和子「聖師さまが『あんたなぁー、霊界物語を読んどるやろ』と」)