「軌道上サービス」 宇宙ごみ問題の解決策となるか
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宇宙ごみ除去実験で宇宙空間に投入された小型衛星。
米航空宇宙局(NASA)提供
(2018年9月20日提供、資料写真)。
(c)HO / NASA / AFP
2018年12月1日 10:00
発信地:ワシントンD.C./米国
【12月1日 AFP】燃料切れの飛行機が、駐機場に何千機も放置されて
いる空港を想像してほしい。
実は、これと同じことが宇宙で起きている。地球を周回する人工衛星が、
燃料切れで放置されている状態が何十年も続いているのだ。
人工衛星は、燃料が切れると正確な軌道を維持することができなくなり、
機器そのものが正常だとしても使い物にならなくなってしまう。
米首都ワシントンでは先ごろ、宇宙空間の人工衛星を対象に
保守・管理サービスを提供する複数企業の会議があった。
会議に出席した米航空宇宙大手SSLの
アル・タドロス(Al Tadros)副社長は、
「(燃料切れの人工衛星を放置することは)文字通り数億ドルを捨てる
ようなものだ」との見方を示した。
近年、新しい衛星を打ち上げるよりも、既存の衛星の寿命を延ばす方
がより大きな利益を生むとの考えから、こうした分野に進出する企業が
多数出てきている。
SSLは2021年、同社の「静止衛星ロボットサービス(RSGS)」事業の
一環として無人宇宙船を打ち上げる計画だ。
この宇宙船は地球から約3万6000キロ離れた静止軌道上で、
人工衛星20~30基に対して作業を施すことができる。
現在、この静止軌道では約500基の人工衛星が稼働している。
その大半は通信衛星だ。
SSL社の宇宙船は、対象となる人工衛星を固定し、点検や燃料補給
を行う。
また修理や部品の交換や、作業後には衛星を元の軌道に戻すことも
可能だとされる。
軌道上でのこうしたサービスは、増え続ける宇宙ゴミの難しい問題に
対する解決策の一つとしても期待が寄せられている。
米軍当局のデータには、宇宙空間に漂う物体2万3000個が記録されて
いるが、そのうち稼働中の人工衛星はわずか1900基ほどにすぎない。
その他にも、稼働していない人工衛星約3000基、打ち上げロケットの
残骸約2000個、そして2007年の中国による人工衛星破壊実験、
2009年のイリジウム衛星と古いロシアの通信衛星の衝突事故による
破片数千個もある。
宇宙空間ではこのような物体が、時速2万~3万キロの速さで常に移動
している。
■増え続ける人工衛星
2013年に設立された日本の宇宙ベンチャー企業
アストロスケール(Astroscale)は、宇宙ごみや壊れた人工衛星に接近
して捉えるシステムの開発を行っている。
同社のクリス・ブラッカビー(Chris Blackerby)最高執行責任者(COO)は、
「非常に将来性がある」とこの事業に期待を寄せる。
2020年には実証実験も計画されている。
一方、欧州航空機大手エアバス(Airbus)は、
2023年に「スペースタグ(Space Tug)」の打ち上げを目指している。
古くなった人工衛星を捉え、地球から約200キロの高度まで移動させて
燃やす計画だ。
米衛星産業協会(Satellite Industry Association)によると、宇宙空間
の人工衛星の数は過去5年間ですでに50%増加しており、今後も
増え続けると予想されている。
米国では、事故を避け、将来的に対立が起こった場合に対処できるよう、
宇宙交通に関するより良い国際規則の必要性について議論が活発に
行われている。
米国防総省の研究機関、国防高等研究計画局(DARPA)戦術技術室の
フレッド・ケネディ(Fred Kennedy)室長は、「われわれは、西部開拓時代
のような状況は望んでいない」と述べ、米国の軍事衛星群について触れ
ながら、地球の国境を超えた、健全なルールの確立を強く望んでいると
述べた。(c)AFP/ Ivan Couronne

NASA火星探査機(InSight)、着陸に成功 初の画像送信
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米航空宇宙局(NASA)の
無人火星探査機「インサイト」が
火星着陸後に撮影した画像
(2018年11月26日公開)。
(c)AFP PHOTO / NASA/JPL-Caltech
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米航空宇宙局(NASA)の
無人火星探査機「インサイト」が
火星着陸後に初めて撮影した画像。
レンズに付着した粉塵が写っている
(2018年11月26日公開)。
