(1)大病の前触れ
右足の不調が続いているため、ついこういう広告に目が行ってしまう。
「『足裏の違和感』これで一発解消」
こういう題の本が出たらしい。
私の場合、違和感は足裏ではなく、むしろふくらはぎの側面から足首、足の甲にかけてなので、ぴったりは当てはまらないのだが、何より題名の前に書かれていたキャッチコピーが強烈だった。
「大病の前触れ!」
足裏の違和感は大病の前触れ……だけど、一発で解消する……
足裏の違和感は一発で解消する……だけどそれは大病の前触れ……
何度考えても、頭の中に「?」が渦巻くのだが。
(2)別の意味でキラキラネーム
改正戸籍法が成立し、キラキラネームに一定基準が設けられた。
「高」と書いて「ヒクシ」、「太郎」と書いて「ジロウ」、「太郎」と書いて「マイケル」、「佐藤」と書いて「スズキ」などは、認められないことになった。
まあ、言われてみれば。
こういう名前をつけられた子は、いろいろ苦労しなければならない気がする。
…などと思ったすぐ後で、こういう名前の人を見つけた。
「山本東海林朗」
名字と名前の境は一体どこにあるのだろう。
「本」の後か、「東」の後か、「海」の後か、「林」の後か。
真相は分からないが、たとえどこに境があろうとも、この方の名前、とっても素敵ではないか。
昭和1ケタ世代のお生まれ。
別の意味でキラキラネームだと、思わず「!」を2つつけたくなった。
(3)言葉の意味
職場でオトコ後輩に資料を作らせた。
新聞記事の見出しを幾つか拾ってワードに打ち込むだけの単純な作業だ。
たまたま家で、できあがった原稿を見た。
中に「商品A 注文数好評」とあるのを見て、これはおかしい、と思った。
注文数が好評って、ヘンじゃないか。
元原稿は新聞記事であり、誤字脱字はめったにない。ただ、手元に元原稿がなく、そのときは確認しようがなかった。
後日、元原稿を調べた。
やっぱり正しくは「商品A 注文数好調」だった。
それだけでなく、A4・1枚の資料の中に、10か所以上の入力ミスが発覚した。
彼に、入力後、打ち出して校正したのか確認したところ、自信なさげに「やりました」と言う。
やって見つけられなかったのなら、問題の根はもっと深い。
私の顔が曇ったのを見てとったのか「1字ずつ、確認したわけではありません」と付け加えた。
…って、いったいどうやって校正したのよ。
なにより、「注文数が好評」という文章自体がヘンだと思わないところに危機を感じる。
以前「コロナワクチン摂取」と打ってきた資料もあったので、「君は、ワクチン、飲むのか、食べるのか」と嫌味を言ったら、このオバサンは何、バカなことを聞いてくるのかというような顔で「打つんです」と言い放った。
「摂取」と「接種」の意味の違いなど、全然興味がないらしい。
私たちの仕事、それだとめっちゃマズいんだけど。
もう「?」と「!」が幾つ並んでも足りないほど、頭の中で行列をつくっていた。
書かぬうち 書けなくなった 恋心
鞠子