職場の最若手オトコ後輩が退職することになった。
彼に対して言いたいことはヤマほどある。
彼も上司や先輩に(←もちろん私も含めて)言いたいことはヤマほどあるに違いない。
だが、私一人とってみても、お互いの言い分は全く交わらない。平行線どころか、「違う世界・違う言語で話している」くらい、開きがある。
ともあれ、彼は辞めていく。
これからいったいどうするつもりなんだろう。
だが、今、彼のもっぱらの興味は、いかにして12月の賞与をもらい、退職金を満額もらい、失業保険を早く&より多く&より長くもらい、再就職できた場合、より多くの再就職手当をもらえるか、にしかない。
そのことのみしか頭にない彼を見ていると、私はとてつもなく虚しくなる。
私自身、大学を出て就職し3年我慢したが、どうしようもなくなって「ほとんど勢い」で退職した。
退職した日、その足でハローワークに行った。
失業保険や再就職手当など、全く頭になかった。
とにかく「無職」の状態から、一刻も早く抜け出したかった。
2度目の失敗はしたくないという思いはあったが、それ以上に「無職」の状態は耐え難かった。
失業保険にしたって再就職手当にしたって、しょせん「一時的」なものではないか。
そんなものより、30代の彼、これから自分の人生どうするのか、それに向き合うことが最優先なのではないか。
…なんて、大きなお世話だけど。
定年退職し、再雇用で働いている今の職場の「仕事」も、ハアハア言いながら必死でやっているダブルワークの「仕事」も、私はとても好き。
嫌なこともいろいろあるけど、「仕事の質」としては、私はとても好き。
実際、再雇用で給料は下がり、ダブルワークなど厳密に計算したら赤字だが、それ以上に今でも私は「無職」の状態は耐えられない。
「無職」になったら最後、私はどんどん堕落して、自堕落な生活になることが目に見えているし。
もし、失業保険や再就職手当に頼ったら、私はもう、仕事人としては間違いなく復帰できない。
…そんなことも彼に言いたくてたまらないが、全くもって大きなお世話に過ぎる。
彼が退職し、モロモロきちっと片付くまで、まだ一波乱も二波乱もある。
人生は 長くないこと 後で知る
鞠子