昨日、職場で、後輩Tが最若手後輩Sにとあるデータ作成を依頼した。
アクセスデータの中から指示された条件のデータを抜き出し、客様に渡すための資料を作成する。
Tはまず、資料の概要を説明したあと、Sに作れるかどうか聞いた。そして、「できなければ、鞠子さんに頼むから」と言った。
それに対しSは「作れます」と即答した。
…のだが、このやり取りを背中で聞いていて、めっちゃ不安になった。
指示された条件の設定そのものが、そう簡単にはできないからだ。
もし、私が頼まれたとしても「ちょっと時間かかるけどいい?」と伝えるレベルの仕事だ。
だがしかし、Sの返答はいかにも「すぐできます」という言い方だった。
そしてその通り、あっという間に作成し、「Tさんのフォルダに入れときましたから」としゃあしゃあと言ってのけた。
おかしい。
そんな簡単にできるはずがない。
ものすごく意地悪だとは思ったが、依頼主のTより前に、私がその資料を見た。
案の定、条件設定の段階で不備があり、正確には28人分のデータが出てこなくてはならないのに26人分しか抽出されてなかった。
かつ、「そのまま客様に渡す」と言われているのに、エクセルにポンとデータを落としただけで、書体はバラバラ、字間はバラバラ、セル内の配置も右寄りだったり左寄りだったりとバラバラ。見出しはついてないし、各列の説明もなし。もちろん、罫線も全く引いてなく、挙句の果て、年月日の表示「11-Mar-11」みたくなったまま。
つまり、資料内容も違っているし、見た目も全然整えてないという使えないシロモノだった。
Sはこの間、ずっといろいろ問題アリで、仕事に関しては「とにかく言われたことをきちんとこなしてくれ」という状態になっている。
「新しいことを創造したり企画したりする」とか「自分の得意分野の仕事を選んでする」より「仕事を与えられて、それをこなすほうがいい」と、彼自身が決めたのだ。
パソコン操作のテクニカルな部分は、知らなければできないわけで、そこが問題ではない。
「26人で正しいかどうか」「この資料の見た目はおかしくないか」と思えるかどうか、なのだ。
さらには、客様が見たとき見やすいかどうか。
そこに気づけないとなると、いくら仕事を与えても、きちんとはこなせない。
結局、私が一から作成し直した。
客様の手に渡る前に食い止められてよかった。
その間も、Sは私の後ろに立って、ぼーっと画面を見ているだけだった。
私が直接頼まれた仕事ではなく越権行為は間違いないのだが、これでは言いたくなくても言わざるを得ない。
もちろん、すみませんでした、の一言もない。
それ以前に、少なくとも資料の見た目に関しては、おそらく私の言っていることが全然分かってない。
そしてデータ自体が間違っていたことに関しても、「そんなこと、気づけと言うほうが間違っている」くらいに思っている。
言うたびに 自分の心が 傷み病む
鞠子