昨夜観た『シカゴP.D.』、超感動的だった。
詳細はさておく。
キム・バージェス刑事の娘、マケイラが誘拐されるのである。シッターは殺されており、犯人の凶悪さ、残忍さはもはや疑うよしもない。
キムとキムの元彼ルゼック刑事は、家に帰り、その恐ろしい光景を見た途端、「完全に正気を失う」。
ビルの中、駐車場、付近の道路、走って走って走りまくって、マケイラを探す。
その走る姿、形相は、もはや野獣の如くだった。
まず、そのシーンに超感動。
俳優としての力量というか演技力というか、すばらしかった。
そして、身代金云々があって、金とマケイラを交換する時に捕まえる(←こういうとお決まりの展開に思えるが、これに関してもいろんな事情といろんな人の思惑が絡まっている)ことになるのだが、もとより正気を失っているルゼックが先走った行為に走り、金を取りに来た大事な犯人の一人を打ち殺してしまうのである。
とここでまた、ハッと思い出した。
そういえばマケイラは、バージェスの本当の子どもではなく、ルゼックの子どもでもない。
バージェス、ルゼックは白人でマケイラは黒人という、難しい条件も抱えている。
マケイラは幼いころからとてもつらい目にあっていて、人になかなか心を開けなかった。
バージェスも、ルゼックとの子を仕事のせいで流産するというつらい過去がある。
そんなバージェスがそんなマケイラを養子にすると決めたあたり、確かルゼックはあんまり乗り気じゃなかったはずだ。
だが、誘拐という局面で、ルゼックはバージェス以上に取り乱して冷静さを欠いた。犯人を目の前にしたときなど、完全に狂人と化していた。
いつの間にかルゼックも、マケイラの「父親」になっていたのだ。
バージェス、ルゼック、マケイラを観ながら、血のつながりも肌の色の違いも関係ない、それが何なんだと思ってしまった。
バージェスとルゼックは正式な夫婦ではないが、それも同様、こだわることなど何もないではないかと思ってしまった。
ま、ドラマの話だ、と言ってしまえばそれまでだが。
マケイラがママ・バージェスの胸の中で眠るラストシーンは、ただただナミダ・ナミダだった。
腕の中 聞こえる寝息 ただそれだけ
鞠子