(c)AFP PHOTO / NASA/JPL-Caltech
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AFP
2018年11月27日 6:35
発信地:パサデナ/米国
【11月27日 AFP】米航空宇宙局(NASA)は26日、
同局の無人火星探査機「インサイト(InSight)」が火星着陸に
成功したと発表した。
同機は火星に着陸後、地表で初めて撮影した画像を地球に送信
した。
NASAジェット推進研究所(Jet Propulsion Laboratory)の
管制室では、担当者が「着陸を確認」と述べると、それまで緊迫
した様子だった室内からは歓声が上がり、科学者らは席から
飛び上がり抱き合った。
火星着陸後に行われた最初の通信からは、インサイトの状態
は良好であることが示されている。
インサイトは次に、太陽電池パネルの展開という重要な最終段階
を成功させる必要がある。
展開が計画通りに進んだかどうかは、米国時間の同日午後に
判明する見通し。
NASA探査機の火星着陸成功はこれが8回目。インサイトは
9億9300万ドル(約1130億円)を投じて開発され、設計から今年5月
の打ち上げ、そして今回の着陸までに7年近い年月が費やされた。
探査の目的は地震活動の計測を通じた火星内部構造の把握で、
これを通じて火星が数十億年前にどのように形成され、ひいては
地球などの岩石惑星がいかにして誕生したのかを明らかにする
ことを目指している。
NASA火星探査機の着陸は、
2012年の無人探査車キュリオシティー(Curiosity)以来6年ぶりと
なった。
火星へ探査車や探査機、人工衛星を送り込む取り組みは、
これまで世界各国の宇宙機関が計43回にわたり試みてきたが、
うち半分以上が失敗に終わっており、成功しているのはNASAのみ。
NASAは2030年代の有人探査の実現に向けた準備として、
無人探査に注力している。
(c)AFP

パーキンソン病、始まりは腸から? 虫垂切除で発症リスク19~25%減
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聴診器を首にかけた医師
(2009年10月19日撮影、資料写真)。
(c)KAREN BLEIER / AFP
2018年11月1日 14:11
発信地:タンパ/米国
【11月1日 AFP】これまで脳の病気と考えられてきたパーキンソン病は、
腸内、特に虫垂から始まる可能性がある。
成人早期に虫垂を切除すると、パーキンソン病の発症リスクが大幅に
下がることを、米国の研究者らが突き止めた。
論文は10月31日、
米医学誌「サイエンス・トランスレーショナル・メディシン
(Science Translational Medicine)」に発表された。
盲腸の下部にある虫垂は、不要な臓器と言われることも多いが、
腸内細菌の貯蔵場所で、免疫反応と関連があるとされる。さらに、
パーキンソン病に関連する主要たんぱく質「αシヌクレイン」が蓄積
する場所ともみられている。
研究チームは今回、スウェーデンと米国の患者データベースを調査。
その結果、成人早期に虫垂を切除した人のパーキンソン病発症リスクが、
切除していない人よりも19%低いことを突き止めた。
スウェーデンの農村部ではその効果が特に顕著で、リスクは25%も
低かった。農村部では、パーキンソン病の一因とされる農薬への暴露量
が多いとされる。
論文の共著者、米バンアンデル研究所
(Van Andel Research Institute、ミシガン州)の
ビビアン・ラブリー(Viviane Labrie)助教は電話会見で「パーキンソン病
を発症した人では、虫垂切除によって発症年齢が平均3.6年遅れていた」
と話した。
ラブリー氏は研究成果について「虫垂がパーキンソン病の初期症状、
または発症に影響を及ぼす組織部位の一つであることを示唆している」
と指摘した。
パーキンソン病は難病の神経変性疾患で、世界に大勢の患者がいる。
著名人でも米俳優のマイケル・J・フォックス(Michael J. Fox)さん、
アラン・アルダ(Alan Alda)さん、
米歌手のニール・ダイアモンド(Neil Diamond)さん、
ボクシングの故モハメド・アリ(Muhammad Ali)さんらがこの病気を患って
いる。
(c)AFP/Kerry SHERIDAN
英EU離脱の国民投票後に抗うつ薬の使用急増 研究
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英ロンドンの国会議事堂前でデモ隊が掲げた
「ブレグジット、価値はあるのか?」
と書かれた幕
(2018年9月10日撮影)。
(c)Daniel LEAL-OLIVAS / AFP
