職場の隣に老人向け施設ができて半年ほどたった。
うちの職場とは、建物の背面がくっついて建っていることもあり、老健なのか特養なのか、明確なことはわからないのだが、垣根越しに見える雰囲気からすると、おそらく2階、3階は有料老人ホームで、1階はデイサービスなのではないかと思う。
昨日、久しぶりに遅くまで職場にいたのだが、そのとき、初めて気がついた。
この老人向け施設、夜になると「1室だけ電気がついている」。
つまり、1人しか入居していないらしい。
あるいは、たまたまショートステイだったのかもしれないが、いずれにしても昨日の夜は、その施設には老人一人プラス職員多分一人しかいない、ということだ。
それはなんだか、とても怖い光景だった。
私もシングル生活なので、家には私以外誰もいない。
それでも怖さなど感じたことはない。
結局、普通なら大勢いるはずのところに1人しかいないから怖いのだ。
そういえば、
ごくごくたまに、スイミングのプールで「私一人しか泳いでいない」ときがある。
誰もいないプールで気兼ねなく…のはずなんだが、これはめっぽう怖い。
病院もそう。
我が家の近くの大病院など、夜散歩で通りかかると、電気はついているが誰もいない廊下が見え、なんかものすごく怖いものを感じる。
人間の感覚なんて、相当いいかげんなものやな、と思う。
そんなことに恐怖を感じるの、私だけかもしれないが。
誰もいぬ 廊下にポツリ 銀の紙
鞠子