チェスや将棋で負けそうになると、ズルをするAIがあるらしい。
駒の位置を勝手に変えたり、結果に関するプログラムを書き換えたりして、「勝ちにこだわる」のだそうだ。
これを聞いて、私は太郎次郎の猿回しを思い出した。
猿の次郎は芸達者で、太郎の言葉を理解し、太郎の指示通り芸をする。
だが時に、太郎の指示を無視する。
挙句、指示と違う芸をしたりする。
叱られてもおしりをぼりぼりかいたりして、不遜な態度をとる。
それがまた、ウケる。
想像だが、「〇〇をする」という芸を教えるより、「〇〇をせよ」といっても「〇〇はしない」を教える方が何倍も難しいのではないか。
AIは、あっという間にそれと同様なことをするようになった。
次郎はかわいくて、その賢さに感動しつつ笑って見ていられるが、AIはそうはいかない。
まったくもって、世も末な気がしてきた。
AIの 首輪につながれ イヌと化す
鞠子