ステップ台運動ジムで一人、踊っていたら、見知らぬおじさん3名が駐車場に車を止めるのが見えた。3人とも、いちお運動できそうなスタイルで、手に手にペットボトルの水も持っている。
入館し、受付スタッフと話している声が聞こえてきた。
このジム、3回お試し利用ができる。
3人は、それを目当てにきたのだ。
利用の仕方と館内を説明するスタッフ。
そしてとうとう、私のステップ台の後ろに1人やってきた。
どうやらスタッフが、1名ずつ、手取り足取りして教えるらしい。
…はいいのだが、このおじさん、申し訳ないけど実にひどかった。
ちょうど、初心者向けのメニューをやっていたのだ。
にもかかわらず、ステップ台に上る・下りる・上る・下りるというもっとも基礎的な昇降を音楽に合わせて行うことができない。
手の動きなんか加わろうものなら、まったくもってパニック状態。
さらに、ストレッチになったら、前屈も後屈も開脚も何一つできない。
幾らなんでも、あまりにもひどすぎた。
本人曰く「全く運動をしたことがない」。
それにしても、スローなテンポでの上り・下りができないとは。
私なんか、このメニューは物足りないので、ステップ台を倍の高さにしている。
さらに、その次のメニューは最もハードなヤツで、もちろんおじさんたちは早々に逃げ帰った。
だけど、思ったのだ。
御年、70歳とのこと。これが普通なのかもしれない、と。
いつもスイミングに行き、そこで会う人たちは私と同年代かそれ以上か。
でも、私が見ている限り、全員、「私より泳ぎが上手」。
水中歩行にしたって、私より年上の人が、私より早く歩いたりする。
そういう光景に慣れてしまっているため、今日のような状態を信じられないと思うだけで、実はこういう人のほうがあるいは一般的なのではないか。
何事も、自分の見ているものだけを信じて判断していてはダメだ。
今日、つくづくそう思った。
あのおじさんたち、きっと今日でコリゴリし、お試し3回の権利を行使することなくやめるだろうな。
そして、あしたはハデな筋肉痛で起き上がれないかもしれない。
ラテンとか ヨガとか踊れる 幸せ大
鞠子