運転中、信号待ちをしていたら、右の車線に巨大なトラックが停まった。
なんだか、「クジラに横付けされた」気分。
よく見ると、巨大なタイヤが2本ずつセットで、片側に8本ついている。つまり、トラック1台に16本のタイヤがついていることになる。
ちょうど私の横に見えるタイヤ、前から3列目の外側にあるそれは、他に比べて溝がほとんどない。
ただでさえ、巨大なトラック。こんなつるつるのタイヤで大丈夫なのか ―― 途端に不安な気持ちになった。
昔からそうだったが、最近特にそう。
ふとした瞬間に、なにげ「悪い予感」や「不安な気持ち」を抱いてしまう。
例えば高層ビル。あの上から落ちてくる人。
パソコンの動きがなにやら鈍い。パッと画面が真っ暗になってしまう
細い道を走行中、ふらっと車道側に倒れる歩行者。
スーパーのカートでつんのめる。
スイミング中、突然両足がつって沈む。
毎日の生活の中、予期せぬ事態がきっと起こる、と思ってしまう。
信号待ちをしている間中、つるつるのタイヤがスリップする、道路とこすれて火花が散る、そんなシーンが頭から離れなかった。
あるいは、発進と同時にこのタイヤが外れ、私の車を直撃したら、痛みなど全く感じることなく死ねるかも、などとも思ったりした。
人類が 生みだしたもの 命剥ぐ
鞠子