【技術】 体重移動って本当に必要なのか? 体重移動論 その1 | 働くカットマンのチラ裏卓球ブログ

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 「全身を使って打て」「体重移動を使って打て」というのは、よく言われることですが、これを言っておけばなんとなくアドバイスっぽくなる魔法の言葉でもあります。

 体重移動とは、言い換えるなら身体の重心の位置を移動させることで、
 「体重移動を使って打て」というのは、この重心を移動させる時に発生する力をボールに伝えて、より大きく飛ばすことを指していると考えます。

 とはいえ、言う人やその場面によって、微妙にニュアンスが違ったりするのですが…


 実際、卓球を始めたての頃は、体重移動ができない、そもそも意味がわからない人が多いので、初歩的なアドバイスをすれば十分な人であれば、まぁ「体重移動」と唱えておけばOKな感もあります。


 それでは、「体重移動」が常にどんな場面でも通じる言葉なのか…が、最近とても疑問…というよりも、「違うんじゃねーのか」と思っています。

 元明治大学監督の平岡義博先生の過去ブログでも、言葉は違いますが同じようなことが書いてあり…

 ここでタイトルに戻ります。


【本題】
 (わたくし的結論)
 体重移動を用いた方が良い場面が圧倒的に多いが、"必"要ではない。


 そもそも体重移動を使って打つことが何で良いとされるのでしょう。考えてみます。

 高1の1~2学期ぐらいで物理の授業を完全放棄した僕の物理知識をフル活用します。


 ボールに加えられる力(=インパクト時に発生する力)を p とします。
 ピン球にぶつかる物の重さを m とします。
 その物の速さを v とします。

 じゃあたぶん 細かいことは置いといて

 p = m × v の式が成り立つはずです。はい。きっと。

 v は加速度だったかも知れませんが こまけぇこたぁいいんです。


 や、何が言いたいのかというと、インパクト時のパワー p を大きくしたいなら、

 m つまり、ピン球にぶつけるモノの質量を大きくする方法と、

 ぶつけるモノの移動する速さ v を高める方法とがあるよ ということです。



 では、まず質量をでかくするにはどうすればいいかを考えてみます。


 人間の身体で発生する力のうち、一番大きな力といえば、やはり自重が移動する力です。

 しかもその力は、そこに立っていて、ちょっと動けばその瞬間に簡単に発生する力です。


 Yahoo知恵袋先生に教えて頂いたのですが、体重50kgの人の身体の各部位の重さは、

 頭:3.5kg
 胴体:21.5kg
 片腕:3.25kg
 片足:9.25kg

 となるそうです。(個人差はありますが)


 完全に利き腕だけで振るスイング(=手打ち)の場合、ピン球にぶつかる質量はラケット含めて5kgもありません。

 体重移動を用いて打った場合、その人の体重次第ですが、40~70kg超の質量がラケットを介してピン球にぶつかりにいく訳ですから、インパクト時のパワーに圧倒的な違いが生まれることは自明です。

 体重移動の力をラケットに伝えるのが上手な人(=パワーロスの少ない効率の高いフォームの人)は、例え筋力が無くとも、かなり強いインパクトを得ることができるということです。

 もし100%の効率で力を加えられるとすれば、完全な手打ちと体重移動を用いてのスイングとでは、15倍違うということになりますね。(すごく粗い計算ですが)



 次に、速度を高めるにはどうすれば良いかを考えてみます。

 ここで考える速度とは、ピン球にぶつけるモノの速度のことですから、つまりラケットが移動する速さ…つまり、スイングスピードのことです。

 ①
 手首と指の力を使ってラケット振ってみます。まぁほっとんど動きませんが、静止したボールをぱちんと弾くぐらのことはできます。

 ②
 肘を支点として、前腕の屈折を利用してみると、これだけでもまぁそこそこの速さになります。

 ③
 さらに、胸筋や肩の力を使って、上腕(二の腕)も動かしてみると、前腕の屈折の速さに加えて上腕の移動速度も加わりますから、より速くなります。

 ここまでが、手打ちのスイングスピードの限界です。


 さらにスイングスピードを高めるには、上半身を使います。

 ④
 まず上半身をひねる動作。右利きなら、右にひねった後左にひねり戻す動作ですね。これでスイングスピードをアップさせます。

 ⑤
 もう一つ、フリーハンドをスイング方向と同方向に回すことで、さらにスイングスピードが上がります。

 ここまでが、上半身しか使っていない と言われる人の、スイングスピードの限界です。


 さらにさらにスイングスピードを高めるために、下半身を使います。

 よく「腰を回す」と表現される動作ですね。

 ⑥
 右利きの場合、左膝を内側に倒して右股関節を入れて溜めを作って反動をつけ、

 次に左膝を戻しながら右膝を内側に倒し、この動作を利用して下半身を回します。

 この腰を回す動作によって、さらにスイングスピードがアップします。

 ここまでが、全身を使ってスイングする場合のスイングスピードの限界でしょうか。

 さらなるスイングスピード向上のためには、筋力をつける必要がありますね。


 ここでスイングスピードを高める動作を振り返ってみると、1つ1つ高める動作、要素が増える毎に、身体を使ってる部位が増えていっています。

 つまり、身体の色んな部位を使えば使う程、スイングスピード(=v)が上がるばかりか、どんどんピン球にぶつける質量(=m)そのもの自体も増えていきます。


 p = m × v  の無理やり物理式に立ち返ってみると、

 どんどんインパクト時のパワー p が増えていってますね。

 また、インパクト時のパワー p が大きくなればなるほど、ピン球はラバーによく食い込みます。

 よく食い込むと、ラバーによる反発も大きくなりますし、ラバーに食い込むことでボールが射出される方向がスイング方向と一致してきますので、弾道も安定します。


 体重移動やべぇ! すげぇ! いいことだらけ! 万能!!!

 となってきたところで、続きます。



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