2018年11月21日 14:05
発信地:パリ/フランス
【11月21日 AFP】英国の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット、Brexit)の
是非をめぐって2016年6月に行われた国民投票の後、英イングランドで
抗うつ薬の処方量が急増していたことが21日発表の研究で明らかに
なった。
英国はここ2年以上EU離脱をめぐる議論でもちきりとなっており、
家庭や地域社会は分断され、企業は「合意なき離脱」に備えようと
大わらわになっている。
しかし、EU離脱とそのプロセスに長期にわたってつきまとう将来への
不透明感が英国民のメンタルヘルスに与える影響にはあまり注意が
払われていなかった。
ロンドン大学キングスカレッジ(King's College London)の
研究チームは国民投票の結果が大方の予想とは異なったものとなり、
英国の経済や社会に及ぼす影響に「相当な不透明感」をもたらしたと
考え、これが抗うつ薬使用の増加につながったのかどうか調べようと
考えた。
研究チームは国民投票の前後にイングランドの全326選挙区で
処方された抗うつ薬の量を調べ、他の種類の医薬品の量と比較。
公正に比較するため所定の1日の用量を算出して比較したところ、
国民投票後の抗うつ薬の処方量は他の医薬品よりも13.4%増えて
いたことが判明したという。
国民投票の結果と抗うつ薬使用の増加を明確に結び付けること
は困難だが、ロンドン大学キングスカレッジで医療経済学の
上級講師を務め、米ハーバード大学(Harvard University)の
非常勤教授も務めるソティリス・バンドロス(Sotiris Vandoros)氏は
他の処方薬に比べ抗うつ薬の使用が増えたという事実が重要
だと指摘。
バンドロス氏は、
「多くの論文で経済的な不透明感はメンタルヘルスに悪影響を
及ぼし得ると指摘されている」と述べ、
「雇用の不安定さや将来における家計の不安は健康悪化と関連
している」との見解を示した。
(c)AFP/Patrick GALEY
星の爆発で「ガラス」生成、新発見で明らかに
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米航空宇宙局(NASA)の観測データを基に作製された
超新星残骸「カシオペア座A」の画像
(2014年2月19日提供)。
(c)AFP/HANDOUT/NASA/JPL-CALTECH/CXC/SAO
2018年11月21日 11:13
発信地:パリ/フランス
【11月21日 AFP】今度、ひらめきを求めて窓越しに外を眺める時は、
その視線が貫いている物質が、爆発する古代の星の中心部で形成
されたものであることを心にとどめておいてほしい。
地球のはるか遠方にある二つの超新星残骸で
シリカ(二酸化ケイ素、SiO2)を検出したとの論文が先週、
「英国王立天文学会月報
(Monthly Notices of the Royal Astronomical Society)」に発表された。
シリカはガラスの主成分。
国際研究チームは超新星残骸が発する電磁波を分析するために、
米航空宇宙局(NASA)の
スピッツァー宇宙望遠鏡(Spitzer Space Telescope)を用いた観測を
行った。
その結果、シリカが発することが知られている電磁波の特定の波長
に基づき、シリカの存在を示す「痕跡」を入手した。
超新星は、大型の恒星が核融合燃料を使い切り、壊滅的な崩壊を
引き起こす結果として発生する銀河規模の巨大爆発現象。
この宇宙の大混乱の中で個々の原子が融合し、硫黄やカルシウム
などの多くのありふれた元素が生成される。
シリカは地球の地殻の約60%を構成し、特定の結晶形の一つで
ある石英は砂の主要成分だ。
また、シリカはガラス窓やファイバーグラス、工業用コンクリートなど
の重要な原料となっている。
英カーディフ大学(Cardiff University)物理学・天文学研究科の
ヘイリー・ゴメス(Haley Gomez)氏は
「超新星によって生成されるシリカが、宇宙全体に分布する塵(ちり)
に寄与するほどの量に及んだことが、今回の研究で初めて明らかと
なった。塵の一部は最終的に一体となり、われわれの故郷の惑星を
形成した」
と説明する。
「窓の外を眺めたり、歩道を歩いたり、砂浜に足を踏み入れたりする
たびに、はるか昔に燃え尽きた星の爆発によって生成された物質と
触れ合っていることになる」
2016年には、現代の電子機器の製造に用いられる金属のリチウム
の痕跡を、新星爆発の中心部で発見したとする研究報告が発表された。
この現象は白色矮星(わいせい)が近くの星から水素を吸収する際に
発生する。
(c)AFP








