ちょっと目にした資料に、「あとは後輩が何とかするんだろうけど」の1文があった。
何年か前、付近の町村と合併して市になった某市。当時、合併には賛否両論あったが、ぶら下げられた合併特例債というニンジンの魅力は相当大きかったようだ。実際、それを使って道路整備や新庁舎建設、学校の長寿命化工事をすることができた。
だが、しょせんは借金。いつかは返さなければならない。そこでこの「あとは後輩が何とかするんだろう」発言が出た。
そう、負の遺産は、後輩 ―― つまり、後世の人たちが背負っていく。
この夏は激暑だ、という。
というより、ここ数年、ずっと暑い。地球温暖化が進み、季節の感覚が全然おかしくなってきた。
熱中症は死に至ることもある。だから、ためらわずにエアコンを使え、とあっちでもこっちでも警告している。
これを聞くたび目にするたび、「そうしてエアコンをつけると、室外機から熱風が出て、地球温暖化がますます加速するのではないか」とどうしても思ってしまう。
だからと言って死んでは元も子もないが、今、この目の前の暑さを乗り切るためにで排出された負の遺産も、やっぱり後輩たちが背負うことになる。
よくよく考えてみたら、持ち時間は一人につき多くて100年。
地球や宇宙の歴史からすれば、針の1点ほどにもならない。
よしんば私が後輩のためを思い、一生涯にわたってエアコンをつけるのをためらったところで、何の助けにもならない。
これまで生きてきた人もみんな、結局、持ち時間をできるだけ快適に過ごそうとして、負の遺産を残しまくってきたはずだ。
私たち全員、「前の世代」から「負」を押しつけられてきた。
そうして、私たちも、全員、「負」を「次の世代」に押しつける。
やっぱりいつか、地球は滅んじゃうのかもしれないな。
そうなったらごめん。
ほどほどの 春夏秋冬 もはや夢
鞠子