当たり前のように「命より大切なものはない」と言うし、死んだらもう何ひとつできないことも確か。
高倉健さんが映画『八甲田山』の撮影の際、まさに命がけだった旨の記事を読んだ。
実際にあった「八甲田雪中行軍」をモチーフにした映画で、可能な限り当時の様子を再現するため、とんでもな撮影だったようだ。
この映画、観たが、そういえば想像を絶する壮絶な状況だった。
今はCGとか駆使されるが、それでも俳優さんは時として命がけで仕事をしているんだろうなと思う。
俳優さんだけではなく、危険物を取り扱う人とか高い場所で仕事をする人、熱いところ、極寒のところで仕事をする人など、命がけの仕事をしている人々は世の中にいっぱいいる。
命より大切なものはない。だが、命ぎりぎりの線で生きることに誇りを持っている人もたくさんいるのだ。
健さんの場合、命惜しさに妥協した仕事をするという選択肢はなかったのだと思う。
『八甲田山』の撮影中に命を落とすことがあっても、妥協して生きながらえることのほうが耐え難い事だったに違いない。
雪が降る きれいで冷たい 悪魔たち
鞠子