中村文則さんが書かれたエッセイの中に、こんな一文があった。
「テレビやゲームもそうだけど、スマホなどの『光る画面』は前頭葉を抑制的にし、見ている間、実は思考力はうまく働いていない」
実験や研究がなされて導き出された結果だと思うけど、実感として、言われてみればその通りだと思う。
前頭葉が抑制的になっているかどうかは自分自身、分からないが、光る画面がからだに及ぼす影響は相当大きいと思われる。なんといっても、人工的・人為的につくられた光であり、どうひいき目に見ても、体にいいとは思えない。
今年の激暑でどこもかしこもエアコンフル稼働だった。
炎天下で働いている人たちからすれば、「涼しいところで仕事して、いい気なもんだ」と言われそうだが、エアコンが効いた部屋の中に一日中いるというのも、別の意味でしんどいのだ。
ましてや、エアコンの効いているところといないところを出入りすること、それも相当なストレスになる。
かつては「外気温との温度差は3度程度に」なんて言われていたが、今夏など、3度下げたところで37度だったりして、とてもそれではいられない。
人工的・人為的につくられた冷気は、やっぱり体によくはないに違いない。
そう考えると、身の回り、囲んでいるのは不自然なものばかり。
あらゆるものが、人工的・人為的につくられたものばかり。
悪い影響を及ぼすのは、体だけでなく精神も。
なんか本当に、長生きしたらつらいばかりな気がしてきた。
何もかも 覆った世に もういない
鞠子