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3月11日に発生した東北地方太平洋
沖地震で、宮城県沖の海底が約24メートル
動いていたことがわかった。
観測史上最大で、陸上での移動量の4倍
以上だという。
「より大きな移動が過去に発生していた
可能性はある」とアメリカ 、オレゴン州立大学
(OSU)アクティブテクトニクス海底マッピング
研究所
(Active Tectonics and Seafloor Mapping Laboratory)
の所長クリス・ゴールドフィンガー氏は指摘
する。
今回の成果は、水深1000メートル以上で
海底のずれを直接測定した点だ。
「マグニチュード9レベルの地震なら、同様
の数値が観測されるだろう。
2004年のスマトラ島沖地震では、海底が
約30メートル動いた可能性がある」と、
ゴールドフィンガー氏は調査結果について
メールでコメントした。
◆GPS技術により断層の動きを追跡
海上保安庁の佐藤まりこ氏率いる調査
チームは、太平洋側の断層に沿って海底
基準点を設置し、数年間にわたって監視
を続けてきた。
3月の巨大地震の震源地だ。
まず海底に複数の海底基準局(通信中継器)
を設置し、高精度のソナー技術を駆使して
測量船の船上局から海底基準局の位置を
記録した。
また、船上局の位置はGPS衛星によって
刻々と追跡される。「GPS信号は海底まで
届かないため、複数の技術を組み合わせた
観測システムが必要だった」と佐藤氏は
メールでの取材に対し述べている。
3月11日の地震発生直後に、調査チーム
は海底の移動量を測定した。
オレゴン州立大学のゴールドフィンガー氏
は、「このとき初めて、大規模な沈み込み
地震で断層の海底部分が直接観測された。
地震活動が極めて活発な場所だ」と説明する。
「通常は陸上基準局のGPSデータから
ずれを推測するしかない。
海底のずれを直接計測できたことは非常に
有意義だ。
陸上のGPSデータから作成したモデルの
正しさも確認できた。
今後、精度向上にも大いに役立つだろう」。
◆今後の津波、地震の解明に
「大規模地震はわからないことが多く、
このような実測データは非常に貴重だ」と、
ゴールドフィンガー氏は付け加える。
例えば、2011年以前の地殻変動モデルでは、
東北沖の巨大地震発生を予測できなかった。
さらに、津波の理解にも役立つと佐藤氏
はメールで述べている。
「今後の地震と津波のリスクを評価する
ために、海底の動きを繰り返し監視して
いくことが重要だ」。
Photograph courtesy Japan Coast Guard via Science/AAAS











